改めて『時をかける少女』を観る |  ライター稼業オフレコトーク

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 映画『時をかける少女』を観た。アニメ版でもなく、2010年版でもない。1983年に公開された原田知世版だ。たまたま映像が流れているところを懐かしいと思い、ついつい観てしまった。公開当時は大きな話題になったが、何のどこが面白かったのかを、今改めて観た時に、自分がどう感じるのかを知りたかったのである。

 

 

 結論としては少々退屈だった。ストーリーも原作とは違うオリジナルだった。特殊撮影もCGに見慣れた今となっては稚拙過ぎて思わず口元が緩んでしまう。なのに、な当時は話題になったのだろう?

 おそらく“面白い映画”だと思いこまされていた感がある。筒井康隆の原作だし、当時勢いのある角川映画の製作だったし、原田知世は角川春樹イチ押しの若手アイドルだったからだ。

 

 そもそも、併映した薬師丸映画『探偵物語』のおまけという扱いであり、大林宣彦監督があの独特な世界観を駆使して遊び感覚で作っていたからかもしれない

 にもかかわらず話題になったのは、先の理由に加え、薬師丸目当てで観に行った男どもが、思わぬ伏兵である原田知世に魅せられ、「映画の知世は可愛い」という評価が「知世の映画は面白い」に変化していったのではないだろうか。

 

 

 結局、印象に残ったのは原田知世の以下のシーンだけだ。

・セリフが昭和の女の子の喋り方。くさいけど、同世代の昭和男からするとなんとなく心が和む

・制服のスカートがダサい。今みたいに短くもなく、かといって長くもなく、中途半端な長さであって、全然可愛くない。

・ラストで歌うのだが、声量がなく、上手くもなく可哀想な感じがした。浅田美代子の『赤い風船』よりはマシだったが。

・何と言っても衝撃的だったのは、白いブルマ姿を見せたこと。今では絶滅してしまったあのブルマが見られるなんて…。しかも白ですよ。はブルマ世代だ、白なんて一度も見たことがない。こんなのがあったんだと今さらながら驚いた。でも、なんか白は変だった。当時は普通の光景だったのかも知れないのだろうが、なんかグンゼのパンツというか大人用のおむつみたいで格好悪い。上の体操着が白だから、よけい変に見えた。でも、アイドルの白いブルマ姿なんて貴重だしね、これはある意味お宝映像かも。

 

 この映画で原田知世は日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した。…演技力なんて関係ないんだな。

 

 

『時かけ』はその後、映画やアニメやテレビドラマ化されているが、原田知世版を超えるに至っていない。だから、内容はどうあれ、原田知世主演作が不朽の名作という位置づけがなされている。

『時かけ』は、1972年にNHKで『タイム・トラベラー』という題名で放送されている。それを観たことのある人は、かなり面白かったとのこと。早速ネットで調べてみたところ、最終回だけ観ることができた。確かに良かった。同じようなストーリーに作れば原田知世版も面白かったに違いない。

 印象に残ったのが白いブルマだけとは情けない…。

 

 

[編集後記]

 個人的に、彼女の代表作と言えば『私をスキーに連れてって』だと思う。この頃は演技も上手くなっていたしね。