今年の新語・流行語大賞にノミネートされた『蛙化現象』。好きだった相手が自分に対して好意を持っていると分かると、その途端に相手に嫌悪感を抱いてしまう現象とのこと。若い男女に起こりやすいということだが、特に女性に多く見られる心理現象らしい。なんともわがままな心理だ。
いわゆるナンパしてモノにできたら、その達成感から「飽きたので捨てる」ってことか! 下劣な!
ひと昔前のプレイボーイにありそうだ。だが、それを今は女性側がやるとは、なんと嘆かわしいことか。それだけわがまま女子が増えたってこと?
蛙化現象の一つに、好きな相手のいやなところを見てしまうと幻滅するというのもある。人間誰だって短所や粗相してしまうことがある。それをいちいちケチつけて嫌うなどとは、「あんたは何様?」って感じになる。
そんなことでは結婚したらどうするの? 相手の欠点はいっぱい見えてくるよ。ってことは、ますます離婚率が高まるってことか? ならば、これは放っておけない深刻な社会問題ということになる。
誰でも相手のいやなところを見れば引くのは当たり前。性格が性悪、ギャンブル癖、浮気性、嘘つき、俺様っぽい、トークが下手等々。だが、蛙化現象のいやなところというのは、「変なところ」という意味合いが強い。
うんこが長い、食事にクーポンを使う、デートにレンタカーを使う、服のセンスがイマイチ、ピーマンが嫌い、手を洗う時にハンカチを使わずに水滴を振り払う、靴を脱ぐ時に揃えない等々、それら些細なことばかり。そんなことは我慢できる範疇であり、改めることもできる。そんなことでいちいち相手に醒めていたら、人間そのものが嫌いにならざるを得ない。
私なんか逆に愛おしさを覚えるけどね。以前、世田谷婦人かと思えるような上品な人と付き合い始めた頃、自分みたいな下賤の者が手に触れてもいいのかと躊躇するほどだった。
だが、私がトイレに行っている間に、一人になった彼女が一瞬鼻の穴をほじる姿を見て衝撃が走った。同じ人間なんだと。なんて人間らしいんだと。そして、女性として可愛いく思えるようになった。幻滅するどころかますます好きになっていったものだ。
恋愛とは相手の欠点も含めて好きになること。それが本当の恋愛なのではないか。欠点が見えてこそ、たまに粗相をするからこそ自分に近い存在に思えてくるもの。
蛙化現象を起こす人は、自分が完璧だと思っているのかな?
[編集後記]
まぁ所詮は若者の一時的な言葉遊びだとわかっちゃいるけどさ。