ちょっとした工夫でサロンに人が来る・4 |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
コスメ関連、学校関連、アダルト関連、体験取材など様々な
分野の取材執筆をしてきました。
ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 今回は編集者の視点でこうしたら良いのではないかと思われたことを述べてみたい。また、実際に実施して成功した例を紹介する。

 

〖編集者の視点編〗

 

【ポップやチラシを作る際の注意】

 ポップやチラシにおいて、デザインや読みやすさ・見やすさは言うに及ばす。特に個人店を回って目についたのは誤字脱字が見受けられること。ほんのちょっとの間違いが目につく。ほんのちょっとなら良いというものではない。個人店だから許されるというものでもない。

 

 間違いが発生する理由は、読み直しをしていないからに過ぎない。つまり、出来たら出来っ放しで校正をやっていないのだ。文章量なんて大したことないのだから読み直せばいいのにと思う。そうすればワードで誤変換されてもすぐに気づくはずだ。

 特にお喋りの得意な人ほど文章をなめがちで、間違いに気づいても気にしない傾向にあった。

 

 お客は誤字脱字を見つけても何も言ってこない。しかし、「ここの店長は語彙力がないんだな」と思われてしまうし、最悪バカだと思われてしまう。そして、店の品格も損ねてしまう。汚すぎる字も絶対言わない。相手の口臭の指摘をしないのと同様に。しかし、それだけで店のマイナスイメージになるということを心掛けておくべきだ。

 

 

 

【『お客様の声』の見せ方】

 よく店のホームページに『お客様の声』を載せているのを見かける。ここで注意すべきなのは、お客の声をそのまま記載してしまうこと。そのままだと言葉が単純で幼稚になってしまい核心もついていない。そんなものは文章ではなくただの飾りだ。読む者の心にも響かない。

 

 価値あるものにするには多少脚色が必要だ。嘘にならない程度に上手くアレンジする分には罪はない。むしろ、読ませる内容にしなければ『お客様の声』を設ける意味がない。

 付け加えるなら、文字だけでなく顔写真も添えるといいだろう。目線入りでも構わないので。その方がリアル感も増す。文字だけだと創作ではないかと疑われることもある。それだけでも店にはマイナスになってしまう。

 

 

 

【ビフォーアフターは必ず撮影すべし】

 これほど説得力のあるツールはない。施術で変わった本人は感動がひとしおだろうし、施術前の人には期待を抱かすことができる。

 

 チェーン店では薬機法に注意しているので実施するところは少ないが、個人店では大胆にやっていることが多い。個人店だと福祉保健局の薬務課も見逃してくれることがほとんどだが、大っぴらにやり過ぎると警告を受けるから注意が必要だ。特に、店外に比較写真を掲示するのは避けたい。店内でお客にこっそり見せる分にはお上から怒られることはないだろう。

 薬機法は守らなければならない法律だが、自治体や担当者によって解釈も判断もまちまちだ。今まで多くの担当者に会ってきたが、こんないい加減な基準はないと思っている。なので、個人店は店内専用で利用するといい。

 

 ついでながら、少々の薬機法違反は気にしなくてもいい。真面目な人ほどすごく気にするが、警告を受けたら素直に謝り、以後は目を付けられないように気をつければいいだけのこと。ただし、やり過ぎるとメーカーも叩かれてしまうので、他者の迷惑にならないように注意したい。

 

 

【顧客とのコミュニケーションツールを作る】 

 まめなオーナーは必ず作っている。SNS世代のスタッフがいるとツイッターやフェイスブックで展開している。しかし、内容を見ると自己満足がいかに多いことか。魅力的なものが少ない。

 個人が発信しているものではなく、店の顔として発信しているのだから、メッセージ性を考えコミュニケーションツールとして威力を発揮するものにしなければ意味がない。友達同士のやり取りみたいな感じが多くて残念でならない。そうならないためにも専門のコンサルタントなどからアドバイスをしてもらうのが一番だ。

 

 年配者には紙媒体が読みやすい。エステサロンT店では毎月一回A4二つ折りの手作りリーフレットを作っていた。それを一度でも訪れたお客に必ず郵送して繋がりを保っていた。その企画自体はすごくいい。しかし、内容が素人すぎて意味を成していなかった。

 

 そこで、私が以前メーカーA社の広報物を立て直したという実績を知っていたT店のオーナーに頼まれ、試しに私が内容構成を考え、文章を作り、知り合いのデザイナーに格安でデザインしたもの作ってみた。当然ながら反応があった。キャンペーンの告知には必ず食いついてくれるし、エステには関係のないコラムにも反響があったりした。

 

 せっかく店からの通信ツールとして出すのなら、プロに任せるなどして意味のあるものにして出すべきである。

 

 

 

【漫画を利用する】

 世は漫画が流行っている。また、漫画世代が多い。文字を読むのが苦手な人が増えた分、漫画を手にする人が増えている。

 

 エステサロンU店では、商品の良さをPRするためにB5サイズの8ページの漫画を作っていた。その発想は良し。ただし、絵が下手すぎた。オーナーは漫画好きの長女にタダで描かせたのだが、その絵が下手くそだということに気づいていなかったのである。いや、上手いか下手かの判断ができないというのが真実だろう。

 そこで、私が同人誌時代からの付き合いがあるアマチュア漫画家に格安で描いてもらった。バッグに入る手頃な大きさにするために、A5にも変更した。結果は上々で、価値のある物ができた。

 

 また、A4二つ折り4頁の『顔ダニ漫画』を企画して創ったことがある。顔の表面にダニがいるということをお客に教え、エステで顔を綺麗にすることアピールするためだ。これも評判が良かった。

 しかも、U店の店頭にテイクフリーとして置いたところ、それを読んだ初めてのお客が増えたと店長が後日教えてくれた。してやったり!

 

 

 

【商品の有効な活用術を教える】

 商品には様々な活用方法がある。使い方は一つではないのだ。

 例えばローズウォーター化粧水には、日常生活において様々な使い方がある。しかし、ユーザーはあまり使いこなせていない。せいぜい2~3通りだ。「化粧水」の他に、「日焼けの後のケアに」「入浴後のボディローションとして」「ヘアケアに」「目の疲れに」「かさついた手足のケアに」「安眠したい時に」など多くの有効活用術がある。

 

 これを口頭で伝えたり、文字だけの使用方法の紙を渡すのでは十分に伝わり切れない。視覚でも訴える方がインパクトがあるので、私はこれをイラスト付きのリーフレットにした。また、施術席の鏡の横にポップとして置き、お客の目に触れるようにして欲しいと提案をした。

 結果として、商品の価値が広がり売れ行きも伸び、使用方法の拡大で消費も早くなるという効果も生み出した。

 これなども、ほんのちょっとの工夫に過ぎないのだ。

 

 

[編集後記]

 経営術は全くダメな私だが、編集的なことでは十分アドバイスでき、仲の良い個人店には小さな貢献ができたかなと自負している。