1981年のアルバム(その91 The Clarke/Duke Project)
1981年のアルバム・シリーズ
ジャズ・フュージョン界というか、当時の言葉でクロス・オーバー
そして登場するのが・・・
The Clarke / Duke Project
Chick Coreaとの Return To Forever、ソロとしてもSchool Days
Jeff Beckとの共演、さらには、The New Barbariansのメンバーとして・・・
ロック・ファンにも人気の高いベース奏者
Stanley Clarke
Quincy Jonesのレコーディンとのレコーディング、そして・・・
Frank Zappa And The Mothers Of Inventionのキーボード奏者として名を馳せ
'80年代にはプロデューサーとしてA Taste Of HoneyのSukiyakiをヒットさせた
George Duke
音楽仲間と言えるこの2人が組んだユニット
そして発表されたのが、同名アルバム
The Clarke / Duke Project
この2人だけに、音楽ファン、特にジャズ・フュージョン・ファンからは大注目
そして、何と・・・
このアルバムから、シングルとして、Sweet Babyがチャートを急上昇
さらに幅広いファン層を得ることに繋がるのでした。・・・
レコーディングは、カルフォルニア州、バークレー Fantasy Studios
ハリウッド Le Gonks West、Westlake Studios、A&M Studiosにて・・・
George Dukeヴォーカル、キーボード🎹、パーカッション🥁他・・・
Stanley Clarkeヴォーカル、ベース、ギター、シタール、チェロ他・・・
John Frederick Robinsonドラムス
ストリングス🎻は・・・
Frederick Seykora、Israel Baker、Endre Granat、Paula Hochhalter、Barbara Thomason、Marcia Van Dyke、Bonnie Douglas、Selene Hurford、Denyse Buffum、Sheldon Sanov、Kenneth Yerke、Rollice Dale、Dorothy Wade、Nils Oliver、Assa Drori、Art Royval
コンダクターは、George Del Barrio、コンサートマスターは、Charles Veal Jr.
その他楽曲ごとにゲスト・ミュージシャンが参加しています。
エンジニアリングは、Brent Averill、Tommy Vicari、Dave Concors、Jim Cassell、Erik Zobler
ミキシング・アシスタントは、Wally Buck
マスタリングは、George Horn
アルバム・コーディネーターは、Kathe Hoffman
プロデュースは、George Duke、Stanley Clarkeです。
A面1曲目、スラップ・ベースが弾かれ、ファンキーなサウンドへ・・・
Wild Dogでスタート、George Duke、Stanley Clarkeの作品
シンセサイザー中心にメロディも奏でられるインストゥルメンタル・ナンバー
セカンド・ヴァースでは、ベースがメインに・・・ノリのいいサウンドから・・・
流れるような美しいピアノ🎹も・・・最後はドラムスで締められます。
2曲目、前曲から続くように歪んだベース音が響き、歌へ・・・
Louie Louie、Richard Berryの作品、最初に発表されたのは1955年
その後多くのアーティストにカバーされているスタンダード・ナンバー
(Bruce Springsteenもライヴでは歌っています。・・・)
力強いリズムに合わせて、George Duke、Stanley Clarke、交互に歌います。
途中、速弾きのベース・ソロ、後半には、ピアノ🎹とかけ合うようにトークも・・・
重厚なノリで、フェイドアウト・・・第2弾シングルとしてリリースされました。・・・
3曲目、ピアノ🎹とシンセサイザーによる美しいイントロから・・・
Sweet Baby、George Duke、Stanley Clarkeの作品
リード・ヴォーカルは、George Dukeが中心に歌う極上のバラード
少しテンポが上がるサビの部分など、当時のAORの典型と言えるでしょう。
ストリングス・アレンジメントは、George Duke、サックス🎷は、Norman Gary Foster、少し入るシンセサイザー・ソロも印象的です。
前述の通り、シングルとしてリリース、全米 No.19、全米R&Bチャート No.6
1981年の全米年間シングル・チャート No.78・・・
ジャズ・フュージョン界から登場した時代を代表するヒット曲です。
4曲目、一転してノリよく、アップ・テンポに・・・
I Just Want To Love You、Stanley Clarkeの作品
ノリよく、リード・ヴォーカルは、George Duke、Stanley Clarkeで交互に・・・
ここでは、ギター・ソロ、Stanleyはファンキーなベースでバックアップも・・・
ストリングス・アレンジメントは、Stanley Clarke、Sweet~に次ぐ人気曲です。
5曲目、再びスローに・・・シンセサイザー音にベースが響いて・・・
Never Judge A Cover By Its Book、Stanley Clarkeの作品
叙情的なキーボード音🎹をバックに、重いベースが奏でられる・・・
短いながら、ドラマチックなインストゥルメンタル・ナンバーです。・・・
B面1曲目、シンセサイザーが響いて・・・ノリのいいかけ声も響いて・・・
Let's Get Started、George Duke、Stanley Clarkeの作品
リード・ヴォーカルも George Duke、Stanley Clarkeで交互に・・・
そしてStanleyの速弾きのソロ、Georgeのラップ調のトーク・・・
子供の声()のコーラスも入り、盛り上がって、フェイドアウトしていきます。
2曲目、ドラムスに導かれ、ベースがランニング・・・
Winners、Stanley Clarkeの作品、タイトル通り躍動感のあるナンバー
リード・ヴォーカルは、George Duke、Stanley Clarkeが交互に・・・
ギター音も効果的に挿入、やはりベースがフィーチャー
ベース・シンセサイザーは、George Duke、Michael Boddicker
ハイトーンのコーラスも入り、リフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
3曲目、一転して美しいピアノ🎹にシンセサイザーが絡んで・・・
Touch And Go、George Duke、Stanley Clarke作曲
Earth, Wind &Fireの作品でお馴染みのAlle Willis作詞
リード・ヴォーカルは、George Duke中心のバラード・ナンバー
パワフルな面も、ピッコロ・トランペット🎺は、Jerry Hey
ストリングス・アレンジメントは、George Duke、Stanley Clarke
"Hold On~"とコーラスが響いて、エンディングとなります。
4曲目、アップ・テンポにピアノ🎹も鳴らされ、ロック色の強いイントロから・・・
Finding My Way、George Dukeの作品
リード・ヴォーカルは、George Duke中心ですが、交互に・・・
ギター音も入り、TOTOを思わせるとことも・・・静まったところで・・・
Stanleyのベース・ソロ、そしてGeorgeのシンセサイザー・プレイ・・・
再び盛り上がって、"Finding My Way~"、パワフルにエンディングです。
全米アルバム・チャート最高位 No.33、全米R&Bアルバム・チャート No.7
元々、全米アルバム・チャートでは、アルバムが、高ランクだった
Stanley Clarkeですが・・・
この時は、Sweet Babyの大ヒットも功を奏したと言えるでしょう。・・・
尚、1982年の第24回グラミー賞で、本アルバムは・・・
Best R&B Performance By A Duo Or Groupにノミネートされましたが・・・
受賞はなりませんでした。・・・
さてこの1981年7月、田園コロシアムで行われた Live Under The Sky '81
3日目に、The Clarke / Duke Projectとして登場
まさにグッド・タイミングな来日公演となりました。
自分は、この時は5日めの Herbie HancockとCarlos Santanaの日に行って・・・こちらは行かなかったのですが・・・
後日、テレビ放映されたので、それを見て・・・特にSchool Daysでの盛り上がり
これは、凄い、こちらに行けばよかった・・・と後悔したのでした。・・・
尚、このThe Clarke / Duke Project
1983年には、The Clarke / Duke Project II、1990年には、3をリリース
但し、本作のようなビッグ・ヒットとはなりませんでした。
その後、2人のユニットは不定期に続き・・・何とBlue Note Tokyoでも来日公演
Stanley Clarke公演には行っていたのですが、Clarke Duke~の方は行く機会に恵まれず、いつか行きたいとは思っていたのですが・・・
2013年8月、George Dukeさんが・・・
悔やんでも悔やみきれない、叶わぬ夢となってしまいました。
売れ線のロックとAORが、台頭してきた’80年代・・・
そんな中でも、実力のある人は、それに合わせた高度な作品を生み出せる
それを立証した1つが、このThe Clarke / Duke Project
そのように思っています。
(参考までに・・・)