遊佐町にある「旧青山本邸」。
北海道の漁業で功を成した青山留吉さんが、その財で故郷に建てた邸宅です。
離れは母屋より少し遅れて、1896(明治29)年に竣工しています。
離れ座敷は留吉さん夫婦の寝室に使われていました。
規模は間口4・5間、奥行3間で、屋根は瓦葺の寄棟造となっています。
「離れ上座敷」には、晩年の留吉さんの肖像画が飾られています。
「ハエどまり」といわれる折り鶴が天井にあります。
ハエが白いものにとまる習性を利用し、天井の汚れ防止と美観のためにつけられています。
陶器で作られた「便所」。
桶の中に鉄の筒が入り、薪を焚いて風呂の水を温めて使用する「鉄砲風呂」。
この風呂は、当主が使用したものですが、実際には火は焚かれなかったそうです。
総桧作りの離れ座敷や建具などが煤けないよう、勝手で温めたお湯を外から運んできて、
焚口には炭を入れ、保温しながら使用したとされています。
母屋に戻り、こちらは「使用人部屋」と「勝手」。
使用人が自分の食器をしまっていた『箱膳』。
蓋は裏返ししてお盆に、箱はテーブルとして使われていたそうです。
こちらで、映画「おしん」や「サムライマラソン」などのロケが行われています。
当時の道具がそのまま保存されている「台所」。
アイスクリーム製造機やお菓子型取り器など、当時の最先端のものもありました。
春慶塗を施した室内の意匠をはじめ、細かなものまでその財力に驚くばかりでした。
続いて、公開されている土蔵や展示館を見学します。