三和 導代 です。
急に思い出って函館に来ました。大船遺跡の中空土偶が見たいというかねてからの希望からスタートしました。昨日、ポスターでJR東日本とJR北海道の掘り放題チケットがこの時期に発売されていることを知ったのです。通常の土日は予定が入って動けないのですが、何度今週の週末から週の頭は、原稿書きとセミナー準備で予定を入れていなかったのです。すぐにこのチケットを購入し、函館へ。そして大船遺跡の前に急遽、白老まで足を延ばすことになりました。
白老といえばアイヌの地、これまでも数回訪れていますが、昨年にウポポイ(民族共生象空間)、国立アイヌ民族博物館がオープンして以来初めての訪問となりました。昨年のオリンピック開催に合わせてのオープニングも、コロナ禍で昨年はずっと延長を強いられていました。そして今日私は数年ぶりに新しいこのアイヌの民族の地にやってきました。
真新しいこの空間、本来でしたらオリンピックに合わせて沢山の外国人の来訪を想定していたかと思います。日本語、英語、中国語、ハングル語の案内や解説が至るところに見られます。そして警備の人々があまりにも多いことには驚きを隠せませんでした。入場者は残念ながらこの世界情勢ですので、このピークシーズンではありますが、団体客の姿はもちもんありません。白老の駅までもとても整備され、このウポポイのスターゲートとなっています。
様々な工夫が新たにされた企画です。体験型学習が多く取り入れているのはとても素晴らしいことです。アイヌの民族楽器トンコリの演奏体験に私も参加しました。不器用ながら一曲の一部が演奏できたのはうれしい限りです。
一番私が感動した体験は個人のドーム型スクリーンでの映像体験「カムイアイズ」です。アイヌ文化でカムイとされている動物たちの視点から見える世界を、半球ドームスクリーンにて上下左右の広角映像で体感できるのです。つまり動物の視点からこの地球の景色を見ることができるのです。素晴らしい企画です。私たちは人間の視点でしか見ていないこの世界をカムイの視点からみられるなんて。
オオワシのカムイになって北海道の大空へ。仲間がアイヌの光の矢を受け止める中、不思議な光の輪を通り、時空を超えて飛んでいきます。するとオオワシにも運命の光の矢が。。。光に導かれてたどり着いた先でカムイを待っていたのはアイヌの矢。アイヌはカムイから肉や毛皮を受け取る代わりに、祈りによってカムイの魂を「カムイモシリ」の世界に送り返します。そこでカムイは格上の神となり、再びアイヌへ富をも足られてくれるのです。
アイヌの世界ではカムイと共存共栄していたことがよくわかります。カムイは全てのものに宿っているのです。自然だけでなく食べ物や身近なもの全てに。オオワシの他にキタキツネの視点からも雪原を駆け巡ることができます。おススメの「カムイアイズ」の体験でした。