さてさて、「あらや滔々庵」の夕食です。

期待をはるかに超える内容だったので
長編になりそうです・・・・・・。

最近は食事処を設けている宿が多いけど、
こちらは昔ながらの部屋出し。

日本旅館に来たなぁ~!って感興だ。

仲居さんが最初に運んできたのはこれら。


旬の品々を盛り沢山にしながら、
すっきりとまとまってるところなんか、
もう、さすがとしか言いようがない。

しかも器がどれもいい。

2月にいただいた珠玉の夕食のプロローグを、
ひと皿ずつお目にかけませう。



八寸の蕪ずしや鴨はこの地ならではのもの。
旅情もバッチリ!


お酒は迷わず地酒(銘柄不如意)。

能作の錫の片口と九谷の猪口。
地元工芸の粋だ。


次に現れたのがこの見目麗しいお椀。


蓋を取ると、白子のすり流し。

まったりと舌にからみながら、さらりと溶け、
コクのある香りが残ると言った絶品。
どんなスープにも負けない最強の汁だ。


ズワイガニを中心にしたお造りは、
魚の形の染付の器で。

思わず笑みがこぼれる演出だ。

味はもうね、言わずもがな。


そして、メインのズワイガニ!!

当然、信頼のタグ付きで、
古九谷写しの大皿がまた素晴らしい。

仲居さんが炭をおこした火鉢を持ち込み、
ここから付きっきりでお給仕してくれた。


まずは蟹みそ。

新鮮なカニみそは甘み格別でクセもない。

で、仲居さんが「半分残しておいてください」。
どうやらお楽しみが待ってるらしい。


焼き蟹はレア状態で、食感の抜群。

蟹を焼く香りってのがまたたまらん!


この器が蟹の絵付け。

魯山人写しかな?
この取り合わせがまたね。


さらに焼き蟹。


そして殻入れの器はこの状態。

蟹だけで満腹になりそうな勢いだ。


半分残しておいた蟹みそは、ご飯を混ぜて、
蟹みそおじやになって再登場。

これ、おそらく人生最上のおじや。


またまた素敵な器で現れたのは煮物?


蓋を取ったら、蕪蒸し。

多すぎず少なすぎないちょうどいい量に感心。


焼き物は、なんだっけ?

スミマセン。


食べ終えた後、器でも一度楽しめる。

食の楽しさ満載だ。


揚げ物は、なんだっけ?

かなり腹が満ち、酒もまわってて、
記憶が朧なんだけど、
里芋だっけ?海老芋だっけ?
そのねっとりしたうまさは覚えてる。


最後の酢の物はメスのズワイガニ。
香箱蟹っていうんだっけ?

見事な蟹づくしを堪能しました。


そしてしめのご飯は、鰤茶漬。

これまた見事の一語。
満腹でもこれは別腹。


最後はフルーツとソルベでさっぱりと。

いやぁ~、素晴らしいとは聞いていたけど、
食材も調理も器も給仕も、
すべてのコンビネーションが極め付きで、
西方浄土にさまよってる感じ。

お見それいたしました。

で、食後は「有栖川山荘」という、
古い建物を改装したバーへ。

この上ない贅沢を味わった一夜だった。


「あらや滔々庵」は陶芸家と縁が深い。

九谷焼の名工と謳われた初代須田菁果が
山代温泉に窯を開いたとき、
最初は近所の温泉宿がよしみで購入し、
食事に用いていたとか。


初代須田菁果の器の数々は今も使われていないが、
当時の器が館内の展示コーナーに置かれている。


金継ぎして使われていたものもあり、
大切に使われていたことがしのばれる。

磁器に描かれた金の模様のなんと美しいこと。

そして、初代須田菁果のもとで陶芸の腕を磨いたのが、
あの北大路魯山人。

「あらや滔々庵」は魯山人を支援していたことから、
器や看板が数多く残されている。

ってことで、魯山人の展示コーナーもある

 

 

「使ってみたい!」と思わせるのが、
魯山人の器の特徴だと聞いたが、
その感じ、よくわかる。


エレベーターを降りたところに、
さりげなく置かれていたこの花器(?)、
あとで見た魯山人の写真集に載っていた。

しかし、こんなところに無防備においてあるってことは、
写しと思った方がいいのかな?


花器の下にはこれまた見事な九谷の香炉。

いずれも、写しとしてもそうとうなもの。

こんな風にいたるところに置かれた器が
いずれも目を奪われるほど。

「あらや滔々庵」は、
徒に長い歴史を刻んできたのではなく、
文化を育んできた老舗であることが
よくわかった。


石川県加賀温泉郷のひとつの山代温泉は、
昔の温泉地の面影を残しつつ観光開発された、
かなり頑張ってる温泉街のひとつ。

なかでも老舗が「あらや滔々庵」

約800年前に大聖寺藩の藩主から温泉の鍵を預かり、
以来18代にわたって湯宿を守り続けているそうだ。

その代々の藩主が泊まった特別室が、
「御陣(おちん)の間」。


べんがら色の壁や花頭窓が、いかにも大名!


すっきりとした床の間のしつらいも武家っぽい。


2階に位置した部屋の窓には、
温泉の湯気が映り、温泉郷らしい趣。
(ちなみにうかがったのは2月の寒い時期)


そんな立派なお部屋に泊まる栄誉に浴しながら、
まずいただいたのが、お付き菓子の水ようかん。

水ようかんというと夏の菓子だと思いがちだが、
確か石川県では冬でも出されるんだった。

温かい部屋でいただく冷たい水ようかんってのは、
かなり贅沢なもの。

繊細な味わいにもてなしの心がこもっていた。

山代温泉のことは以前もアップしているので、
そちらもご参考に。
http://ameblo.jp/takeching/entry-10065536363.html

以前、近江町市場のことを紹介したけど、
その後、昼食をいただいたのが、
金沢で一番と評判の料亭「つる幸」

節分前の冷え込みのきつい日で、
テーブル席に案内されるやいなや、
ホワンとした温かさに心も体も和んだ。


まずは香煎。

さすが懐石。


続いて運ばれてきたのが、鱈のたらこまぶし。
梅を思わせる器とともに、絵のような美しさ。


昆布じめにされた鱈のうまいことといったら。


で、ズワイガニ。
様々なあしらいものすべてうまい!


たっぷりの蟹酢は酸味がやわらかく、
これまでいただいた蟹酢と全然違う。

あまりに上品な味わいだったので、
最後は全部飲んじゃった。笑


碗は見た目に華やかで、味わいも格別。

吸い地は正統的な鰹節と昆布だしなんだけど、
いただくにしたがって多彩な味が口に広がる。

お見事です。


さらにお造り。

小ぶりな器に旬のものが一切れずつ。
この供し方、メッチャうれしい。

味は言うまでもない。


鰤の焼物に、なんとカラスミ!


茶碗蒸しに、なんとトリュフ!

斬新なアレンジなんだけど、
違和感は全然なく、
新たな味覚をの世界を教えられた。


鰤のルイベにはホースラディッシュ。

またまた目からウロコ。


食べ終わった器は、おたふく。
一緒に行った人のは鬼。

節分らしい器の遊びが楽しい。


最後は、香箱蟹(ズワイガニの雌)の
炊き込みご飯。

内子と外子も一緒になってて、
薄味だけど香りと味わいはたっぷり。

「お代わりありますから」と言われ、
何度もお代わりをしたことは言うまでもない。


漬物まで、見た目に美しいなんて。


デザートまで手抜かりなし。


さらに、季節の主菓子。


そしてお薄でしめくくり。

ひと皿ずつ、一口ずつ、
新たな味わいに感心させられ、
嚥下するのが惜しくなるような、
この上なく楽しい食事だった。

HPを見ていただくとわかるけど、
値段設定が非常に良心的なのも凄い。

金沢にハマりそうです。

体調が思わしくなくて病院に行った。

その道すがら、うつむいて歩いていたせいか、
道端の違和感に目が留まった。


セメントで固められた隙間から、
植物が育っている。


よく見ると、スミレの花が咲いていた。

可憐な花にたくましい生命力を見た。


で、病院に行ったら「帯状疱疹」だった。