マジで効くものは厚労省が認めない |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
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記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 ちょっと具合が悪いなと思ったら、常備してある『チオビタゴールド』を飲む。まとめ買いなので1本当たりの単価は120円くらい。値段の割にはけっこう効く。さすが第2類医薬品だ。

 微熱が出た時は高めの『ユンケル皇帝液』を飲む。イチローの言うことに嘘はない。やはり第2類医薬品は効く。

 こんなことを何十年も繰り返しており、私にとって滋養強壮剤は絶対的な存在になっている。

 

 

 以前、内科の医師を取材した時、本人が風邪気味の時は飲んでいると言い高めのドリンクを飲んでいた。医療関係者は薬を絶対的に信じ、健康ドリンク的なものは当てにしないと思っていただけに意外だった。しかし、その医師は健康ドリンクを重宝しており、単価が高いものほど効き目があると教えてくれた。

 

 形状が似たようなもので『オロナミンC』や『リアルゴールド』などがあるが、あれは炭酸飲料のジュースみたいなものだ。実際の体力の快復には至らないので、具合が悪くなっても絶対に飲むことはない。

 それでも気持ちで元気になる人はいる。うちの父親などは『オロナミンC』を薬と思って飲み続け、「これのお陰で元気でいる」と信じ込んでいた。病は気から…みたいなものか。

 

 

 先日、風邪をひいて熱が出たので『チオビタゴールド』を飲んだ。『ユンケル』が手元になかったのでとりあえず飲んだのである。すると、数時間で熱が下がり食欲も出るなどあっという間に快復した。今までこんなことはなかった。そもそも即効性などはなく、熱のある時は一日ぐったりし翌日元気になるというのが、いつものパターンだったからである。

 

 おかしいなと思って空になったドリンクの瓶を見てみると、それは『チオビタゴールド』ではなく精力回復ドリンクの『凄十』だった。大規模展示会のドラッグストアショーに行った時サンプルとしてもらったもので、スッポン抽出エキスやマカエキスが主成分となっている。瓶が似ているものだから、うっかり間違えて飲んでしまったのだ。

 

     

 

 サンプル品だし、清涼飲料水だから、凄いHをする機会があったら使おうと取っておいたものだ。だから、微熱解消などには役に立たないと思っていた。ところが、こんなに効き目があるとは…。後日、同商品が薬局で売られているのを見つけた。単価1000円だった。

 

 やはりスッポンやマカは凄い! 精力を売り物にしているが、体全体の快復に本当に効果を発揮するのだ。

 なぜ、こんな効き目のあるものが第2類医薬品ではなく、清涼飲料水という扱いで売られているのか? それはサプリメントと一緒だ。サプリメントも薬よりはるかに効くものがある。

 

 

 大企業が長い年月と研究費をかけて作り、安く市場に出回る厚労省認可の医薬品…。一方、中小企業が手掛ける価格が高くとも効き目のある清涼飲料水や健康補助食品(サプリメント)…。ある健康食品の関係者は、国が大企業の利益を守るために、効き目のあるものを認可しないのだと言っていた。中小企業がどんなに良い物を出そうとしても厚労省は認めないのだと。

 その真偽のほどは別にして、私もそう思わざるを得ない現実に直面したことがある。

 

 化粧品業界では誰もが知っているEGF。ヒト上皮細胞増殖因子という名称で、その名のとおり皮膚が蘇るほどの優れた成分だ。そのため化粧品業界ではEGFを使用したあらゆる商品が出回っている。実際、酷い火傷をした人が、化学成分の入った医薬品を使わずに、EGFだけを塗布して綺麗に治ったという事例を何度も目撃した。

 

 その効果の凄さから、平成27年には某中小メーカーからEGFのサプリメントを出す動きがあった。私もその広報活動に参加したのだが、途中で中止に追い込まれてしまった。

 商品を販売した数か月後に国から圧力がかかったのである。効き目があり過ぎることを恐れた厚労省が、EGFを「医薬品として使用される原材料リスト」に指定したからだ。こうなると健康食品として作ることができない。ただし化粧品としては長年使用されていたことから中止にはできず、経口摂取されるものがNGとされてしまったのである。

 

 他にも、効き目があることが分かるとどんどんNGにされる。私が関わった他のサプリメント商品で、それまで使っていた成分の一つがEGFと同じ理由で使用できなくなり、途中から他の成分に変更せざるを得なくなったという事例があった。中小メーカーの当事者たちは、「そんなに厚労省は効き目のある良い物を世に出すのが嫌なのか」と悔しがっていた。

 

 健康食品が目の敵にされるのは、それまでにインチキ商品が多く出回った過去があるから仕方のないことではあるのだが…。金儲け主義の中小企業ほどインチキをやる輩がいるので、厚労省はそれも阻止しなければならないからだ。

 

 健康食品は、成分重視で医学的エビデンスが十分でない。そのため良い物があれば悪い物もある。個人差で効く人もいれば効かない人もいる。安い物は効果が期待できないが、高い物は効く。ただし高くても偽物は効かない。結局、選ぶのは消費者の自己責任。口コミに左右されるのではなく、自分で体験して実感するしかないということだ。

 

[編集後記]

 最近は急な発熱対策として、『ユンケル』ではなく『凄十』を常備するようになった。少なくとも私には効く。ただ、自宅でそれを見つけた友人が、精力回復を目的としたドリンクだと解釈しており、私を見る目がニヤニヤしているのが屈辱的で辛い。