永くイギリスに滞在していた友人が帰国したので会ってきた。そこで興味深い話になったのは、英国人の大半がお化けの存在を信じ、それを“もう一人の住人”として受け入れているということだった。
友人は東京の某国立大出身の才女で、有名証券会社に入社して同僚と社内結婚。その後、エリート候補だった夫の海外栄転に付き添いイギリスに渡っていた。学生時代から現実的な考え方で、お化けの存在は信じる信じない以前に関心さえ持っていなかった。だから当然、日本では一度も見たことがなかったという。
しかし、その友人がイギリスでは不思議な現象を何度も目撃し、今では笑いながらその時のことを話しているのだ。
実際、友人が住んでいた家にも何度か出たそうだ。不動産屋もお化けが出ることは隠さず、空き家を紹介する時に「この家には“前から住んでる人”がいますけど害はありませんから」と正直に言うのだという。どこの不動産屋もそうらしい。(日本だと“出る”ところは公にしないのだが…)
近所のおばさん達も「ああ、あの家は出るわよ」「私も見たことがあるわよ」「あそこの子(霊)は可愛いいたずらをするのよ」と、普通のことのように話しているそうだ。
友人は初めこそビビッていたらしいが、10年も住んでいると“もう一人の住人”にすっかり慣れてしまい、しばらく出てこないと逆に心配になるという。また、ポルターガイスト現象も起こるのは当たり前のこととして受け止めるようになったそうだ。
霊に対する価値観が日本人と英国人とでは全く違う。
[編集後記]
ちなみに英国人の80%近くはお化けの存在を肯定していると言っていた。