![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200428/11/take-1097-da/36/ca/j/o1125113614750235917.jpg?caw=800)
1980年のアルバム(その65 One-Trick Pony / Paul Simon)
1980年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位 No.12ということで・・・
Paul Simon
アルバムは・・・
One-Trick Pony
彼の同名主演映画のサウンド・トラック盤
でもあります。
1977年、待望の新曲Slip Slidin' Awayがリリースされ・・・
待望のニュー・アルバムも
・・・
そう思ったところで、リリースされたのが・・・
Greatest Hits, Etc.
これは、肩透かしを食らった感じに・・・(苦笑)
さらに同じくらいの時期に、映画Annie Hallに出演
Woody Allenと親しいということでの出演だったのでしょうが・・・
あまりいい役でなく・・・そんなこともあって、Paul Simonに対し・・・
良いイメージを抱かなくなっていました。(苦笑)
・・・でも、それで演技づいたのか、何と、今度は自らの主演映画を製作
そして新作が出ない時期に、Simon & Garfunkel
時代からずっと契約していたColumbia
を離れ、Warner Bros.
と契約
この映画製作のことも絡んでの移籍と思われます。
そして、One-Trick Ponyのこのサウンド・トラック盤
は移籍第1弾
シングルとして、Late In The Eveningが一足先に登場
こちらはS&Gの Cecilia
を思わせるリズミカルなナンバー
Paul Simon、久々の新曲ということで、オンエアーの数も多く・・・
日本では「追憶の夜」という邦題でリリースされました。
尚、"One-Trick Pony"とは、1つの分野だけでは特別の能力を発揮できることを・・・
「1つの芸しかできないポニー」に例えたアメリカ的表現
Paul Simon、ミュージシャンとしての自分自身のことを喩えています。
レコーディングは、1979年~1980年、ニュー・ヨーク、A&R Studiosにて・・・
ライヴ・レコーディングの方は、1979年9月
オハイオ州、クリーブランド The Agora Clubにて収録
Paul Simonヴォーカル
、ナイロン弦ギター、エレクトリック・ギター
、パーカッション他
Eric Galeエレクトリック・ギター
他
Richard Teeフェンダー・ローズ🎹、タンブリン、バックグラウンド・ヴォーカル
Tony Levinベース、Steve Gadd
ドラムス
、パーカッション他
以上、5人は、映画にも出演しています。・・・
それ以外の参加ミュージシャンは・・・
Ralph MacDonaldパーカッション、Hugh McCracken
アコースティック・ギター
Patti Austinヴォーカル
、Lani Groves
バックグラウンド・ヴォーカル
その他、曲ごとに豪華ゲストも参加しています。
ホーン&ストリングス・アレンジメントは、Dave Grusin、Bob Friedman
、そして、Paul Simon
レコーディング・エンジニアリングは、Jim Boyer
ミキシングは、A&R Studios、The Hit Factory
においてJim Boyer
アシスタント・エンジニアリングは、Brad Leigh、David Crowher
、Dave Martone
、David Stanley
、Peter Lewis
マスタリングは、Stering Soundにて、Ted Jensen
プロデュースは、Pail Simon、Phil Ramone
です。
アルバム・ジャケット、デザインは、Lubalin Peckolick Associates
写真撮影は、Louis Goldman
全曲、Paul Simonの作品です。
A面1曲目、ドラムス、パーカッション、ベース、コーラス、そして Paul Simon
Late In The Eveningでスタート
、「追憶の夜」
自然と体も動き出す重厚なリズムで、ノリよく歌われ・・・ギターも力強く
そして、間奏部に入るホーン、まさにカーニバルといった雰囲気です。
前述の通り先行シングルで、全米No.6、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.7
、カナダ No.19
、カナダAC No.2
、オーストラリア No.34
、オランダ No.11
、ベルギー No.15
、そして全英 No.58
・・・世界中で大ヒット
映画はさておいても、Paul Simon
、'80年代幕明けを飾るヒット曲です。
尚、あのSimon & Garfunkelの1982年5月の来日公演
では、本編とアンコールにプレイされました。
2曲目、アコースティック・ジャズ風にギターが刻まれ・・・
That's Why God Made The Movies、歌は、Paul
ならでは
エレクトリック・ピアノ🎹が心地よく、そこで Hiam Bullockがスライド・ギター
シンセサイザーでは、Don Grolnickも参加
邦題は直訳で「神はいかにして映画を創りたもうたか」
その通り、この映画の導入部と言えるナンバーです。
3曲目、前述のライヴ録音、ドラムスとベース、フェンダー・ローズ🎹・・・
One-Trick Pony、タイトル曲
、ビートに合わせて語るように歌うPaul
途中、Eric Galeのギター
がフィーチャーされ、歌とのかけ合いも
ここでは、Paulもギターを弾いています。
ここから第2弾シングルで、全米No.40、印象的なヒット曲です。
4曲目、いきなりPaulの歌から、バックは静かに・・・
How The Heart Approaches What It Yearns、邦題は「想いこがれて」
ストリングスも効果的に加わり、Eric Gale、Paul
ともにナイロン弦ギター
静かにじっくり聴かせます。
5曲目、ドラムスから、リズミカルに刻まれるギター、Paulの歌へ・・・
Oh, Marion、ここでは、Jeff Mironov
によるギターのカッティング
ベースは、Anthony Jackson、メロディアスなナンバー
そして途中から登場するフリューゲルホルンは、Jon Faddis
最後は、Paulの歌
、そしてフリューゲルホルンでフェイドアウトしていきます。
尚、第3弾シングルとして、リリースされていました。・・・
B面1曲目、再びライヴ録音、ドラムスに合わせて、ファンキーなイントロ
Ace In The Hole、Paul
の歌もファンキーなノリ
そうしたら、もう1人、別の男性の歌声、これが、Richard Tee
ここではソウルフルな歌を聴かせます。
ギターをブリッジに、一転、メロディアスなコーラスも・・・
再びファンキーなサウンドに戻り、鳴り物入も入り、大盛り上がり
ギター、ドラムス
もフィーチャーされ、最もノッテいるナンバーです。
2曲目、一転して、アコースティック・ギターが静かに響き・・・
Nobody、ここでは優しくリラックスしたムードで歌う Paul
エレクトリック・ギター、エレクトリック・ピアノ🎹、そして女性コーラス
が・・・
Paulの優しい歌をバックアップしています。・・・
3曲目、アコースティック・ギターがメローに爪弾かれ、語るように歌う Paul
Jonah、このアコースティック・ギターは、John Tropea
フェンダー・ローズ🎹と、ストリングスが、ドラマチックに盛り上げます。
尚、Jonahとは、劇中のPaul
の役名、第三者的に歌っています。・・・
4曲目、軽快に力強くピアノ🎹が響き・・・
God Bless The Absentee、邦題は「神の恵みを」
Paulが力強く歌い、ここで盛り上げるストリングス、ホーンのアレンジは・・・
Dave Grusin、よりドラマチックに、そしてEric Gale
のギター
も響きます。
5曲目、心地よいギターとフェンダー・ローズ🎹、優しく歌うPaul
Long, Long Day、そのエレクトリック・ギターは、Joe Beck
邦題は「一日の終りに」、途中から入る女性の歌声
、そう、Patti Austin
後半は、Paulとのかけ合いからデュエット
ここでのホーンとストリングスは、Bob Friedman
最後は、Paulの歌も、落ち着いたムードで、静かに幕を閉じます。・・・
CDの時代になり、2004年のデジタル・リマスター盤
には・・・
Soft Parachutes、All Because Of You
、Spiral Highway
、Stranded In A Limousine
、以上4曲がボーナス・トラック
として収録
Stranded~に関しては、超豪華メンバーでの再レコーディングとなっています。
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.12、全米でゴールド・ディスク
獲得
・・・Paul Simon
ということでは、今1つの気がしますが、それでも・・・
オーストラリア No.15、カナダ No.23
、ニュージーランド No.6
、西ドイツ No.8
、フランス No.11
、スペイン No.15
、ノルウェー No.2
、スウェーデン No.9
、そして、全英 No.17
・・・世界各国でビッグ・セールスとなっています。
そして日本、オリコン・アルバム・チャート No.35
さすがに、Simon & Garfunkel時代からの根強い人気を示しています。
映画の方ですが、Paul Simon自身が書いたまさに「たった一つの特技」であるミュージシャン Jonah Levin
が主人公の、いわば地でいくストーリー
監督は、Robert M. Young、共演は、Blair Brown、Rip Torn、Joan Jackett・・・
そして、何と Lou Reedがプロデューサー役で登場
さらに前述のバンド・メンバーだけでなく、The B-52's等も登場
この時代を表しています。
ただ映画作品として、成功したとは言えないでしょう。・・・
因みに自分は、劇場では1度も見たことがありません。
一方、本アルバムの方ですが、さすがPaul Simon
そう言えるような完成度の高い楽曲が揃っていて・・・
彼の他の名盤とくらべても決して引けを取らない内容です。
映画が今1つだったことで、アルバム
も過少評価になっているのなら・・・
残念なことと思っています。・・・
さてアルバムはともかくとして、映画 One-Trick Pony
の方は・・・
成功したとは言えないでしょう。・・・
でもそれだから、Paul Simonが、あの1981年9月の歴史的な出来事
それを実現させる気になるに至った・・・
全く無関係ではないと思っています。