雑誌で霊能力者による悩み相談の鑑定をやっていると、時に記事にできない内容が出てくる。
ひとつに水子がある。A子という18歳の相談者が数多くの小さな悩みを霊能力者に話していた。数が多いということは正直なところ悩みといえるほど深刻なものではない。本人としては、霊能力者と言われる人にちょっと試しに視てもらおうという軽い感じだったようだ。
A子が長々と話した後に霊能力者はこう言った。
「あなたねぇ、そんなことより後ろにいる水子をなんとかしなさい」
それまでヘラヘラしていたA子の表情が一変した。「なんで知ってるの?」という顔だった。それ以後は真面目な顔で堕した赤ちゃんの話に終始したが、少女向け雑誌だったので記事にはできなかった。
20歳のB子はなんとなく近寄りがたい雰囲気があった。良い意味ではなく悪い意味でだ。感性の鈍い私でも「この子の顔自体見たくない」と思えた。確かに不細工な子なのだが、ちょっと怖い感じがしたのである。
鑑定が終えた後、霊能力者が私にオフレコでこっそり耳打ちした。
「あの子、取り憑かれてるね。私もちょっと怖かった」
一般人の私にも感じるほどの何かがB子には憑いていたのである。さすがにそのことも記事にできなかったし、本人にも言えなかった。もっともおちゃらけてるギャルだったので、気にはしないだろうが……。
[編集後記]
私自身、霊能力者と鑑定取材前の打合せを行った時、いきなり「変なモノを連れ来てますね」と指摘されたことがある。ちょうど落ち込んでる時だったので、変な霊を引き寄せてしまったようだった……。