4月20日、山形市の霞城公園内にある「旧済生館本館」へ行きました。
1878(明治11)年に山形県立病院として建設された、擬洋風の病院建築物です。
民営移管後、山形市立病院済生館の本館として使用されました。
50年ほど前に「山形市郷土館」として移築復原されたものです。
外観は3層ですが、内部は4階建てとなっていて、ベランダが4つあります。
入館は裏手から、無料で見学できます。
館内は、第8室以外の展示物の撮影はできませんが、建物などの撮影は可能です。
14角形の回廊には、診察室などに利用されていた8つの部屋があります。
各部屋には、明治以降の医学関係資料などが展示されています。
オーストリアから招聘された、ローレツ医師についての展示室もあります。
創建当時、医学校が併設され、近代医学教育の教鞭をとったそうです。
唯一撮影が可能な「第8室 医学機器・病院資料(元内科診察室)」。
明治後期に医学学校の教授向けに配布されたという「人体生理図」。
動脈と静脈が色分けされ、ほぼ厳密に細かい部分まで血管などが記載されています。
回廊に囲まれた中央にある枯山水のミニ庭園。
色とりどりのガラスを組み合わせて作られた「アーチ欄間色ガラス」。
ところどころに見られ、建物に彩りを与えます。
塔の2階部分も見学できるようになっています。
150年近く前に造られた建物だけあって、歴史を感じます。
2階から3・4階にかけてかかる螺旋階段。
構造そのものは洋風ですが、側面には唐草模様の装飾が彫られています。
医学関係の資料はもちろんですが、建物や内部の装飾も見応えがある施設でした。