小笠原のエコツアー -944ページ目

ウミガメ文化

こんにちは、ふるやんです。

今日は日曜日の出来事を書きたいと思います。

日曜日は休日だったため、ガイドをやるうえで一度は経験しておくべきだと思っていたウミガメの解体作業に参加しました。


小笠原で島料理として食されているアオウミガメは、おもに海草や藻類を食べているため臭みがなく、ウミガメのなかではもっとも美味しいと言われています。

そのため世界では生息数を減らしており、ワシントン条約で国際取引は禁止されており、ほとんどの国で法令により捕獲禁止になっています。


ただ小笠原は約100年も前から人工ふ化させた稚ガメの放流や、捕獲数と時期の制限を設けているため、近海の生息数は安定しているそうです。


昔からウミガメとの上手な付き合い方をしてきたことがわかります。


小笠原のエコツアー-煮込み
↑ウミガメの煮込み


小笠原エコツーリズムリゾート

南島の底力

今日はおが丸出港日。GWも最終日でオプションの申し込みもないなぁなどと思っていたら、ヴィレッジにお泊りのダイバーの方から、「ダイビングのガイドはできないですか?」のオファーが!もちろん私は以前ダイビングショップで10年以上小笠原の海をガイドしていましたから何でもOKですが、「なんで?」の質問に対し、南島ツアーの時に話した南島周辺の洞窟を是非行ってみたいとの事でしたのでイレギュラーながらスキューバダイビングde南島ツアーになりました。

以前から気になってはいたのですが、自分自身改めてタンクを引っ張り出して潜りに行く勢いが無かったので興味津々のポイントを攻めてきました。南島周辺の岩質は元々サンゴ礁なので石灰岩質で雨水によって溶かされて行きます。結果、岩盤の中に水が溜まったり、それが抜けて空洞ができたりしますが、そんなところに鍾乳洞が出来上がったりします。

洞窟の中に入ると暗がりを好む甲殻類たちがお出迎えです。


小笠原のエコツアー-オトヒメエビ
写真のオトヒメエビは普通種でよく見かけますが、かなりの数の普段はあまり見かけない甲殻類も多くいました。

さらにこのポイントは中に入るとあまり水の動きが無い為、エビの抜け殻などがそのまま堆積している場面もあり、もちろんその抜け殻の主のイセエビもそこら中にいて、体にぶつかってきて大変でした。


小笠原のエコツアー-イセエビ
さらにこの真っ暗な洞窟の中には水面があり、普通に呼吸する事もできるのですが、どうも最近、大きく崩れたようで内部が狭くなっていました。

その真っ暗な水面に顔を出すと長い間かけて溶かされてきたエアードームは独特の静寂があります。


小笠原のエコツアー-水面に上がると・・・
まるで水中から天井まで伸びているパイプオルガンのようなものはお馴染みの鍾乳石です。

石灰岩が雨水に溶かされ長年かけて成長し、その後海水に没して行ったのでしょう。

南島周辺にはまだまだ知られていないこのような海中鍾乳洞がたくさんあります。普段歩いてガイドしている南島の地中にもこんなところがあるかも知れません。(と言うより絶対にあるはずです。)


小笠原のエコツアー-発達した石筍

さらに水中にはとんでもないものが!!

普段南島でガイドしている時によく見かけるようなカタツムリの半化石。


小笠原のエコツアー-カタマイマイの化石
そうです。古い岩盤の一部が崩れた為に地上に見られる地層よりもはるかに古い年代のものが露出されてきたのです。最初はこんなところにヒロベソカタマイマイが!とちょっと興奮したのですが。よく見ると水中で絶叫に変わってしまいました。地上によくあるヒロベソカタマイマイよりもずっと大きく、縁どりが角ばっているタイプのものとヒロベソカタマイマイと同じように裏側におへそ状に穴が空いているにも関わらず、ずっと丸っこいタイプのもの。いずれも見たことの無いものでした。以前から文献などでは知っていたヒロベソカタマイマイよりも遥かに古い時代に絶滅したニュウドウオオカタマイマイかと思ったのですが、どうもしっくり来ないので、詳細は今後小笠原自然文化研究所経由で小笠原のカタマイマイの研究で知られる先生にお任せする事になりました。

陸産貝類であるカタツムリの研究者が水中に潜って調査する機会もないでしょうから新しい情報になるかも知れません。今後に期待したいところです。

ほんと、南島を含めた小笠原は日常のツアーの中でも新しい発見があり、楽しいフィールドですよ。

ダイビングに引っ張り出してくれたゲストに感謝です!!


たけ


小笠原エコツーリズムリゾート

標高2000m?


小笠原のエコツアー-ここは父島

ここは父島の標高250m程度の地点です。

間違っても2000m級の高山ではありません。


父島では3月から6月にかけて、標高150m以上で霧がかかりやすい状態が続くそうです。


標高の高い母島(462m)や南硫黄島(916m)では、常に霧がかかった状態の雲霧帯が形成されますが、標高の低い父島(326m)ではみられません。


でも標高が今よりも高かった時代では形成されてたそうです。

このなかに立っていると、かつての雲霧帯が彷彿させられます。


ふるやん


小笠原エコツーリズムリゾート