三和 導代 です。
アスワンハイダムのあるアスワンはナイル川クルーズの乗船、下船の町となっていますので、最近はなかなか宿泊するチャンスがありませんでした。ルクソールからアスワンの船旅の後はすぐにアブシンベルへの移動でですので通過点となってしまいました。
ここアスワンより上流地域にはアラブ人よりもっと肌の色の黒いヌビア人が住む地域となります。エジプトを越えナイル川はスーダンに続きますが、ヌビア文化となります。アスワンハイダムの建設により水没したヌビア遺跡は少なくなく、アスワン発アブシンベルまでのナセル湖クルーズでは水没を免れたヌビア遺跡を訪れます。お船の数もナイル川クルーズよりずっと少なくなりのんびりとした旅となります。数度エジプトを訪れた方にはおススメです。
今回はナセル湖クルーズはしませんでしたが、アスワン西岸にあるヌビア村を訪問しました。ルクソールと同様に西岸地区は砂漠が続きます。東岸にはホテルや主要な建物、スーク、民家が集中していますが、ナイル川を隔てた西岸地区は別世界です。ルクソールからのクルーズ船から下船してボートの乗り換えてナイル川を下ります。ナイル川には大きな玄武岩がゴロゴロ、渦となり急流となっている箇所が数多く見られます。早朝のクルーズは最高です。西岸をよく見ますとラクダが数頭。観光用のラクダかと思いますが砂山にヌビア風ホテルが建てられています。
ヌビア人は青がお好きのようで、ナイル川、砂漠にはとても青、その他の原色の色がぴったりです。またナイル川にはワニが生息し、古代ではワニは聖なる神の化身として大切に祀られていましたので、今でも一般のヌビア人の家もワニの剥製やワニの絵がかかれています。
西岸地区のヌビア村は下船してから徒歩にて。カラフルなおみやげ物も並びますが、客引きのうるささがないのは良いですね。ブルー一色の民家を訪問、その中のくつろぎの部屋にはカラフルなナイル川でのヌビア人の営み、そしてワニも描かれています。寝室にはベッドや使っていない冷蔵庫などがありました。2階からはナイル川がよく見えます。
紅茶とハイビスカスティ、そしてこのヌビア人の奥さんの手作りの焼きたてのパンをいただきました。そこではワンポイントのヘナ(手にお化粧)をしてくれます。装飾模様の選ぶことができます。楽しいひと時でした。
そしてさらにカラフルな建物が続き村を散策、ラクダや一輪車も通ります。そして小学校を訪問しました。2階の一室には制服を着た小学校低学年と思われる子供たちが女性の先生の指導により大きな声で繰り返し、何かを唱えています。ヌビア人はイスラム教徒ですので、小さい子供時代からコーランを勉強するのです。女性の先生が3人いますが、一人の一番若い先生がコーランの先生と思われる人で目だけが外に出ていました。でも服装は黒でなくピンクであったのが印象的でした。
村にはお香や香辛料のお店も続きます。エキゾチックな香りと雰囲気は異国情緒を旅人を幸せにしてくれます。長いこと訪れたかったヌビア村にやっと行くことができました。念願のヌビア人村は想像以上に楽しい旅となりました。少なくとも切りかけのオベリスクにいくよりずっと楽しいです。次回は東岸にありますヌビア博物館を再訪したいと思います。夢はまた膨らみます。