円ドル為替レートの推移を示したグラフです。かなり自由度の高いグラフで、右上のボタンで、日足、週足、月足の調整、さらにグラフ下段のバーを動かすことで、時系列を動かすことも可能です。

さて、この時系列を動かして、リーマンショックから1年間の円ドルレートを見てみます。
リーマンショック前の2008年8月には110円台だった為替レートが、年末までに一気に90円台まで円高に触れたことが見て取れます。株価も日米で下落する中での、この円高でしたので、まさに「アメリカ売り」の進展でした。

この頃は、国際協調が叫ばれ出し、為替の安定化もその中のトピックの一つでしたので、激しい「アメリカ売り」は回避された経緯があります。

一方、今回また90円割れの円高となっていますが、これは日米で景気回復に期待感が出た中での円高で、円安に向かいかけた方向感もあった中で、藤井財務相の発言などで一気に触れた感があります。逆にこれが定着すると、日本企業の業績の足を引っ張りかねないのは、報道等でも良く言われていますが、その辺はどこまで考えられているのかと、少し不安になります。

せっかく見え始めた回復の芽を、責任ある政治家の個人的「正論」や失言でつぶしちゃうんじゃないか。。。内政の失敗より、この市場との対話が心配な、新政権です。



リーマンショックから1年。あの象徴的な出来事の、そもそもの発端となったのが、サブプライム・ローンの問題でした。昨日のブログで紹介した米国の住宅バブルも、このサブプライム・ローンの大幅な拡大によって助長された側面が大きいようです。

そもそもサブプライムという単語自体が、「サブ」=「下、次」、「プライム」=「優良の」の合成で、サブプライム・ローンとは、優良貸付先向けの「プライム・ローン」よりも、信用力が劣る貸付先へのローンのことを指しています。信用力が弱い人へのローンですから、融資条件が緩い分、当然ローン金利は高くなります。

ただ、その「高い金利」負担を、少なくとも最初の数年は借り手が感じないようにする仕組みが、このグラフのような返済スケジュールの「からくり」です。

例えば、グラフの例で、借入金額25万ドル(約2,500万円)、年限30年のローン。当初の支払いは、月625ドル(約62,000円)ですので、日本であれば大学生のバイトでも何とかなりそうな金額。ただ、それは金利負担のみで、元本は全く減らないまま、3年間が経ちます。

その後が大変で、元本部分の返済が始まる37ヶ月目(4年目の最初の月)から、月の支払い金額は1,900ドル弱に約3倍に一気に跳ね上がります。こうなると、とてもじゃないですが、625ドル支払っていた頃の給与水準、生活水準のままでは支払えませんよね。。。しかも元本部分はフルで残っている。怖いですねえ。。。

この仕組みが成り立っていたのは、あくまでも住宅価格の上昇があったからに他なりません。先が怖いローンとは分かっていても(分かっていなかったのかも知れませんが。。)、4年目を迎える頃には、借りたお金で買っていた住宅の価格が上昇しているので、借り手はその担保価値の上昇分をバックに、新たな借入れをすることも出来れば、その住宅を売って、一気にローン返済を行うこと(そして、また次のサブプライム・ローンを組むこと)も可能だったのです。

ただ、その住宅価格上昇が止まった時、この仕組みが一気に逆回転を始めました。それがサブプライム・ローン問題のそもそもの始まりです。

(つづく)

<グラフは、vizoo特集『リーマンショックから1年~世界の変化を可視化する~』(http://special.visualzoo.com/lehman/what.html)から取得しました。>


vizooの「リーマンショックから1年」特集(http://special.visualzoo.com/lehman/what.html)からピックアップです。

アメリカの住宅バブル、やっぱりこうして見るとすごいですね。。。2000年から2006年にかけて、住宅価格が約2倍になっていることが分かります。振り返ると「バブルだった?!」となるこうしたイベントも、その真っ最中は気付かない、もしくは気付かないフリをしながら、やはりそれが崩れるまで続いてしまうというのは、日本の時もそうであったように、世の常なのかもしれません。

これまた「日本の経験」になると、その後大分長引いた住宅価格の下落と景気低迷でしたが、今回のアメリカが「失われた〇〇年」とならないよう、世界の政策協調に期待したいところです。