ヒラリー・ハーン (ヴァイオリン) & アンドレアス・ヘフリガー (ピアノ) デュオ・リサイタル 2024を、東京オペラシティコンサートホールにて。

 

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.78 「雨の歌」

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.100

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ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108

(アンコール)

ウィリアム・グラント・スティル:マザー&チャイルド

 

昨年6月に続き、今年もハーンとヘフリガーのコンビによるリサイタル。昨年演奏されたのはベートーヴェンのソナタ2曲で、ハーンの演奏としては予想外に自分の好みに合わなかったのであった。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12806461539.html

が、今年のブラームスは昨年のベートーヴェンに比べるとずっといい印象で、滋味あふれるブラームスの旋律に確かな色が感じられる。音色はしなやかで、以前に比べると少し丸みを帯びて柔らかくなっただろうか。確か昔はリサイタルでも暗譜で弾いていたことが多かったと記憶するのだが、昨年のベートーヴェンも今年のブラームスも譜面を見ながらの演奏。そのため、情熱的でエキサイティングな表現は後退したように思われる。

ピアノのヘフリガー、こちらも昨年のベートーヴェンは?が多い演奏だったのだが、今回はヴァイオリンとうまく調和してクセがないように聞こえた。ヴァイオリンとピアノが対決するようなかけ合いを見せることは当然ながらないのであった。

 

アンコールはヒラリーが日本語で紹介。ブラームスが亡くなる2年前に生まれたアメリカのウィリアム・グラント・スティルという作曲家の作品であった。古き良きアメリカの音楽というイメージの作品。最近、こうした黒人作曲家の作品が紹介されることが多いのだろうか?昨年のルツェルン音楽祭で聴いたイシドア弦楽四重奏団というアメリカの四重奏団は、アンコールでフローレンス・プライスというアメリカの黒人女性作曲家の作品を取り上げていた。

 

東京オペラシティコンサートホールは満員。そばにいた子どもが始終デリカシーのない咳をしていたのには閉口した。保護者もいたはずだが他人のふりか。

ヒラリー・ハーンは12月にも来日し、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニーとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏することになっているのだが、そのチケットを会場で先行発売していて驚くほど多くの人が列を作っていた。今日ネットの先行発売開始であることをすっかり忘れていた私は、その列を横目にスマホでチケットを購入したのだが。あんな長い列に並ぶよりネットで購入した方が早くないか?

 

総合評価:★★★★☆