一人で静かな部屋の中にいる時、「ピシッ」「パシッ」という小さな音がしない?
これを霊の仕業によるラップ音と言う人もいれば、湿気や気圧変化などで家具や柱とかがきしんだ音だと言う人もいる。私は、霊だったら怖いので、今まで気圧説を支持して、音を気にしないようにしていた。ところが、ある日を境に霊であることを確信してしまった。
ホラー雑誌の取材で、霊能者の千葉一二三さんに会いに、ある地下室の貸しスタジオへ行った時のことだ。天井には無数の照明がぶら下がり、何本かのアルミの剥げたパイプが縦横無尽に走りまくっており、いかにも古いスタジオという感じだった。
私はそこで千葉さんと打ち合わせをしていたのだが、いつも以上に天井から「ピシッ」「パシッ」という音が聞こえてくる。
自分の部屋よりも音の数が多いのが気になったが、このようなスタジオなら仕方ないと思い、いつも通り気にも留めないようにしていた。しかし、千葉さんもその音が気になったのか、突然天井に向かって怒鳴ったのである。
「え~い、うるさい! 静かにしな!」
すると、ピタッと音がやんだ…。以後、音はしなくなった。千葉さんはニコッと笑いながら言った。
「ごめんなさいね、うるさくて。初めての人が来て、はしゃいでたのかな。これでもう静かになるから」
こ、これって、もしかして……。千葉さんは霊に向かって一喝したのだ。この時から、私のラップ音に対する認識が一変した。
いろんな部屋でラップ音が聞こえるけど、一般人の私には「うるさい!」とは言えない。だって、逆ギレされたら怖いもんね。
[編集後記]
あまり知りたくなかった真実。でも、悪さはしないみたい。だから、この手の霊に対しては、変に怖がったりせず共存共栄していくしかない。