政治家センセイの言う「低俗番組」 | T-MOTOの日曜映画

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日曜日のショートムービー製作

国会のNHK予算委で、某議員が、低俗番組がケシカランという趣旨の発言をしていました。
やり玉にあげられていた番組が、「ケータイ大喜利」、「コントの劇場」、「七人のコント侍」。

再放送で確認し、文章化された発言全文に目を通しましたが、「ドタバタドタバタとステージで暴れて、人の頭たたいて笑いをとっているような、こういう娯楽番組」などと的外れな表現しているところをみるとまるっきり番組を見ていない無責任な発言であることがわかります。

まあ、仮にドタバタ劇だったとしても、それが即、低俗ということにならないはずですけどね。
ドタバタやナンセンス物が低俗なら、「マルクス兄弟」のようなスラプスティックコメディはどうなんでしょうね?筒井康隆の小説は?

ナンセンスものを絵画にたとえると、シュールレアリズムになるでしょうか。

ヒトラーは意味不明な絵画をひどく嫌い、シュールレアリズム絵画を退廃芸術として排斥したわけですが。シャガール、カンディンスキー、クレーなど。

ナンセンスコメディを排斥する感覚の政治家など、民主主義国家の政治家としては、精神の幅が狭すぎです。ナチスドイツのような独裁国家向きですね。

自由主義、民主主義国家の政治家というのは、個人の趣味嗜好を含めて自由の選択肢を理解した上で調整してより多くの自由を実現するのが仕事なわけですから、この人は、根本的に政治家としての資質が欠けているとしか思えません。

世界史的にみて、政治家が文化について口を出して、「低俗」だの「退廃芸術」だの言い出すようになると、ロクなことにはなりません。

まあ実際のところは、発言全体の支持者向けありがちフレーズのオンパレードをみると、単なる支持層向けの営業活動にすぎないのでしょうけどね。(こんな娯楽番組よりも日本の歴史を紹介するような番組をやれと言いつつ、数多いNHKの歴史番組についてはひとつも触れてないのですから、真面目な質問ではないですね)