東京フィルハーモニー交響楽団第1009回サントリー定期シリーズを、サントリーホールにて。
指揮:アンドレア・バッティストーニ(首席指揮者)
マーラー/交響曲第7番『夜の歌』
つい先日、7月にミュンヘン現地で熱いトスカを振るバッティストーニを聴いたばかりだが、その彼を東京で聴く。
バッティストーニと東京フィルのマーラー、今まで自分が聴いたのは8番「一千人」(2019年1月)、5番(2022年9月)のみ。
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今回バッティストーニが初めて7番を振るというのを知り、どのような演奏になるのか想像していたのだが、果たしてほとんど予想通りになった。テンポは速めで、アゴーギクやタメが少なくすいすいと進み、全般的に単調。こう言ってはなんだが、とりあえず譜面通りに、破綻なくこなしました、という印象で、ゆとりが感じられなかった。この曲を何度も聴いて聴き慣れているクラオタとしては、ちょっと物足りない表現である。
オーケストラは14型(Cbは7)。前回の5番も基本14型であったから、バッティストーニのマーラーは14型が多いということか。もっとも、東京フィルの定期はオーチャードホール、東京オペラシティコンサートホール、サントリーホールで計3回行われるから、ステージが狭い東京オペラシティで16型が結構きついということもあるのだろうか??
そのオーケストラ。東京フィルの演奏がいいときは、音に艶があって立体的に、豊麗に音が鳴るのだが、今回はどうもよくないときの東京フィルの音である。キズがあるわけではないのだが、音に艶がなく、特に弦は詰まったような音がする。この公演の翌日に、新国立劇場でロッシーニ「ウィリアム・テル」の初日があり、そのオーケストラも東京フィル。さすがにほとんどは別メンバーだろう。そういうこともあって、いい奏者が二手に分かれてしまったか。
第2楽章ナハトムジークは軍歌のように聞こえたし、能天気といわれる第5楽章はメリハリに乏しく一本調子である。
マーラーゆえ会場は満席まではいかないものの、結構入っていた。
総合評価:★★☆☆☆