昨年末のこと、四万温泉に行くため、
JR吾妻線の中之条駅で降車した。



ん?

駅のホームに干柿!



まるで縄のれんのように、等間隔の干柿。

これはJR職員が作ってるのか?
駅のホームはこんなことに使っていいのか?
できあがったら販売するのか?

謎が渦巻く風景だけど、なんかホッコリする。


駅を出たら、気になる店がある。

メニューは、なんでもあり!
オレ的にめっちゃ憧れの、街角の食堂!

「焼まんじゅう」が気になって注文してみた。


店のオヤジさんが冷蔵庫から取り出した
大きな串を焼いて、味噌だれをかけて、
さらにちょっと炙って出来上がり。

焼まんじゅうは餅や団子と違って、
酒饅頭みたいな皮の塊を焼いたもの。
見た目より軽くて、ぺろり食っちゃった。

予備知識もなく訪れた駅や町ってのは、
どこか目新しく、懐かしいものが必ずある。

地元の人にとって大したことないようなものでも、
魅力的なものがいくつもある。

そんなことに触れた時、
旅っていいもんだなとつくづく思う。

今のマンションに住み始めてもう10年以上。

両隣の奥さま方とは挨拶を交わし、
道で会えば立ち話をするような感じで
仲良くしていただいている。

今日、早めに帰宅したら、
両隣の奥さんがちょうど立ち話中で、
オレもおすそ分けをいただいた。


久米さんのデコポンと宝田さんのイチゴ。

おかげで家の中がいい香り。

普段、あまり果物を食わないんだけど、
このふたつは好物です。

これも春のおかげかな?

ポカポカで気持ちい~な~、
なんと思ってたのも束の間。

花粉症が本格化。

陽気に浮かれてるんじゃなくて、
ぼぉ~っとしたまま。

ベランダの鉢植えたちにも、
そろそろ春の兆しかな?
と思ってみてみたら、なんと!



菜の花が咲いてんじゃん!

いや待て、菜の花なんか植えた覚えはない。

そうだ、水菜だ。
水菜って、菜の花の仲間なの?

給水機だけつけてほったらかしにしてたのに、
こんな花をつけるなんて、いじらしい。

春はもうすぐそこ!

雰囲気ももてなしも、客室も温泉も、
「いうことなし!」の「法師温泉 長寿館」

では、宿の印象を大きく左右する夕食は・・・・・・。

ひと部屋ごとに用意された真新しい食事処に行くと、
座敷に設けられた掘りごたつ式の食卓には、
すでに何品か並べてあった。



宿泊料金を考えると、これは当然。
少しでも人件費を省きながら、
以下に満足させるかが宿の腕の見せ所になる。

器にかぶせられている緑色の紙には、
宿の絵が描かれていて、
ここを訪れた与謝野晶子らの歌が書かれていた。
捨てるのがもったいなくて、持って帰ってしまった。

ちなみに、並んでいた料理は、

岩魚、みょうが、干柿胡瓜の酢の物。


菊花胡麻和え、白和え、みずの実の先付。


そして漬物。

献立的にいうと、順不同なんだけど、
冷たいまま出すもので、
しかも作り置きの利くもの出されたようだ。

で、岩魚をはじめ、味付けはとても上品で、
野菜の味わいも深く、予想をはるかに超えていた。
とくに、白和えが絶品!
こんなに大豆の香りが立った白和えは、
あまり記憶にない。

お次は、山間のメイン!

岩魚の塩焼き。

よく、川魚は苦手という声を聞くが、
岩魚みたいに淡白で繊細な味わいの魚でも
ダメなのかな?


続いてお造りの、姫ます、鯉の洗い、湯葉。

こんな上品な味わいでも、川魚はダメ?
姫ますはまったりとした口当たりで、
鯉は弾力の奥に味わいがたっぷり。
湯葉の優しさは言わずもがな。
このお造りはレベルが高い!


ちなみに、酒はオリジナルのこちら。

サラリとした口当たりなのに、
どっしりとしたコクが味わいとして口に残り、
川魚や山菜ともよく合って、甘露、甘露。


固形燃料の火が消えたところで蓋をとったら、
地元の麦豚の味噌陶板焼き。

肉が欲しいなと思ってたところで、
グッドタイミング!


次にやってきたのは、茶碗蒸し。

ありがちな一品だけど、
実はオレは茶碗蒸しが大好き。
だから、ありがたい逸品だ。


もうひとつ、固形燃料を使ってたのが、
松茸の土瓶蒸し。

昨年の秋は、松茸をいただく機会がなくて、
食わないで秋が終わるかと思ってたら、
ギリギリ間に合った!

もちろん、味も文句なし。


煮物は、さすが安定したうまさ。


河ふぐ南蛮漬け。

河ふぐとはナマズのこと。
食事も後半であっさりしたのが欲しいとこだったから、
南蛮漬けというのはヒット。


ご飯は、契約農家で栽培したという、
魚沼産のコシヒカリ。これまた絶品!

最初から食卓にあった漬物は、
献立に「よしこさんのお手製」と書かれていた。
糠漬けかと思ってたけどそうじゃなく、
ご飯が進み、口をさっぱりさせてくれる。
よしこさん、すごいっす!


で、季節の果物でおしまい。

写真でもわかると思うけど、
量は多すぎず少なすぎず。
地元産の食材はどれも滋味が強く、
山間の雰囲気が存分に楽しめる。
そして、こう言っちゃ失礼だが、
味付けは非常に洗練されていた。

料理を売り物にしているわけじゃないのに、
ここまで質の高いものが食べられるとは、
いい意味で驚いた。

最後にご飯を食べすぎたせいで、
パンパンに膨らんだお腹をさすりながら客室へ。

座敷に用意されていた布団を見て、
すぐ横になったのは言うまでもない。
「法師温泉 長寿館」を有名にしたのは、
国鉄のフル・ムーンパスのCM。
上原謙と高峰美枝子がつかっていた、
混浴の大浴場の映像だ。

古すぎてわからない人も多いだろうが、
かなり話題になったCMだから、
探してみると見つかるかも。



これがその混浴大浴場「法師の湯」。

明治時代に建てられたものがいまだ現役で、
浴槽の下に敷きつめられた玉砂利から、
泡がポコポコ。
じつは底から温泉が湧いているという、
源泉掛け流しの見本のような温泉なのだ。

肌触りもなめらかな温泉の温度はややぬるめ。
源泉の効能に包まれているような心地よさで、
長湯をしても湯あたりしないので、
リフレッシュ効果は抜群!

この温泉を求めてたくさんの人が訪れたのも、
よくわかる。

こちらの宿にはほかにも、
「長寿の湯」「玉城の湯」という大浴場があって、
「法師の湯」をふくめて、
それぞれに女性専用の時間が設けてある。

だから、他の大浴場が女性専用の時間は、
「法師の湯」は男湯状態。

以前来た時は女性が多くて尻込みしたけど、
この日は目いっぱい長湯を楽しむことができた。

混浴だけれど、女性に有利になっているのは、
現在の利用者の傾向によるのだろうか。
とすれば、「法師温泉 長寿館」は、
マーケティングもしっかりしているということだ。



朝風呂の後、軒先を見たらツララがあった。
冬の始まりを実感したこの日は、
もう3か月以上前。

今日は二十四節季の「啓蟄」。
冬眠していた虫たちも目覚める日だが、
雪深い「法師温泉 長寿館」に
春の兆しはいかに・・・・・・。

つづく