私は縁あって占いや心霊の仕事に多く関わってきた。おかげで本物の霊能力者とも親交ができた。だが、取材同行中に私の周りで不思議な現象があったとしても、私自身は何も見たことがないし感じたこともない。きっと感性が鈍いのだろう。少し残念に思うこともあるが、感性が鈍いからこそ情が入ることなく冷静かつ客観的に取材できるという利点もある。そもそも怖がりだから積極的に不思議体験をしたいとは思わないが……。
ここ数年は、霊能力者とパワースポット巡りをして、YouTubeにあげるという手伝いをしている。やはり、知らず知らずのうちに周囲で何か起きているらしいが私には分からない。
過日、富士山の麓にある『白糸の滝』と呼ばれる有名観光地兼パワースポットを撮影し、その近くに隠れたパワースポットがあるというので立ち寄ってみた。
そこは源頼朝ゆかりの『お鬢水(おびんみず)』という富士講の霊場の一つ。白糸の滝の上にある溶岩の窪地に湧き出ている清水だ。ちょっと不気味な雰囲気もあるが、水の透明度が高く、空気が美味しい空間だった。
連れて行ってくれた霊能力者は、初めてここに来た時あまりの霊気の強さに吐き気を催してしまったという。霊感のある人には要注意の場所らしい。今回は3回目の訪問であり、やっと特異な空間に慣れたとのことだった。
心霊写真も撮れたそうだ。見せてもらうと、長くて白いもやみたいなものがカーブを描くように写っている。私にはその怖さを感じなかったが、分かる人には分かったらしい。
というのも動画を編集してくれた若造君に、何も言わずにこの写真を見せた時「怖さと気持ち悪さを感じた」と言うのである。若造君は感性が強いみたいだが霊感のない普通の青年だ。やはり、この場所は特異なパワースポットだったのだ。
私や霊感のない普通の観光客には何も感じることがなく、感性の強い人だけが感じるパワースポットということか……。ということは、私のような感性の鈍い凡人はご利益を受けられないのかなと思ったりもした。
それでもパワースポット巡りは続けるけどね。
[編集後記]
参考動画