1980年のアルバム(その53 Fun And Games / Chuck Mangione)
1980年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位 No.8
次に登場するのは・・・
Chuck Mangione
元々、ジャズ・フュージョン界では、大御所ですが・・・
何といっても1978年の Feels So Good
スタンダード化したこの世界的ヒットによって、その名をさらに広めました。
但しその後、映画のサウンド・トラックである Children Of Sanchezでも高い評価を得たものの、ヒット曲という点では、Feels So Goodは特例と思われていました。
それが・・・
1980年初め、Chuck Mangioneの楽曲が再びチャートに登場、タイトルは・・・
Give It All You Got
Rockyのテーマにも共通するような元気をもらえるナンバー
それもその筈、この1980年のLake Placidでの冬季オリンピックのテーマ曲に
そしてオリンピック開会式には、Chuck Mangione自ら演奏したのでした。
アルバムの方は・・・
Fun And Games
こちらも、Feels So Good以来の勢いでチャートを急上昇してきました。
尚、Give It All You Gotは、「栄光をめざして」の邦題に
日本でも時節的に、多くオンエアーされ始めました。
レコーディング、ミキシングは、Westlake Audioにて・・・
メンバーは・・・
Chuck Mangioneフリューゲルホーン、エレクトリック・ピアノ、ヴォーカル
Grant Geissmanエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、12弦ギター
James Bradley, Jr.ドラムス、ティンブレス、コンガ、カウベル、トライアングル
Charles Meeksベース、ハーモニカ
Bill Reichenbach Jr.トロンボーン
Chris Vadaraフルート、ソプラノ・サックス、テナー・サックス、ピッコロ、アルト・フルート、バス・フルート
エンジニアリングは、Mick Guzauski
アシスタント・エンジニアリングは、Ed Cherney、Larry Swift
トランペット、アシスタント・プロデュースは、Jeff Tyzik
プロデュース、アレンジは、Chuck Mangioneです。
アルバム・ジャケット
アート・ディレクション、デザインは、Junie Osaki
写真撮影は、Benno Friedman
全曲、Chuck Mangioneの作品です。
A面1曲目、エレクトリック・ピアノ🎹の音、ギターのカッティング、そして・・・
Give It All You Gotでスタート、Chuck Mangioneのフリューゲル
前述の通り、「栄光をめざして~1980 ウィンター・オリンピックのテーマ」
力強さも感じる中、哀愁の漂うメロディも・・・まさにスポーツの熱い魂を表現
続いて、サックス🎷、そしてフリューゲルホーンとのユニゾン・・・
ソロが交互に、後半は硬質なギターもフィーチャー
6分の感動の物語です。
シングル・ヴァージョン(こちらは、約4分)は、全米 No.18、全米R&Bチャート No.32、そして全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.1
こちらは3週連続、Feels So Good以来の大ヒットとなりました。
尚、1976年のモントリオール五輪のために書かれた曲が、基になっているそうです。
2曲目、ギターのカッティングから、Chuckのフリューゲルが優しく響く・・・
You're The Best There Is、ミディアム・テンポの心地よいナンバー
途中、Chuckと交代に、アコースティック・ジャズといえるギターがフィーチャー
またエレクトリック・ピアノ🎹も優しい音色を聴かせ、そして後半・・・
フリューゲルホーンにサックスが加わり、二重奏最後は交互に・・・
そしてフェイドアウトしていきます。邦題は短縮で「ユー・アー・ザ・ベスト」です。
3曲目、いきなり早口で口ずさむChuck、ハイハットが刻まれ・・・
Pina Colada、他のメンバーのかけ声も加勢・・・そして Chuck
最初は、単独で少しアヴァンギャルドなプレイで吹き、徐々にバックが加わり・・・
そしてサックス🎷がフィーチャー、フリューゲルホも再度加わり・・・
競演・・・盛り上がったところで、フィナーレ・・・と思いきや・・・
一転、ピアノ🎹に合わせて、スローでポップなメロディに・・・
今度はテンポが速くなり、色々なホーンが登場
そして、ギター、ここではハードなロック・サウンドといったソロ
最後はアップ・テンポにホーンで締められます。
B面1曲目、ピアノ🎹が静かに美しく響いて、そこに軽い感じでピッコロ・・・
ハーモニカも入ってきて、そしてアコースティックなギター・・・
I Never Missed Someone Before、邦題は「つのる想い」
リラックスしたムードで、Chuckのフリューゲルが登場します。
続いてピアノ🎹、アコースティック・ギター・ソロを挟んで再びChuck
そしてサックス🎷も・・・後半は、ハーモニカとサックス🎷の競演
静かでスローながら、熱いプレイが聴かれます。
2曲目、エレクトリック・ピアノ🎹から、静かにギターも・・・曲は・・・
Give It All You Got, But Slowly、その通り、フルートがフィーチャーされた・・・
1曲目のスロー・ヴァージョン、アコースティック・ギターにバックアップされ・・・
叙情的な楽曲となっています。邦題は「栄光をめざして パートII」
こちらは、その後、全米で多くのT.V.番組で使われることになります。・・・
3曲目、ドラムスと軽快なスラップ・ベースが響いて・・・
Fun And Games、タイトル曲、軽快なノリで、Chuckが入ってきます。
ギターのカッティングをバックに、ポップで明るいメロディ
途中、ノリのいいソロを聴かせるChuck、サックス🎷も続きます。
後半はアコースティック・ギターも、カントリー風に・・・
心地よいサビの部分のメロディのリフレインで、フェイドアウトしていきます。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.8
全米ジャズ・アルバム・チャート No.1
Give It All You Gotの影響で、レギュラー・チャートでは、Feels So Good以来
2枚目のTOP10入りアルバムとなりました。
Chuck Mangioneのフリューゲルに、加わってくるChris Vadalaのサックス🎷
例えはよくないかもしれませんが、Miles Davis、John Coltraneのよう・・・
他のメンバーとともに、この鉄壁のスタイルが確立されている
そのように言えるでしょう。・・・
さて日本において・・・
Feels So Goodに続いて、Give It All You Got も、ポピュラーな存在に
オリンピックの後も、多方面に使われることになりました。・・・
また大ヒットこそしていないものの Children Of Sanchezも人気曲に
Chuck Mangioneは、ジャズ・フュージョンも勿論、AORとしても人気急上昇
そしてこの年、来日公演に合わせて、日本独自で初のベスト盤
Magicがリリースされるに至ったのでした。