今日は朝から会社行事のクリーンキャンペーンに参加しました。寝屋川で淀川河川敷のゴミ拾いのあとはバーベキュー大会。ほろ酔い気分で京阪本線寝屋川市駅から伏見桃山駅に到着すると伏見大手筋商店街をぶらり歩き…シャッター商店街が多いなかこの商店街は活気に溢れています。大手筋通は東西の通りですが、豊臣秀吉が伏見城築城の折に大手門への出入りするために造成したと言いますから歴史があります。東から西に一番街~四番街と続きますが、三番街の中ほどにあるのが
吟醸酒房「油長」です。
さすが酒どころ伏見です。有名な酒販店なのですがお店の一角で伏見のお酒を頂けるとのこと。早速カウンターに座って利き酒セットを注文しました。数多くの日本酒の中から三種類をチョイスします。
英勲 無濾過純米大吟醸生原酒 千年古都
富翁 大吟醸 秘蔵酒
旨いっ!
ちょっと呑みにうってつけのロケーション。
日本酒だけかと思いきや、奥にはワインが頂ける葡萄酒房「油長」もあります。
カウンター内のお兄さんからここから近くに呉竹湯という銭湯があるとの耳より情報。いざ出陣です!
五分も歩くと看板が見つかりました!
右が男湯、間口の広いお風呂屋さんですね。
ミネラル温浴泉のパネルが存在感を主張しています。
角にある住所表示をみると銀座町三丁目とありますが、徳川家康がこの辺りで銀貨を鋳造させたことからきており、日本最古の銀座であるらしい。
下足箱の上にはイラスト画がズラリと貼ってあります。全てご主人の上谷昭さん(87歳)の作品。風景画もあれば人物画もある。
ご主人の紹介は後ほどするとして、、、
何はともあれ脱衣所に入りましょう。
白い招き猫が左手を上げています。白猫は福を招き、左手は人を招く(千客万来)といわれています。いたるところに色んなものが貼られており雑然としている感は否めません。
浴場に入ると、さらに度肝を抜かれます!
左壁面に描かれたタイル絵です。
屋号について尋ねてみると、この辺りは呉竹(中国原産の竹 和名 淡竹はちく)が群生していたらしく「呉竹の郷」と呼ばれたことから命名されたそうです。
奥壁のサウナ(定員八名)から出てくると「視界がサァ~と開けるように…」とは下絵を描いたご主人の意図。ちなみに女湯は大海原と岬に立つ灯台の図らしいのですが、入れないのがまことに残念です。
浴槽にも工夫が感じられます。
ジェット風呂から浅風呂そして
深風呂まで湯が流れ出ている
といった感じなのです。
しかも浴槽内にはところどころに鯉の絵が
描かれています。湯の中でゆらゆらと揺れる姿はあたかも泳いでいるように見えます。
驚きはそれだけではありません!
なにやら四角い箱が沈められています。
これぞミネラル温浴泉の正体です!
中には鉱石が入っているのでしょうね。
奥壁のタイルにはラドン、トロンと表示されています…あったまりますねぇ~
御主人の意図にまんまとハマり
♬ お湯の流れに身をまかせ~
あなたの意図に染められ~
と、思わず口ずさんでしまいそうです。
さて、風呂上がりに御主人 上谷昭さんの
お話しをじっくりと伺いました。
昭和3年12月生まれの御歳87歳。役所には昭和4年1月5日生まれと届けてあるらしい…
大東亜戦争特攻精神注入棒(これも自家製)を片手にますます意気軒昂な上谷さん。
15歳で海軍に入隊し、舞鶴では特殊潜航艇
「海龍」の操縦訓練も行ったという。所謂、特攻です。その時代の写真を見せて頂きましたがかなりの男前ですね。
一年後に終戦を迎え、請われて北海道に渡り漁師をした後、風呂の釜焚きを経て銭湯を営むこと六十有余年。その半生が回顧録に記されています。
達筆な字と精緻なイラストで綴られています。文才もあれば画才もある、とてもアカデミックな御主人です。
屋号について尋ねてみると、この辺りは呉竹(中国原産の竹 和名 淡竹はちく)が群生していたらしく「呉竹の郷」と呼ばれたことから命名されたそうです。
ついでながら御主人の出身はやっぱり石川県とのことでした。
情緒ある銭湯と街並み…
心までもが洗われます。
【呉竹湯】
京都市伏見区銀座町3丁目315