東京・春・音楽祭 R・シュトラウス《エレクトラ》(演奏会形式/字幕付)を東京文化会館大ホールにて(21日)。

 

指揮:セバスティアン・ヴァイグレ

エレクトラ(ソプラノ):エレーナ・パンクラトヴァ

クリテムネストラ(メゾ・ソプラノ):藤村実穂子

クリソテミス(ソプラノ):アリソン・オークス

エギスト(テノール):シュテファン・リューガマー

オレスト(バス):ルネ・パーペ

第1の侍女(メゾ・ソプラノ):中島郁子

第2の侍女(メゾ・ソプラノ):小泉詠子

第3の侍女(メゾ・ソプラノ):清水華澄

第4の侍女/裾持ちの侍女(ソプラノ):竹多倫子

第5の侍女/側仕えの侍女(ソプラノ):木下美穂子

侍女の頭(ソプラノ):北原瑠美

オレストの養育者/年老いた従者(バス・バリトン):加藤宏隆

若い従者(テノール):糸賀修平

召使:新国立劇場合唱団

 前川依子、岩本麻里

 小酒部晶子、野田千恵子

 立川かずさ、村山 舞

管弦楽:読売日本交響楽団

合唱:新国立劇場合唱団

合唱指揮:冨平恭平

 

東京・春・音楽祭2024最終公演。最終公演にふさわしい、驚異的完成度の名演であった!

基本的な感想は初日と同じ。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12848939370.html

初日は1階の前から3列目に座ったので、歌手の声をダイレクトに浴びていて、歌手の声をメインに聴いていたのだが、今回は3階1列目。オーケストラ全体を俯瞰できる位置であったので、受ける印象はやはり異なる。

改めてすごいと思ったのは、パンクラトヴァとオークスの馬力。16型4管編成という超巨大オーケストラをバックに、声が聞こえないところがほとんどない。パンクラトヴァの声や発音には好悪が分かれるかもしれないのだが、100分間安定して声があれだけしっかり出ていて、疲れも見せないというのは敬服に値する。オークスの声、3階でも相当な音圧で届いてくる。

そして、初日のときは目の前にいながらあまりわからなかったのだが、ヴァイグレが普段あり得ないぐらいに激しい棒を振っているのに驚いた。上から見ると実によくわかる。そして、その激しい棒に対して機敏に、そして柔軟に対応して劇的な音を奏でたオーケストラ。凄すぎる。正直、普段の定期演奏会でもこのくらいのテンションでやってほしいものだ。

それにしても、いまさらではあるがR・シュトラウスのオーケストレーションのものすごいことよ。エギストをエレクトラが迎えるシーンの優美極まりない音楽。エギストが去って、殺害される直前のあのハープの音…

 

指揮者と主役級の歌手4人がバイロイト出演歴ありというすごい布陣に加えて、オーケストラの気合いのすごさ。東京・春・音楽祭20周年の最終公演、これは忘れられない演奏会になりそうである。

 

初日は平日夜だったこともありかなり空席が目立ったが、最終日であるこの日は満席ではないもののかなりの客が入っていた。

 

総合評価:★★★★★