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1981年のアルバム(その37 The Innocent Age/Dan Fogelberg)
1981年にリリースされたアルバムで、最高傑作は
・・・
そう問われて、1番に挙げたいのは・・・
Dan Fogelberg
The Innocent Age
1980年年末に、チャートに登場した・・・
Same Old Lang Syne
この歌を聴くと時期的にも John Lennonのショックを思い出してしまいますが・・・
その名の通り、Auld Lang Syne(蛍の光
)も登場するこのナンバーや・・・
映画Urban Cowboyのサウンド・トラック盤
にひと足早く使われた・・・
Time Like Theseも含まれた2枚組の大作です。
このアルバムと同時にリリースされたシングルは・・・
Hard To Say
優しさに溢れたミディアム・テンポのバラード
心地よいサウンドをバックに大ヒット確実といったナンバー
当時、ラジオ関東(日本)の「全米TOP40」で、湯川れい子先生が、大絶賛
そのお言葉に触発されて(笑)、自分自身、このThe Innocent Age
2枚組でしたが、日本盤で購入
1番最初は、姿勢を正した気分で聴きました。(笑)
レコーディングは・・・ボールダー Northstar Studios、ネダーランド Caribou Ranch
、ハリウッド Rudy Records
、ハリウッド Wally Heider's Studio 3
、ロスアンゼルス Sunset Sound
、サウサリート Record Plant
にて・・・
Dan Fogelbergリード・アンド・バッキング・ヴォーカル
、アコースティック・アンド・エレクトリック・ギター
、スティール・ギター、ベース、シタール、エレクトリック・アンド・アコースティック・ピアノ🎹、シンセサイザー、ダルシマー、タンブリン、カウベル他・・・今回もマルチ・プレイヤーぶり
その他主な参加ミュージシャンは・・・
ドラムス・・・Russ Kunkel
、オルガン🎹・・・Mike Finnigan
ベース・・・ Kenny Passarelli、Norbert Putham
その他曲ごとに豪華ゲスト・ミュージシャンが参加しています。
オーケストラ・アレンジメントは、Dan Fogelberg、Glen Spreen
エンジニアリングは、Marty Lewis
ミキシングは、Sunset Soundにて、Marty Lewis
マスタリングは、Columbia Recording Studios、Sterling Sound
にて・・・
プロデュースは、Dan Fogelberg、Marty Lewis
です。
アルバム・ジャケット、デザイン、アート・ディレクションは、Kosh
写真撮影は、Andy Katz、Dan Fogelberg
ライナーノーツは、David Awells、テキストは、Thomas Wolfe
全曲、Dan Fogelbergの作品です。
レコード1枚目A面、美しく力強いアコースティック・ギターが響き、そこから・・・
1曲目は、Nexusでスタート
、オープニングに相応しく軽快に歌うDan
コーラスとして、Heart Of Darkness Chorate
が参加
Don AlDon が、コンガ、パーカッション、アフリカン・ドラムス、カウベルを担当
楽曲を盛り上げ、後半、聴こえてくる "Wealthy The Spirit~"この歌声
そう、Joni Mitchell、ギター
も効果的に入り、1曲目から大作
邦題は「光年の果てに」、意訳ですが(笑)まさにそんなイメージです。
2曲目、アコースティック・ギターのカッティングで、フォーク・ロック調・・・
The Innocent Age、アルバム・タイトル曲、ミディアム・テンポで優しい歌声
そして、Danとかけ合うようにハーモニー・ヴォーカルは、Richie Furay
ピアノ🎹、他も効果的に入り、タイトル通り、純粋な気分になれるナンバーです。
3曲目、美しいアコースティック・ギターのピッキングで、Danが優しく歌う・・・
The Sand And The Foam、邦題は「幻の旅路」
チェロは、Jesse Ehrich、ハープは、Gayle Levant
ストリングスも入り、アコースティック・ギターと美しい世界を生み出しています。
4曲目、ピアノ🎹が力強く鳴らされ、快活に歌い始めるDan
In The Passage、徐々に楽器が加わり、盛り上がっていき・・・
後半は、エレクトリック・ギターもフィーチャーされ・・・
時に叙情的なDanをよりパワフルにバックアップ
盛り上がった後は、静かにピアノ🎹がフィーチャー、余韻を残すムードに・・・
A面を聴き終えて、その重量感を感じました。
レコード1枚目B面1曲目、エレクトリック・ギターサウンドのロック・ナンバー
Lost In The Sun、Dan
は力強く歌い、途中静かになるところも
このようなロック・ナンバーもコーラス・ハーモニーはキマっています。
2曲目、ピアノ🎹と、Al Perkinsが奏でるペダル・スティール・ギター
から・・・
Run For The Roses、心地よいムードの中、優しく暖かいDan
の歌声
ペダル・スティール~も勿論、多重コーラス
もキマっていて・・・
さらに最後の方は、Jimmie Faddenのハーモニカが加わり、締められます。
アルバムから第4弾シングルで、全米No.18
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.3
、カナダ No.33
、カナダAC No.1
、カナダ・カントリー・チャート No.16
・・・ 邦題は「バラに向かって走れ」
名馬の一生を歌ったナンバ―です。
3曲目、美しいアコースティック・ギターのピッキングから、優しく歌うDan
Leader Of The Band、ストーリーを語るように美しい多重コーラス
も・・・
途中から入るブラス・クインテット、アレンジは、Glen Spreen
アルバムから第3弾シングルで、全米No.9
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.1
、1982年の全米年間シングル・チャート No.35
、カナダ No.18
、カナダAC No.1
、オーストラリア No.79
・・・
邦題は「バンド・リーダーの贈りもの」、最後はブラス・クインテットで締められ・・・
Washington Post March(John Philip Sousa
の作品、ここでは、Lawrence Fogelberg
アレンジのThe UCLA Band
版)がインタールードとして流れ・・・
4曲目、ピアノ🎹が美しく奏でられ、ストリングスが入り、Danが歌う・・・
Same Old Lang Syne、ピアノ🎹に合わせてやや早口のタッチで・・・
冬の光景が歌われます。邦題は、「懐しき恋人の歌」
前述の通り、アルバムから先行シングルで、全米No.9
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.8
、1981年の全米年間シングル・チャート No.79
、その他、アイルランド No.25
、ニュージーランド No.23
・・・
そして、最後、Michael Breckerのソプラノ・サックス🎷による Auld Lang Syne
(「蛍の光」)で締められ、まさに1980年の最後を示したナンバーでしょう。・・・
レコード2枚目A面(C面)1曲目、軽快にギターが鳴らされ、アップ・テンポで・・・
Stolen Moment、ノリよくパワフルに歌う Dan
、ここでは、1人Eagles
(笑)
共同プロデューサーのMarty Lewisはタンバリンで参加しています。
2曲目、軽快にピアノ🎹が響いて、ベースが入り、Danが歌う・・・
The Lion's Share、ここでDan
をバックアップするハーモニー・ヴォーカル
そう、Don Henley、ストリングスも効果的に・・・ギター
とかけ合うように・・・
Michael Breckerのテナー・サックス🎷、最後はフェイドアウトしていきます。
3曲目、静かなアコースティック・ギターのピッキングにエレクトリック・ピアノ🎹
Only The Heart May Know、やはり優しく歌うDan
、そこへ加わる歌声は・・・
Emmylou Harris、美しい歌声で息のあったデュエット
を聴かせ・・・
Al Perkinsによるペダル・スティール・ギター
が何とも心地よく響きます。
邦題は「流れ星のバラッド」です。
4曲目、アコースティック・ギターのストロークに、ストリングス、さらにギター
The Reach、Dan
が熱唱
、ハーモニー・ヴォーカルは、Mike Brewer
ピアノ🎹は、Mike Utley、効果的に入るフレンチ・ホルンは、David Duke
ピッコロ・フルート、トランペット🎺は、Jerry Hey、邦題は「妖精の港」
後半はインストゥルメンタル・パートのリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
レコード2枚目B面(D面)1曲目、美しく物悲しいインストゥルメンタル・ナンバー・・・
Aireshire Lament、ハープは、Gayle Levant
、バイオリン🎻は、Sid Sharp
邦題は「魂の嘆き」、続いて勢いよくスタートする2曲目は・・・
Time Like These、そう前述の映画Urban Cowboy
にサントラ
でお馴染み
アップ・テンポのポップなロック・ナンバー、終始登場するギターが印象的
パーカッションは、Motor City Marty、邦題は「時の流れを超えて」
です。
3曲目、心地よいリズムで、ギターも響き、Dan
が歌い始める・・・
Hard To Say、ここでのハーモニー・ヴォーカル
は、Glenn Frey
それだけにEaglesを思わせるところも・・・テナー・サックス🎷は、Tom Scott
エレクトリック・ピアノ🎹は、Mike Utley
アルバムから第2弾シングルで、全米No.7
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.2
、全米メイン・ストリーム・ロック No.14
、カナダ No.16
、カナダ AC No.1
・・・邦題は「風に呼ばれた恋」
、本作
から最大のヒット曲です。
4曲目、エレクトリック・ギターがメロディアスなフレーズを刻み、軽快なリズム
Empty Cages、このナンバーのみ、Michael Utley
、Norbert Putnam
、Russ Kunkel
との共作
、コンガ、ティンブレスは、Joe Lala
、ピアノ🎹は、Mike Utley
、そして、ハーモニー・ヴォーカル
は、なんと Chris Hillman
Danをバックアップ
、軽快でメロディアスだけにヒット性もあるナンバー
後半はギターがフィーチャー、邦題は「虚な翼」
です。
5曲目、ピアノ🎹がフレーズをリフレイン、Danが語るように歌い始める・・・
Ghosts、ややミステリアスな中で転調して盛り上がるナンバー
フィーチャーリング、Sid's Raidersとクレジット・・・
ギター・ソロもフィーチャーされ、最後はピアノ🎹中心にエンディング・・・
この2枚組大作は、ドラマチックに幕を閉じました。・・・
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.6
もっと上位に・・・と思ったのですが、2枚組
ということも影響したでしょうか。・・・
全米でダブル・プラチナ・ディスク獲得
1982年の全米年間アルバム・チャート No.19
オーストラリア No.38、カナダ No.30
、ゴールド・ディスク
獲得
前作同様、Dan Fogelberg
の代表作
と言えるでしょう。
今回も、マルチ・プレイヤーぶりを発揮している Dan Fogelbergですが・・・
何といっても、1曲ごとにゲスト・ミュージシャンが豪華なこと
これは、彼自身が如何にミュージシャンズ・ミュージシャンとして高い評価を受けているか
、それを示していると思います。
尚、前述の湯川れい子先生が、音楽誌で1981年の年の名盤を何枚か選出する際、「私以外、誰もThe Innocent Age
を挙げていなくて、ショックだった
」と言っておられたことがありましたが・・・それには全く自分も同感です。
このように記してはお叱りを受けるかもしれませんが・・・
Dan Fogelbergは、本作
で、「出せるものを出しきってしまった
」・・・
そのように言えなくもないように思います。
それゆえ、'80年代後半には、やや違う方向へ向かわれたように思っています。
とはいえ、Dan Fogelbergのライヴ・パフォーマンス
1度は見たかったのに・・・
まさかあんなに早く旅立ってしまうとは・・・
兎に角、1981年のこのThe Innocent Age
これは彼が打ち立てた永遠の金字塔である
それは、間違いないでしょう。