なぜカサンドラ症候群はつらいのか㉒-生まれ育った家族を優先してしまう- | 共依存・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 takeheartのブログ

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カサンドラ症候群で苦しむ人の多くは、結婚したのになぜか家族になった気がしない、新しい家族としてスタートした気がしない、と感じたことがあると思います。

 

こうしたことは、ASD傾向にある人の「家族」の優先順位に対する独特な捉え方が引き起こすようです。

 

 

多くの人は、結婚したり子どもが生まれたりすると、新しい家庭を生活の中心に据えます。

 

親を大切に思う気持ちは変わらなくても、「これからは自分たちの家庭が最優先」という意識に自然と切り替わります。

 

しかし、ASD傾向にある人の場合、環境の変化への適応が難しいことや、特定のパターンや習慣に固執する傾向があるという特性から、この切り替えがうまくいかないことが少なくありません。

 

彼らにとって、生まれ育った「親との家族」が第一優先であり、新しい家族は二の次なのです。

 

 

この優先順位の違いは、日常生活の至る場面で配偶者を深く傷つけます。

 

家計が苦しいのに親への緊急性のない経済的援助が優先されたり、カサンドラ側が育児などで多忙を極めている時でも、緊急性のない親との時間を優先したりします。

 

何かあるたびに、「親に聞いてみる」とか「親がそう言っていたから」となる人もいます。

(カサンドラ側の意見がおかしいから親の意見を取り入れる、ということではなく、最初から意見を聞く気がなく、「親の言うこと=正しい」と疑いがない感じです。今までもそうしていたから今回もそうしている、という感じです)

 

そうした行動は、客観的に見ると「マザコン」と言われてもおかしくないのですが、彼らにはピンときません。

 

悪意がないのはわかっていても、「どうして私たちの家庭は後回しなの?」と、寂しさや疑問を抱かずにはいられません。

 

 

さらにつらいのは、彼らが親について少しでもネガティブなことを言われると過剰に反応することです。

 

たとえそれが事実だとしても、たとえオブラートに包んだ言葉で伝えたとしても、「親を攻撃された=自分自身を攻撃された」と受け取り、それを言ったカサンドラ側をと認定してしまうのです。

 

生まれ育った家族(この場合は両親)を優先し、かつ、「自分と他者の分離ができない」というASDの特性が原因です。

 

例えば、「お義母さん、ちょっと心配性で口を出してくることが多いよね。子育ての方針は私たちで決めたいな」と伝えたとします。

 

するとASD傾向にある人は、「おれ(わたし)の親を悪く言うな!」「そんなことを言うおまえ(あなた)の方がおかしい!」と感情的に反発し、カサンドラ側を敵とみなします。

 

本来、「そうだよね、母はそういうところがあるかも。嫌な思いをさせてごめん」と寄り添ってくれたり、「自分がやんわりと伝えておくよ」となるはずのところですが、そのような言葉はありません。

 

間に入ってくれるということがないのです。

 

 

また、ASD傾向にある人側の実家(義実家)を訪れた際などで、放置されることも多いです。

 

ASD傾向にある人は、実家で慣れ親しんだ家族とのコミュニケーションに集中し、配偶者への配慮が欠けてしまうことがあります。

 

義実家の人たちがどんなに良い人であっても、どんなに「気を遣わなくて良い」「家族として扱ってもらって良い」などと言われていても、少なからず配偶者は気を遣うものです。

どう振る舞って良いか迷い、戸惑い、そして遠慮するものです。

 

義実家家族の誰がどんな人なのかわからなかったり、義実家の家のどこに何があるかわからなかったり、どう使って良いかわからなかったり、いろいろと勝手がわからないものです。

 

そのような配偶者の迷いや戸惑いを想像できず、実家の家族に集中してしまうのです。

(義実家の家族と同居する場合でも同様のことが起こり得ます)

 

 

このような態度が繰り返されるうちに、カサンドラ側は深く傷つき、孤独感を募らせていきます。

 

「自分の意見はいつも後回しにされる」

「配偶者は私の味方ではなく、親の味方をする」

「親について少し触れただけで敵扱いされる」

と感じ、本当に家族の一員なのだろうかと思わされるのです。

 

彼らに悪意がないからこそ、どうすることもできないもどかしさに苛まれます。

 

親を含めた元の家族を大事にすること自体は悪いことではないだけに、どう伝えたらわかってもらえるのか、考えてしまいますよね。

 

この苦しみは、ASD傾向にある人が、「親が第一」の態度が配偶者に与える影響に気づかない限り、いつまでも続いてしまうでしょう。

 

 

ASD傾向にある人に理解してもらうのは相当難しいので、このような記事で最低でも、「本来なら(ASD傾向にない配偶者となら)こうなるよね」「本来ならこうならないよね」というように確認していただければと思います。

 

カサンドラ側の人が、どうか「自分がおかしいのではないか」と思うことのないようにと思います。

いつもそんな思いで書いています。

 

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いつものように、最後に一つ注意点をお伝えします。

 

発達障害と診断を受けていないパートナーに対して、発達障害だと決めつけることによって夫婦問題が悪化するというケースもあります。

 

決めつけた側がパートナーに対して非現実的な要求をしてしまい、それがどんどん過度になっていっていることに気付けなくなる、ということが起きます。

 

「それって定型の人でも察するのは無理だよ」ということも「相手が発達障害だからわからないのだ」と判断してしまう、ということです。

 

こういう視点がないとモラハラの加害者になってしまう危険が出てきます。

こうならないためにも、第三者の目は必要に思います。

 

また、すべてのASD傾向の人に本記事のようなことが起こるわけではもちろんありません。

傾向といっても、程度や出方は当然それぞれ人によって違います。

 

予めご承知おきください。

 

 

ご相談すること自体に悩まないでくださいね。

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