パブリック・エネミーズ | T-MOTOの日曜映画

T-MOTOの日曜映画

日曜日のショートムービー製作

主演 ジョニー・デップ

大恐慌時代の銀行強盗、デリンジャーを描いた作品。
ジョニー・デップのデリンジャーは、「ゴッドファーザー」などの映画とくらべると、ギャングのオーラが乏しいような気がしないでもないです。でも、普通人にまぎれて潜伏生活をしているのですから、これでいいのかもしれません。
FBIのフーバー長官がやたらと若いです。wikipedeaで生年月日を調べて計算したら、当時38歳です。1924年から1972年までFBI長官をやっていた人ですが、ケネディ大統領の映画に出てくるフーバー長官のイメージを抱いていたら、大恐慌の時代ならそりゃあ若いというもの。実際もそうなんでしょうが、映画ではうさん臭い人物として描かれていました。
デリンジャーを追うパーヴィス捜査官は、クリスチャン・ベールが演じています。「逃亡者」のジェラード連邦保安官補みたいですが、こちらはあくまでも冷徹で最後まであまり人間味はありません。「逃亡者」の方は冤罪で、こちらは本物の凶悪犯ですから、そうならざるを得ないとは思いますが。ずっと出ているのにもかかわらずいまいち印象が薄いのですが、ラストで登場した脇役の捜査官のシーンで、ますます影が薄くなってしまいました。

デリンジャーは最期はあっけないのですが、軍隊も配置されている監獄からの脱獄は鮮やかです。殺人もやっている凶悪犯なのになぜかアメリカでは大衆ウケのするキャラクターになっています。機転が効いて大胆で、モラル無しで場合によっては殺人もやるが、大衆にはウケる、というキャラは、戦国時代なら「偉人」になれたかもしれません。戦国大名向きの性格ですね。

印象に残った主人公の言葉

自分のつまらない過去を語る恋人に対して

「人は来た道ばかり気にするが、どこへ向かうかが大切だ 」