電車内でのお化粧について つづき | T-MOTOの日曜映画

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電車内でのお化粧についての記事がありましたので、ちょっと書いておきます。

電車内でお化粧をする行為、許せる?許せない?
電車内で化粧をする人をたまに見かけることがありますが、若い世代にとってはあまり抵抗がないようですが、..........≪続きを読む≫電車内でのお化粧がなぜいけないかという声が紹介されています。

その1
「女性がスッピンを見られるのは下着を見られるのと同じくらい恥ずかしいと聞きました。通勤電車内でお化粧をするのは下着のまま乗り込んできて服を着るのと同じではないでしょうか。マナー違反だとかルールをおかしているとは思いませんがただ一つだけ思う事が有ります。“馬鹿か”」

この意見での「化粧をしないのは下着姿と同じ」という理屈だと、「化粧をしないで外出することは下着姿と同じだ」と言っていることになります。
化粧をしない女性なんてわりといるのですが、下着姿と同じくらい公序良俗に反する行為なんでしょうか? フィギュアなどを除いて女子アスリートはほぼ全員ノーメークなわけですが、ストリップショーでも見る感覚で競技を見ているんでしょうかね?

まあ、恥ずかしいというのは女性から「聞きました」というのなら、この人自身には、すっぴん=下着姿という意識はないわけで、そのような耳にした他人の感覚を基準にして非難するというのもおかしな話なんですけどね。

その2
「人前で化粧するのは娼婦の振る舞いなので、マナー以前の問題です。海外では、人前で化粧するのは娼婦です。化粧するポーズが客引きの合図なので、所要時間や粉が散るとか・香料とかの問題ではありません。身だしなみなので、化粧してから外出して下さい」

夜の繁華街の街角でコンパクトを見ながらルージュを引いて客引きをしている娼婦と、車内でお化粧をしている女性は、明らかに異なるでしょうに。娼婦の客引き行為と間違える人なんて世の中にいるんでしょうかね? 日本では警察の取り締まりが厳しいのでそんな目立つ行為をする娼婦なんてそもそもいないわけですが。海外での娼婦利用経験の多い男性の感覚を基準にして、日本の女性の車内の化粧について論じることが、果たして適当なんでしょうか?

両者の意見に共通しているのは、「自分の感覚ではなく、他者を引き合いに出している」ということ。非難している本人は、ノーメークが下着姿とは思ってないし、海外の娼婦の客引き行為を連想して非難しているわけでもないのです。

偽りの理由を持ち出すのは、結局のところ、論理的に説明不能の、自分の好き嫌いにすぎないからではないでしょうか?

もしも、個人的な好き嫌いにすぎないのに、多数派を形成して社会的圧力を作り出しているのなら、自由主義・民主主義社会の根本にかかわります。

取るに足らない小さな話のように見えますが、話がなかなかかみ合わなくて健在論争中のさまざまな社会問題に共通する普遍的な話だと思います。