東京交響楽団 第134回新潟定期演奏会を、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館にて。

 

指揮:ジョナサン・ノット

ピアノ:ゲルハルト・オピッツ

 

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 op.19

ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 op.68「田園」

 

前日に札響をキタラで聴いて1泊、昼過ぎに千歳から双発機に乗って1時間半ほどで新潟に到着。我ながら、何をしているのか…

東響は年間5回、新潟のりゅーとぴあで定期演奏会を行っているが、今回自分にとっては初の新潟定期、初のりゅーとぴあとなる。

りゅーとぴあは座席数2,000のホールでワインヤード形式。オルガンもあって、実に素晴らしいホールである。地方自治体のホールながら、札幌キタラや金沢のホールと違って、ホワイエがなかなか豪華な作りだ。設計は長谷川逸子(1941〜)。りゅーとぴあという名前は、柳都とユートピアを掛け合わせた造語だそうである。

りゅーとぴあは白山公園という、信濃川河口にある新潟島という島にある公園内にあって、欠点は新潟駅から相当遠いこと!新潟駅からタクシーで15分ぐらい。バスだと、停留所からさらに歩く。私は駅のそばからタクシーで向かったが、白山公園に入るあたりで渋滞。白山公園にはりゅーとぴあの他に新潟県民会館、新潟市音楽文化会館というハコがあって、土日に催し物が重なると車は結構混むようだ。

 

さて今回のプログラム、前日の土曜日にサントリーホールで行われた定期演奏会と同一曲目である。2番はピアノ協奏曲のなかでは地味だとは言え、ベートーヴェン2曲というプログラムであるにもかかわらず客の入りは半分強程度だったのではなかろうか?

 

前半はオピッツが弾く2番のコンチェルト。オピッツの演奏は想定通り極めてオーソドックスで、技術的には非の打ち所がなく、堂々たるものであった。現代ドイツのピアニストらしい、クリアではっきりとした骨格の音楽を作る人である。

今回、私の座席はりゅーとぴあの3階正面。このホールのこの場所で聴くと、東響の低音がかなりしっかりと聞こえてくる。それにしても、前日に聴いた札響に比べると、東響の音はやはり相当洗練されていて精度が高いと痛感。

オピッツは何度かカーテンコールで呼び出されたが、テコでもアンコールはやらない感じで、結局やらなかった。前日のサントリーホールでもやらなかったようだ。

 

後半は田園。こちらも、オーソドックスないい演奏であった。ノットの田園はすでに一度聴いていて、そのときもノットにしては割と普通の演奏だな、と思ったのであった。

https://ameblo.jp/takemitsu189/entry-12183821414.html 

ノットのアプローチはピリオド系ではなく、かといってカラヤンのような大家風でもない。繰り返しをやって演奏時間は40分強。

普通と違うところをあえて言えば、第3楽章の弦のフレージングで通常ではあり得ないぐらいぐっと音を抑える部分があったのと、第4楽章〜第5楽章の橋渡し部分、フルートの旋律が上昇音型で終わったこと!これはちょっとびっくりだった。

東響の艶やかな弦は田園にぴったりで、実に幸せな気分になる。そして第3楽章、荒木さんのオーボエが実に素晴らしい。

弦は12-10-8-6-5対向配置。

東京の公演だと、ノットに対する拍手喝采がすごくて、ソロ・カーテンコールは日常であるが、新潟ではカーテンコールはあっさりしたもので、ノットに対するソロ・カーテンコールもない。

 

総合評価:★★★☆☆