<座薬>
座薬とは病気で高熱を発症した時に熱さましの特効薬として医者から処方される薬だ。肛門からカプセルを挿入していち早く薬剤を浸透させるのが普通の使用方法。
ところが、おじいちゃん、おばあちゃんなどの高齢者の一部は使い方を十分理解していない者がいる。そのため薬名からして「座って飲むものだ」と思っている。そのため、わざわざ座布団に正座して、カプセルから薬を取り出して口から飲もうとする人がいるそうだ。
ギャグのような話だが、これは本当にあることだと医師が教えてくれた。
昔、洋式便器が出始めた頃、高齢者が便座の上に反対向きにしゃがみ、和式スタイルで用を足した人が続出したが、これと同じケースと言えよう。
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<飲み合わせ>
肩甲骨に痛みがあったので、医者からボルタレン錠を処方してもらった。その数日後、まだ痛みが治まらないので、再度処方してもらった。そして、その時の薬局の薬剤師から「市販の風邪薬と一緒に飲まないように」と注意を受けた。なぜなら、その時の私は鼻をグズグズさせていたからだ。
しかし、もう遅い。とっくにパブロンを飲んでいたからだ。理由を聞いてみた。
「なぜダメなんですか?」
「効きすぎて気を失う恐れがあるんです」
「私は、大丈夫でしたよ」
「まだ若いからでしょうね。これがお年寄りなら危ないかもしれない」
…そういう重要なことは、もっと広めるべきではないのか? もし、私が鼻水をすすっておらず、しかも高齢者だったら、薬剤師は詳細を教えてくれなかったかもしれない。
多くの薬剤師は「他の薬と飲まないように」とは言ってくれても、「どういうことが起こるか」という一番恐ろしいことまでは言ってくれない。
一般の人は知らないが、薬剤師の説明には勝手に料金が加算されているのだから、そこまで教えてくれてもいいと思う。
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<ボルタレン>
それにしても薬は怖い…。怖いといえばボルタリン。
某医師が、「常に体の節々の痛みを訴える高齢者にボルタリンを与えると、たいてい元気になる」と言っていた。
ボルタリン…恐るべし。そもそもそんな効き過ぎる薬を高齢者に処方しても良いのかと心配してしまう。
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<へその緒>
開けっぴろげな性格の薬剤師のおばちゃんと「女性の喫煙」について話していた時のこと。おばちゃんは「絶対に女は吸うべきではない」と力説していた。
煙草が女性の体に良くないことは広く知られているが、実際のところ女性の喫煙者は増える一方だ。一応の知識として「奇形児が生まれる可能性がある」ということは知っているらしいのだが、実感が湧かないのだろう。そこで、おばちゃんはこう力説していた。
「なぜ奇形児になるかをちゃんと教えないからいけないのよ。煙草はね、へその緒に悪影響を与えて細くさせてしまうの。そんな状態で身ごもったら胎児に十分な栄養がいくわけがないじゃない。だから奇形児や障害を抱えた子供が生まれちゃうのよ」と。
医療関係者の言葉なので説得力がある。しかし、それが確実に正しいとは限らない。女性喫煙者でも健常児が産まれているからだ。ただ、リスクがあるの確かなのだろう。
そのことを頭に入れながら、女性の喫煙をなくすためには、「女性の喫煙は良くない=奇形児の可能性がある」という、この二つのキーワードの間に、先の説明を入れることが大事なのだな。
しかし、おばちゃんの薬局の隣の店は、以前実母が煙草屋をやっていたというではないか。そこんとこは説得力に欠けるなぁ…。
[編集後記]
おばちゃんはこうも言っていた。「障害児が生まれるとその子は大変だけど、親も苦労して大変なのよ」と。ちなみに、おばちゃんちの27の娘は、就職もせずにパンクロックに熱狂している…。やっぱ苦労したのかなぁ…。