東京交響楽団第720回 定期演奏会を、サントリーホールにて。

 

指揮:ジョナサン・ノット

ソプラノ:髙橋絵理

メゾソプラノ:ドロティア・ラング

テノール:ベンヤミン・ブルンス

 

武満徹:鳥は星形の庭に降りる

ベルク:演奏会用アリア「ぶどう酒」

マーラー:大地の歌

 

前日の川崎定期に引き続き、サントリーホールにおける定期を鑑賞。大好きな「大地の歌」は何度でも聴きたい。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12851882656.html 

今回のサントリーホールにおける演奏、前日のミューザ川崎シンフォニーホールにおける演奏よりもずっとよかったのではないかと思う。

 

1曲目の武満「鳥は星形の庭に降りる」、静寂が息を呑むほどに美しく、贅沢極まりない瞬間である。2曲目のベルクの「ぶどう酒」も、前日よりもしっとりとした手触りだったが、これはサントリーホールの豊かな残響が、ベルクの作品の味わいを増していたという効果もあろう。高橋絵理の歌も、前日よりはある程度はっきりと聞こえてきたのだが、座席のせいもあるのだろうか(ミューザは2CB、サントリーはLC)。

 

大地の歌も、前日に比べると弦セクションの密度が濃くエッジが効いていたように思われる。この上なく美しい木管群と、輝かしい金管は前日同様だ。歌手2名も前日よりはオケから際立って聞こえてきた。メゾソプラノのドロティア・ラングの歌唱はきれいであるが、やや表面的に聞こえてしまうのは前日同様だ。

第3楽章が始まったところで1階後方に急病人が出たようで少しドタバタしていた。第6楽章始めあたりで会場外からサイレンが聞こえたのだが、今までホール内で場外の音がはっきり聞こえたのは初めてかもしれない。

 

総合評価:★★★★☆