極秘でおねがいします 閑話の4 | それからの成均館

それからの成均館

『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。

  ご注意ください。

 

 

 ベイビーちゃんはご家族はソウル住みなのか、じゃあなんでわざわざ会いに行くなんてことになるんだ近いだろ、確かにベイビーちゃんは忙しいけれど、何時間もかかるわけないだろうし、一人暮らしはまあ、作家なんて不規則な生活だろうから一人の方が気楽なんだろうってのはわかる、俺だって製作が載ってるときは家族に邪魔されるのはちょっと困るもんな、まあ、部屋に引っ込んでたらよほどのことがない限り誰も来ないけど、でも生活音はどうしたって聞こえてくるからよ、俺のことはどうでもいいわ、ベイビーちゃんだよ、どういうことだってばよ。

 

 俺がかっぴらいた目で、以上のことをつらつらと・・・いや、頭の中ではこんなにすらすらと流れる俺の言葉は口から出たらもう少しもごもごぐちゃぐちゃしているが大体意味は通じたはず・・・酒のグラスを片手に言ったものだから、二人は簡単に事情を話してくれた。前編集者は俺がなんとなく事情を知っていると思っていたらしく最初に口火を切ってしまい、ムン編集者も酒を飲んじまってたからついうっかり普通に返事をしてしまったようだった。

 

 ベイビーちゃんが親御さんと連絡を絶つほどだ。その噂になった相手は酷い奴なのか、と聴いたらとんでもない、誰から見てもいい男で将来有望で、ムン編集者の友人曰く、国で一番婿にしたい男、らしい。ベイビーちゃんだってその人が嫌いなわけはなかった。弟さんの親友らしいし。だが、別に惚れてたわけじゃない。ありもしない二人の関係を吹聴されたのに乗じて、良縁だと舞い上がった両親への落胆と悲しみに、家を出る決心をしたというベイビーちゃんの当時の感情に涙が出そうだった。実際出た。そうだよなあ、自分の意志を全く取り合ってもらえないのは、それが親なら尚更嫌だよなあ。

 

 ボロボロと泣く俺をムン編集者は呆れて見ていたが、俺は力強く頷いた。俺は何があってもベイビーちゃんの味方だ、それに俺はこんな不安定な仕事を認め支えてくれた両親がいたから今がある、俺もたった一人いる息子の味方で居てやるぞ!と拳を握ったら、仕方がなさそうに二人に笑われた。笑われたっていい。俺は息子もベイビーちゃんも守る!

 

 この話は内密に、とくぎを刺されて、そりゃ、ベイビーちゃんのプライベートに関わることだ、『ユニイ』も『ハヌル』もどっちのプロフィールにも関係してくる。俺は何があってもベイビーちゃんを守るが、この口はこれ以降シャットダウンするぜ、と誓った。それに、万が一今いる場所から逃げたくなるような事があったら。

 

 「俺の家に来ればいい。嫁さんもいるし心配しないでいいぜ。」

 

 「何言ってるんですか、俺のところに連れて行くに決まってるでしょう。」

 

 「う~ん。うちに来てもらうわ。それが一番角が立たないでしょ。」

 

 あんたに言われると俺もムン編集者も負けが決まるんだよ、先生の『オンニ』め。

 

 「まあ、冗談抜きで、そんなことにはならないでしょ。先生のご両親よ、ご自分たちの失態は身に染みてお分かりでしょ。」

 

 「だと思います。弟に寄れば、かなりご両親は落ち込まれて・・・。弟越しにしか消息が分からない、自分たちに直接電話も何もしてこないことがやはりだいぶ堪えておられるみたいですよ。」

 

 「弟君も、先生が君と一緒に仕事をしていると知ったらショックでしょうねえ。」

 

 「まあ、この話をしてしまうと、先生が『ユニイ』だってバレちまうんですけどね。」

 

 そして、取材旅行中に先生とムン編集者が一緒にいるところを、どうにか正体はバレずに済んだが、弟さんとご友人たちに遭遇してしまい、その前にムン編集者が『ユニイ』の担当者であると、仕事上知られてしまった経緯があることを俺たちに話してくれた。

 

 「だから、弟に『ユニイ』であることがばれるのは仕方がないんですが、ご両親にはとにかく『ハヌル』で通してもらうよう説得するつもりです。それを了解しなければ、春節の里帰りもなし、という事にします。」

 

 そうしてくれ、ムンさんや。俺はベイビーちゃんには笑っててほしいんだ。

 

 

 

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