1978年のアルバム(その69 SleeperCatcher/LittleRiverBand)
1978年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.15の次は、やはり全米最高位No.16
・・・ということで、登場するのは・・・
Little River Band
このシリーズ初登場
オーストラリアを代表するロック・バンドということで、前年1977年辺りから、全米でもブレイク
Help Is On Its Wayという曲がチャートを上昇
(全米No.14
、全豪No.1
)
日本でも「愛をもう一度」の邦題でリリース
大手レコード会社から出ていたということもあり、ラジオでもよくオンエア
そして、この年、日本のCREATIONとのジョイント・コンサートで初来日
また続いて、Happy Anniversaryもチャートに登場しました。
(全米No.16)
さて、そのようにネーム・バリューも出てきた Little River Band
次作が期待されるようになってきたわけですが・・・
そのような1978年にリリースされた4枚目のアルバム、それが・・・
Sleeper Catcher
そして全米では、本国では2枚目のシングル・カットに当たる Reminiscingという曲が、チャートを急上昇してきました。
前述の通り、日本でも前年あたりから人気の出てきた Little River Bandだけに・・・アルバム、シングルもすぐにリリース
邦題は「夢追人」
シングルの方は「追憶の甘い日々」
大げさな邦題ですが(笑)軽快なリズムで、ややメロウなソフト・ロック
大手レコード会社から出ていたということもあって、オンエアも多く・・・
人気曲となっていきました。
アルバムの方、レコーディングは、1977年・・・
メルボルンの Armstrong Studios Southにて・・・
メンバーは・・・
Glenn Shorrockリード・ヴォーカル
David Briggsリード・ギター、ギター・シンセサイザー
Beeb Birtlesエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ヴォーカル
Graham Gobleエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ヴォーカル、ヴォーカル・アレンジメント
George McArdleベース
Derek Pellicciドラムス、ソナー、シンドラムス、パーカッション
以上6人
それ以外の参加ミュージシャンは・・・
Vernon Hillフルート、Bob Venier
フリューゲルホーン、Pan Raines
ハープ
Peter Sullivanエレクトリック・ピアノ、アコースティック・ピアノ
Peter Jonesエレクトリック・ピアノ、Mal Logan
ハモンド・オルガン
Rick Formosaコンダクター、オーケストラ・アレンジメント
エンジニアリングは、Em Rose、Rose Cockle
アシスタント・リミキシング・エンジニアは、Jim Barton
プロデュースは、前作に続き、John Boylan
、Little River Band
プロデュースが、アメリカ人のJohn Boylanということからも、彼らがアメリカ
(特にウェスト・コースト)指向になっていることが、伺えます。
アルバム・ジャケット
カバー(デザイン)は、Jo Ford、Ray Wilkinson、アートワークは、Ian McCausland
写真撮影は、Derek Hughesとクレジットされています。・・・
本アルバム、本国オーストラリア盤
と、米国盤
では曲順が違っていました。・・・日本盤
は、オーストラリア盤
に準じています。・・・
A面・・・"Paradise~"と機械的なコーラスがフェイドインしてきて・・・
Fall From Paradiseでスタート
Beeb Birtles、Graham Goble
の作品
メインで歌うのは、Glennですが、メンバーが美しい・コーラス・ハーモニー
これはメンバーのGraham Gobleが仕切っていると思われます。
ギター・シンセサイザーも多用されたミディアム・テンポのナンバー
邦題は「堕天使」です。・・・
2曲目、アコースティック・ギターにピアノが加わり、Glennの歌・・・
Lady、Graham Goble
の作品
、こちらもミディアム・テンポのナンバー
"You're There When I Need You~"の部分が耳に残ります。
そしてこの曲もコーラス・ハーモニーがキマって、そこで歌うGlenn
の歌は、Eagles
のDon Henley
と共通したものも
・・・
サビの部分はメロディアス、ギター・ソロもフィーチャー
アメリカでは第2弾シングルとしてリリースされ、全米No.10
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでもNo.7のヒット
全豪では第3弾シングルで、No.46でした。・・・
3曲目、ギターのカッティングからシンプルに始まる・・・
Red-Headed Wild Flower、Beeb Birtles
、Ed Nimmervoll
の作品
シンプルで、ハードなロック・ナンバー、コーラス・ハーモニーはキマっています。
邦題は「赤毛のジャジャ馬」です。・・・
4曲目、アコースティック・ギターに、エレクトリック・ピアノ、静かに始まるのは・・・
Light Of Day、Beeb Birtles
の作品
CSN&Yを思わせるメンバーのコーラス・ハーモニー
が終始響き渡り・・・
ストリングスも効果的に、硬質のギター・ソロもフィーチャー
その後には、ベース・ソロも・・・そして、エレクトリック・ピアノをバックにフルートも・・・
邦題は「時の流れに」、8分を超える大作はフェイドアウトしていきます。・・・
B面、ハードなギターのイントロから、軽快に・・・
So Many Panths、Glenn Shorrock
、Idris Jones
の作品
Glennの歌を中心に爽やかなコーラス・ハーモニー
ウエスト・コースト・ロックを思わせ、ギター・ソロもノリのいいナンバー
邦題は「人生の小路」です。
2曲目、ベースを軸とした軽快なイントロで始まるのは、前述の・・・
Reminiscing、「追憶の甘い日々」
、Graham Goble
の作品
ストリングスをはじめ、色々な楽器が挿入され、まさにAORの典型
そしてここでも、Glennを支えるコーラス・ハーモニー
後半は、フリューゲルホーンも入ってきます。
アメリカでは、第1弾シングルとして、全米No.3
と最大のヒットに
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートではNo.10
但し全豪ではNo.35でした。・・・
3曲目、ピアノから始まる美しいバラード・・・
Sanity's Side、Glenn Shorrock
、Chris Dawes
の作品
Glennがじっくり聴かせ、徐々に盛り上がっていき、それを支えるのは・・・
やはりあのコーラス・ワークです。
4曲目、ギターのカッティングに、シンセサイザー音が加わり、軽快に歌が始まる・・・
Shut Down, Turn Off、Glenn Shorrock
の作品
軽快なフォーク・ロック、ギター・シンセサイザーが効果的です。
本国では第1弾シングル、全豪No.16のヒットに
邦題は「安らぎの時」です。・・・
5曲目、エフェクターを効かせたギターのイントロから・・・
One For The Road、Beeb Birtles
、Graham Goble
の作品
Grahamが力強く歌うミディアム・テンポのロックですが・・・
ここでもコーラス・ワークが決まり、ギター・シンセサイザーも効果的に・・・
フェイドアウト・・・アルバムはエンディングとなります。・・・
前述の通り、アメリカ盤では、曲の並びが違っていて・・・
Side A
1. Shut Down, Turn Off
2. Reminiscing
3. Red-Headed Wild Flower
4. Light Of Day
Side B
1. Fall From Paradise
2. Lady
3. Sanity's Side
4. So Many Panths
5. One For The Road
・・・となっています。
またCDの時代となり、1996年のリイシュー盤
には・・・
Take Me Home (Beeb Birtles
の作品
)
Changed And Different (Graham Goble
の作品
)
・・・が、ボーナス・トラックとして収録されています。・・・
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位No.16
プラチナ・ディスクを獲得
全豪アルバム・チャートでも No.4となりましたが・・・
ここから明らかにアメリカ指向の活動になっていきます。
ギター・シンセサイザーを駆使した斬新なサウンドもある一方で・・・
Graham Gobleを中心とした抜群のコーラス・ハーモニー
Little River Bandは、オーストラリアから飛び出し、ワールドワイドなバンドとして君臨することに・・・
その決定打となったのが、Reminiscing
そしてこの Sleeper Catcherと言えるでしょう。
さて全米ヒット・チャートにおいても常連となっていくLittle River Bandですが・・・
自分自身、1度もコンサートを見に行ったことがありません。
’80年代初頭までは日本に来ていたのですが・・・
機会を逸してしまっていました。・・・
そんな中でも、1977年のCREATIONとのジョイント公演
に行かなかったこと
(行けなかったこと・・・)
それはその後にリリースされたこのアルバムのヒットを思うたびに悔やまれるのでした。・・・