三和 導代 です。
シャーマンという仕事が人類創世の時代からの最古の職業かもしれません。本来の人類の英知があった時代にはこのから職業はごく自然に、つまり神々との媒体となり、私たちに伝え知らせてくれ、また神々との交渉の仕事をしている存在であることを皆が知っていたのです。しかし、精神的なレベルが低下した現代におきましては、忘れ去られてしまった、また原始的と言われ理解されない存在がシャーマンです。
まだまだ世界中にはたくさんのシャーマンが存在しています。その人々は共通点は地球上の自然や動物と共存していている点で、鉱物、動植物などを通して私たち人類に対してメッセージを伝えてくれています。私たちの想像を超える理解できない世界であるがために、怪しい存在として、特に先進国の人々の物質主義の思考社会においてはシャーマンに対する評価が歪められています。
私はこれまで、数えきれない秘境中の秘境と呼ばれる地域の旅をしてきました。アマゾン、ジャングル、ニューギニア島、アフリカの少数民族の世界等、なぜか心が引き込まれる連続でした。その社会にはいつもシャーマンが存在していました。現代の医者にとっては理解しがたい存在かもしれませんが、ジャングルの草木を薬として、自らが動物や鳥の中に入り人間には見えない世界から新しい情報を得て、それを人々に還元するという昔ながらのシャーマンがまだまだ存在しているのです。
アマゾンのブラジルとベネズエラ一体には奥の日本人にそっくりな小柄な少数民族が生活をしています。ヤノマミ族です。常に旅の連続、そう私にはピッタリの生活パターンかも。数家族が共同で何の境もない空間で、家具はハンモックだけ、寝るときも食べるときも、プライバシーのない世界です。子供のお尻には蒙古斑が。女性は川に魚とり、男性は狩りにでかけます。もちろん木の実やハチ蜜などもとります。調味料は塩以外は使わずゆでるだけです。
そしてシャーマンは立派な職業です。パイプのタバコを吸いながら、トランス状態となって鳥に変貌します。鳥と同じように振る舞い踊り、そして視覚や聴覚も変わり新たな感覚を鳥から得て、空から下界を見下ろします。表情も行動もすっかり鳥になりきっています。普段は普通の人々と同じ生活をしているのですが、シャーマンとしてもスイッチが入るとまさに別人です。今でも彼らとの一緒に過ごした1週間は一生涯忘れることのできない思い出です。足に入った寄生虫をとりあう親子や夫婦の姿を見ながら、そして私も虫も取ってくれるヤノマミ族とのアマゾンの日が沈むなかでもボートでの長旅は幻想だったのでしょうか。
アマゾンの森林火災、ベネズエラの政権争いでの治安悪化の昨今、いったい彼らは今、どんな生活をしているのでしょうか。