通訳の使い分け |  ライター稼業オフレコトーク

 ライター稼業オフレコトーク

 
アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
コスメ関連、学校関連、アダルト関連、体験取材など様々な
分野の取材執筆をしてきました。
ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 1999年のミス・アメリカに選ばれたニコール・ジョンソン。彼女が評価されているのは単なる外見の美しさだけではない。19歳で糖尿病を発症しつつも、努力で美貌とスタイルを維持しながらミス・アメリカの栄冠を手にしたことだった。その後、全米で展開された糖尿病の早期発見・早期治療を啓発するキャンペーンで、スポークスマンとして中心的な役割を果たしている。

 

 

 彼女は同年12月に来日し、「糖尿病だって何でもできる」というテーマのもと日本で講演を行っている。私もその講演へ取材に行ったが、会場には多くのマスコミ関係者が来ており、糖尿病を乗り越えてミス・アメリカになったという実績は、大きな影響力があるものだと実感した。

 その夜、彼女は『ニュースステーション』に生出演したのだが、話す内容は同じでも隣にいる通訳は講演の時とは違う人だった。昼間の講演では、眼鏡をかけた地味な感じの女性通訳だったのだが、テレビでは若くて聡明そうな美人通訳に代わっていた。

 

 

 普通は招聘した側が用意した通訳がずっと担当するものと思われる。ひょっとして、この時だけテレビ映りのいい人に差し替えたということか? 十分それは有り得ると思う。講演中、通訳が彼女の側に居たのはパネルディスカッションの時だけで、一人で演壇に立って話している時は見えない位置にいるなど、ほとんど目立たない黒子の状態だった。しかし、テレビでの通訳は常に彼女の横にいて一緒に映ることが多い。

 真実は分からないが、十分考えられることであり、当時はそれが普通だったのかもしれない。今だったら差別だ何だかんだと叩かれそうだが…。

 

[編集後記]

 彼女の美しさや講演内容よりも、この通訳交代劇だけが印象に残っている。