フェスタサマーミューザ2016オープニングコンサート。指揮はジョナサン・ノット、管弦楽は東京交響楽団。

 

ヴィラ=ロボス:ニューヨーク・スカイライン・メロディ

アイヴズ:ニューイングランドの3つの場所

1. ボストン・コモンにおけるセント・ゴーデンズ(ショー大佐と黒人連隊)

2. コネチカット州レディング、パットナム将軍の野営地

3. ストックブリッジのフーサトニック川

ベートーヴェン:交響曲第6 番 ヘ長調 作品68「田園」

 

先週のブルックナー8番で驚異的な名演を披露してくれたこのコンビ。

今回の公演も期待したのだが、先週の公演があまりに素晴らし過ぎて、あれを超える演奏にはならなかったというのが正直な感想。

 

後半のベートーヴェン6番。冒頭の弦の美しく歌う様子を聴いて、音楽する喜びがびしびしと伝わってきたのであるが、その喜びが継続的に伝わってきたかというとやや微妙だった。弦の編成は12-12-8-6-5の対向配置なのだが、なぜか私の席では第1ヴァイオリンの音が引っ込んで聞こえてしまってややアンバランス。

とはいえ、木管と中心とした各楽器が伸びやかに歌い、きびきびとしてかつしなやかな音楽の流れはいかにもノットらしい。第3楽章のリズムの活気が特に印象的。

 

前半の20世紀音楽、冒頭のヴィラ=ロボス作品は短いながらニューヨークの摩天楼の壮観を彷彿とさせる名曲。

オルガンまで登場するアイヴス作品は彼らしくごった煮感満載の音楽だが、ノットの交通整理がしっかりしていてはっきりとした印象である。先週のブルックナー8番における腹立たしいフラブラに続き、この曲のエンディングではフライング拍手が…こちらは怒りが沸くというより、苦笑せざるを得ないといったところか…

 

今年のフェスタサマーミューザ2016は今のところ、これが最初で最後。