何かがんばっているところを見て、
「Ａさんは真面目だね」
と単発で言うのは良いと思いますが、
「Ａさんは真面目だから（当然）がんばってくれるよね」
というような言い方は良くないです。
真面目だという勝手な前提を作って話すのは良くありません、ということです。
すべての状況において「真面目」を当てはめる言い方（一般化した言い方）をするのはやめましょう、ということです。
言われた方は「真面目」というレッテルによってガチガチになってしまいます。
真面目でないといけなくなってくるのです。
「真面目」という言葉自体は悪いものではないと思いますが、あまりにも言われ続けると嫌な言葉に感じてきます。
Ａさんはそもそも真面目だからがんばっているわけではなく、ただ好きだからがんばっていただけかもしれません。
そもそも何かをするにあたって、
「私は今、真面目30、好き30、義務20、向上心10、好奇心10でやってまーす」
なんて数値化できるものではありません。
少し話がそれましたが、
このように、レッテル貼りをする人、一面的なものの見方しかできない人は、
ちょっとＡさんがおちゃらけた一面を見せると「不真面目だ」とマイナスに捉えます。
Ａさんにだっておちゃらけた一面は最初からあります。
他の人だったら「愛嬌のある人だ」とプラスに捉えるところを、「不真面目だ」とマイナスに捉えてしまうのです。
Aさんからしたら良い迷惑です。
どんな人にもいろいろな一面はあると思いますが、
ある一面をピックアップして言われ続けると他の一面を出しづらくなってしまい、
ピックアップされた一面を演じざるを得なくなり、
演じているうちにそれが本当の自分だと思い込んでしまうという悪循環に陥ることがあります。
仕事場では上司が部下に、家庭では親が子供に、学校では先生が生徒に伝える言葉というのは本当に慎重にならないといけないと思います。
そして「自分は相手にレッテル貼りしてしまっていないかな」と常に自問してください。
一度レッテル貼りしてしまうと、相手のことをそのようにしか見えなくなります。
いろいろなところで、
「人は見たいようにしか見えない」
ということを散々言っていますが、そういうことです。
意見を言わない人がいたとしたらそれはあなたが意見を言えなくさせてしまっているかもしれません。
しかもそれを「意見がない」と捉えていませんか？
「意見がなくて意見を言わない」ということと、
「意見があるのに意見が言えない」はまったく違います。
後者になっていませんか？
その人の可能性を潰していませんか？
話は変わりますが、
レッテル貼りを上手く使えば良い方向に向かうこともあります。
自分で自分に（肯定的な）レッテル貼りをするのです。
共依存・アダルトチルドレンの特徴をもつ方は自分に否定的なレッテル貼りをしていることが多いです。
それは最初は他人から貼られたレッテルだったかもしれません。
ただよくよく話を聞いていると、貼られたレッテルの上にさらに自分でレッテルを上乗せしてしまっていることが多くあります。
他人に貼られた「あなたは○○できない」というレッテルの上にさらに「自分は○○できない」というレッテルを貼らないでください。
「自分には○○は合わない、向いてない、似合わない…」
本当にそうでしょうか？
やはりなかなか自分では気がつけないもののようです。
どうせ自分で自分にレッテル貼りをするなら否定的なものではなく肯定的なものにしてください。
その通りになりますから。
イップスなんかも、レッテル貼りから生まれるような気がしますね。
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