![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200903/09/take-1097-da/1b/a5/j/o0500050014813836250.jpg?caw=800)
1979年のアルバム(その52 First Under The Wire / L.R.Band)
1979年のアルバム・シリーズ
オーストラリア出身、いつの間にか、全米ヒットチャートの常連になっていた・・・
Little River Band
1978年のReminiscingの大ヒット
これは大きかったと思いますし、ちょうど A.O.R.が台頭してきた頃でもあり・・・
Eaglesを思わせるコーラス・ハーモニーも彼らの強い売り物
また日本でも、大手レコード会社から出ていたこともあり、オンエアが多くなり・・・
人気も急上昇していました。
そんなLittle River Bandの新曲
が、1979年、夏に登場
Lonesome Loser
"Have You Heard About The Lonesome Loser~"
いきなりアカペラ・コーラスから、始まるキャッチーなナンバー
サビの部分もこのコーラスで、ノリがよく、これは大ヒット間違いない
そう思いました。
そしてこの楽曲を含むニュー・アルバムも登場
、タイトルは・・・
First Under The Wire
オーストラリアでは、トップ・バンド
世界的にも人気ロック・バンドとなった彼ららしいタイトルです。
・・・ということで、日本でも大手レコード会社から出ていたということもあって、割と早くリリースされたのですが、発表された邦題は・・・
「栄光のロング・ラン」
実は、この時点で、Eaglesの新作
のタイトルは、「ロング・ラン」
と発表されていました。
小型Eaglesといったイメージも持たれていた Little River Band
ですが・・・
これは、「吉とでるか、凶とでるか・・・」
そのようにも思いました。(苦笑)
Little River Bandのメンバーは・・・
Glenn Shorrockリード・ヴォーカル
David Briggsリード・ギター、ギター・シンセサイザー
Beeb Birtlesエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ヴォーカル
Graham Gobleエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ヴォーカル、ヴォーカル・アレンジメント
Derek Pellicciドラムス、ソナー、シンドラムス、パーカッション
以上、アルバム・ジャケットに写っている5人は、前作と同じですが・・・
ベースは、Clive Harrison、Mike Clarke
、この2人が、楽曲ごとにプレイ・・・
Peter Sullivanピアノ、Peter Jones
ピアノ、キーボード、オーケストレーション
その他のミュージシャンも楽曲ごとに参加しています。・・・
エンジニアリングは、Ern Rose
プロデュースは、今回もお馴染み John Boylan、Little River Band
です。
A面1曲目、いきなりコーラスから・・・
Lonesome Loser、邦題は、「ロンサム・ルーザー (孤独な負け犬)」
David Briggsの作品
このキャッチーなコーラス部分は繰り返し出てきて、ヒット曲の要素はバッチリ
ギター・ソロも短いながら、心地よくキマッています。
前述の通り、第1弾シングルとして、全米 No.6、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.15
、1979年の全米年間チャートでは、No.66
カナダ No.3、カナダAC No.10
、オーストラリア No.19
、ニュージーランド No.31
・・・ 日本では、大ヒットとはいかないものの、彼らの代表曲となりました。
2曲目、アコースティック・ギターのピッキングに、エレクトリック・ギター
The Rumour、邦題は、そのまま「噂」
、Glenn Shorrock
の作品
ピアノも入り、スローと思いきや、Glennの歌が入り、アップ・テンポに
そして、サビの部分では、コーラスが入り、メジャーな進行に
これが、Little River Band、ギターもフィチャー、シンセサイザーも効果的
アコースティック・ギターは、プロデューサーのJohn Boylanです。
3曲目、ミディアム・テンポで、ギターをフィーチャーしたイントロ・・・
By My Side、Beeb Birtles
、Graham Goble
の作品
リード・ヴォーカルは、Beeb Birtles、勿論、他のメンバーがコーラス
ヴィブラフォンでは、Barry Quinnが参加
ギターも効果的に挿入され、Reminiscingの流れのナンバーとも言えそうです。
4曲目、ピアノのイントロから、Glennが歌い始める・・・
Cool Change、邦題は「クールな変革」
、Glenn Shorrock
の作品
こちらもミディアム・テンポ、分厚いコーラス
が、Glenn
をバックアップ
そしてソロを聴かせる、サックスは、Bill Harrower、ストリングスも効果的です。
アルバムから第2弾シングル、全米No.10
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでは、No.8
、オランダ No.4
、ニュージーランド No.25
、本国オーストラリアでは、チャートインせず・・・一方、1980年の全米年間チャート No.56
、
米国での大ヒットと言えるでしょう。・・・
5曲目、イントロから、ロックン・ロール・ギター
It's Not A Wonder、Graham Goble
の作品
理屈抜きにストレートなロックン・ロール・ナンバー
・・・ということで、邦題も「愛にロックン・ロール」
ノリよく歌うGlenn、ギターは、ツイン・ギター
ギター・バトル、そして、リフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
B面1曲目、エレクトリック・ギターの音がフェイドイン・・・
Hard Life (Prelude)、David Briggs
の作品で、インストゥルメンタル・ナンバー
David Briggs中心で、ハードなギター・プレイが繰り広げられ・・・
静かになり、キーボードで、ピアノ、そこから2曲目は・・・
Hard Life、こちらは、Graham Goble
の作品
Glennがパワフルな歌を聴かせ、メンバーもコーラス
Davidを中心にギター
もハードに
"It's A Hard Life~"のリフレインは、耳に残ります。
アルバムの中でも聴きものの2曲
この後の、'80年代のロックに通じるものも感じます。
3曲目、アコースティック・ギターをバックにサックスのイントロ
Middle Man、Beeb Birtles
、Graham Goble
の作品
ここでのリード・ヴォーカルは、Beeb Birtles
Glenn Shorrockがサポート
、勿論、コーラス
はキマッていて・・・
サックスは、ここでも、Bill Harrower、いい所に登場して・・・
このアコースティック・ロック・バラードを盛り上げます。
ところで、翌年、Boz Scaggsが同名異曲をリリースしますが・・・
テーマは同じでも関連性はないでしょう。(笑)
4曲目、軽快なベースに、ギターが刻まれ・・・
Man On The Run、Beeb Birtles
、Graham Goble
の作品
リード・ヴォーカルは、Beeb Birtles、メンバーのコーラス
がバックアップ
メロディアスなロック・ナンバー、邦題は「お前はただの逃亡者」
です。
5曲目、David Briggsが奏でるエレクトリック・シタールによるイントロから・・・
Misteress Of Mine、Graham Goble
の作品
ややミステリアスなムードで、Glennが熱唱
基本的に静かな楽曲ですが、サビの部分はコーラスも含めてハードに・・・
最後は静かにフェイドアウトしていきます。・・・
邦題は「魔力の女 (レイディ)」、邦題の通り、日本人が好みそうな曲調ですが・・・
その通り、日本独自で、シングル発売されました。
CDの時代になり、1996年のリイシュー盤
からは、11曲目に・・・
The Everly Brothersのカバー、When Will I Be Loved?
(作者は、Phil Everly)が、ボーナス・トラック
として収録されています。・・・
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート 最高位 No.10
遂に全米TOP10入りを果たし、前作
に続いてプラチナ・ディスク
獲得
オーストラリア No.2、ニュージーランド No.19
こちらは、当然といったところかもしれません。・・・
さて日本においても、コンスタントに人気を獲得していった Little River Band
「栄光のロング・ラン」という邦題が、Eagles
のThe Long Run
との対比
あまり話題にはならなかったように思いますが、どうせなら・・・
「栄光のファースト・ランナー」か「栄光のトップ・ランナー」といった邦題の方がよかったのでは・・・と、自分は思っています。
1980年代初頭、多くのオーストラリア出身のミュージシャンが登場
全米チャートでも勿論、世界中で活躍しました。
そして、その先駆者となったのが・・・
Little River Band
そう言っても過言ではないでしょう。