ビタミンCを味方につけて、
若々しさと免疫力のある
健康的な身体作りを目指そう!
日本の死亡原因ワースト3は、癌・心疾患・脳血管疾患。それらの疾病に対しあらゆる予防策が講じられているが、なかなか実を結んでいるとは言えない。その原因として、不安定な生活習慣、環境汚染、自分一人では対処できないストレスなど様々な問題が常に付きまとっているからだ。
しかし、人の体には免疫力が備わっており、そのおかげであらゆる病気から身を守ってくれている。ところが、飽食の時代を迎えてからの生活習慣病の蔓延、次々と発生する社会不安、仕事や人間関係からくるストレスから人々の免疫力は低下する一方。その免疫力のバランスが崩れると、ますます癌や生活習慣病などの弊害が起こりやすくなる。老化の進みも加速するだろう。
そんな時、私たちの強い味方となってくれるのがビタミンC。ビタミンCの効果はよく耳にするが、ここで改めて私たち人間にとってビタミンCがどれだけ頼もしい存在であるのかを再認識していこう。
<多目的栄養素ビタミンC>
ビタミンCは美容と健康に多大な影響を与える存在。まず、メラニン色素の生成を防ぐ働きがあるのでしみの予防になる。張りのある肌を保つためのコラーゲンの生成も助けてくれる。また、強い抗酸化力があるので、活性酸素を抑制することにより、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった生活習慣病を予防できる。そして何よりも免疫力を強化する作用がある。体内に侵入したウイルスに対し、白血球の働きを助け自らが戦うこともある。最近では発癌物質を抑制し、抗癌物質の生成を促進するということからも注目されている。
<活性酸素>
美容と健康にとって大きな敵は活性酸素。人間の細胞は、血液から酸素と栄養分を受け取り、酸素で栄養分を分解してエネルギーを得る。ところが、そのエネルギーを作り出す代謝の過程で、酸素が他の物質と結びつく“酸化”という状態を生み出してしまう。これが活性酸素と呼ばれるものだ。この活性酸素が大量に発生するとその強い酸化力で細胞を傷つけてしまい、癌・心筋梗塞・脳梗塞等の生活習慣病、老化の促進、しみ・しわ等の原因、他様々な病気を引き起こすと言われている。
<抗酸化物質>
人間の身体には、活性酸素を抑制し除去する役割として酵素があるが、他にも体外からビタミンやカテキンなどを摂取することにより対処することができる。これら活性酸素を抑制する物質のことを抗酸化物質と言い、なかでもビタミンCは抗酸化能力が高いことで一目置かれている存在だ。
活性酸素は、レントゲン・胃カメラを受けた時、紫外線を浴びた時、大量の飲酒・喫煙をした時、ストレスを受けた時、激しい運動やきつい労働の時など、日常の中のあらゆる状況で発生する。ビタミンCはそれらから守ってくれる重要な抗酸化物質なのだ。
<免疫力を高める>
免疫力の主役は白血球。ビタミンCはその白血球の機能を強化し、ウイルスに対抗できる免疫力を高めることができる。そのため風邪の流行時にビタミンCを多く摂取すると風邪がひきにくくなり、ひいてしまっても回復が早まる。
また、免疫力が高まるとウイルスの増殖を抑制するインターフェロンの生成を促進させるので、感染症を阻止することもできる。
<癌を予防>
抗癌剤としても知られているインターフェロンだが、これはもともと体内で作られるものであり、ビタミンCはこの物質の生成を助けてくれる。また、胃癌や肝臓癌の原因とも言われている強力な発癌物質であるニトロソアミンの生成を抑制する。このことから抗癌作用があるとして、昨今ビタミンCは大変注目されている。
<ストレスへの対抗>
現代人にとって今や避けられないものとなっているストレス。ストレスを受けると副腎から抗ストレスホルモンであるアドレナリンを分泌し、血圧を上昇させ、血中の糖分を増やしてエネルギーを増大させ、ストレスを緩和してくれる。このアドレナリン生成に大量のビタミンCが必要とされる。もし、ビタミンCが不足していると、抗ストレスホルモンが十分に作られず、ストレスに負けて様々な病気を誘発することになってしまう。
<しみ・そばかすへの対処>
皮膚は太陽光などの紫外線を浴びるとメラニンという黒い色素を発生させることで、皮膚の奥の真皮や基底細胞に到達しようとする紫外線をカットする。つまり、肌のしみやそばかすの大きな原因はメラニン色素の生成によるものなのである。ビタミンCの抗酸化力はその生成を抑制し、美白を助けてくれる。
<コラーゲンの生成>
たんぱく質の約30%はコラーゲンからできている。コラーゲンは細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割を果たしており、その働きによって強固な骨や筋肉や血管などの各器官を作る。ビタミンCはこのコラーゲンの生成を促すのに必要なものであり、それが結果として張りと潤いがある若々しい肌を保つことにもつながる。「お肌にビタミンC」と言われるのは、まさにこのことである。
<老化防止>
ビタミンCがコラーゲンの生成に役立つということは、結果として若々しい健康な肌を作ることになり、美肌へとつながっていくことになる。また、抗酸化作用は体の老化につながる活性酸素による酸化から細胞を守ってくれる。これらのことから、ビタミンCの摂取は、結果として体の外からも内からも老化防止の一役を担うと言ってもいいだろう。
<効率的な摂取を>
このようにビタミンCはとても重要なものでありながら、体内で合成することができない。しかも水溶性であるため体内に貯めることができないので、常に野菜や果物などの食物、あるいはサプリメントから摂取するしかない。
ビタミンCを多く含む食品としては、アセロラ、グァバ、赤ピーマン、ブロッコリー、イチゴ、レモン、それにオレンジの約20倍のビタミンCが含まれているアムラなどがある。
しかし、ビタミンCは水溶性のため、体内で吸収されても3時間ほどで排出されてしまう。それゆえにこまめに摂取することが効率的で、例えば1日3~4回に分けて摂取するといいだろう。
ビタミンCを上手く取り入れ、活性酸素を除去して健康を維持し、老化を抑えて若々しく生きていきたいものだ。