1979年のアルバム(その28 C‘est Chic)
1979年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.4のアルバムを続けていますが・・・
この最後に登場するのが・・・
Chic
Dance, Dance, Dance~のヒットによって、ディスコ・バンドの1つとも思われかねなかった彼らですが・・・
実のところは、凄腕ミュージシャンが3人(Nile Rodgers、Bernard Edwards、Tony Thompson)揃って、時代をリードするサウンド・クリエイターたち・・・わかっている人はわかっていました。
そんな’78年の後半、チャートを急上昇してきたのが・・・
Le Freak
"Ah! Freak Out!"のかけ声から始まるノリのいいナンバー
あっという間に、全米No.1
1978年から、1979年の橋渡しとなる歴史的な大ヒット曲です。
日本でも「おしゃれフリーク」の邦題でリリース
ディスコを中心にすぐにあらゆるところで聴かれるように・・・
この Le Freakをフィーチャーした Chic名義、2枚目のアルバムが・・・
C'est Chic
邦題は「エレガンス・シック」となっていました。
尚、このアルバム、実は、1978年のアルバム・シリーズの100枚目に予定していたのですが・・・
この年のアルバム、特にあと10枚というところで激戦となり・・・
1979年にかけて、Le Freakがヒットしていたこともあり、1979年に入れましたが・・・
全米アルバム・チャートの最高位に準じているので、No.4ということで、ようやく登場となったのです。(苦笑)
レコーディング、ミキシングは1978年
ニューヨーク・シティ、マンハッタン Power Stationにて
Chicとしては・・・
Nile Rodgersギター、ヴォーカル
Bernard Edwardsベース、リード・ヴォーカル
Tony Thompsonドラムス
この3人に・・・Norma Jean Wrightに代わって・・・
前作にも参加していた Alfa Andersonリード・ヴォーカル
そして、Luci Martinヴォーカル
この5人が、メンバーとしてジャケットに写っています。・・・
その他、ヴォーカルは、Diva Gray、David Lasley、Luther Vandross
Raymond Jonesフェンダー・ローズ、エレクトリック・ピアノ
Robert Sabinoクラヴィネット、アコースティック・ピアノ、エレクトリック・ピアノ
Andy Schwartzクラヴィネット、アコースティック・ピアノ、エレクトリック・ピアノ
Sammy Fiqueroaパーカッション
トランペットは、Jon Faddis、Ellen Seeling
サックスは、Alex Foster、Jean Fineberg
トロンボーンは、Barry Rogers、チューブラーベルは、Jose Rossy
ストリングスは、Cheryl Hong、Karen Milne、Marianne Carroll
コンサート・マスターは、Gene Orloff
エンジニアリングは、Bob Clearmountain、Burt Sizerlip
アシスタント・エンジニアリングは、Jeff Hendrickson、Positively Noway Ray (Willard?)
マスタリングは、ニュー・ヨーク、Atlantic Studiosにて、Dennis King
アソシエイト・プロデューサーは、Mark Kreiner、Tom Cossie
そして、プロデュース、アレンジ、作詞作曲、コンダクトは・・・
Bernard Edwards、Nile Rodgersです。
アルバム・ジャケットは、アート・ディレクション、Bob Defrin
写真撮影は、Joel Brodskyとクレジットされています。
尚、本作は、Sister Sledgeの We Are Familyとはほぼ同時期にレコーディングされたとのことです。
A面1曲目、観衆の拍手から、Nileが奏でるギター
Chic Cheerでスタート
印象的なギターのフレーズに合わせて、"Chic, Chic~"
女性ヴォーカルを中心に徐々にパワーアップ
邦題は「陽気な仲間」、その通り、参加メンバーで盛り上がっている感じです。
シングル・リリースもされていました。
尚、ライヴではメンバー紹介時とかにプレイされます。
2曲目、Freak Out!、そう、勿論・・・
Le Freak、「おしゃれフリーク」
Nileの軽快なカッティングに合わせて・・・
Alfa Anderson、Diva Grayがノリノリに歌います。
説明不要でしょう。・・・
全米No.1、全米R&Bチャート No.1、全米ダンス・チャート No.1
全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでも No.48
全英No.7、オーストラリア No.1、カナダ No.1、カナダAC No.1、西ドイツ No.5、アイルランド No.20、オランダ No.2、オーストリア No.6、ベルギー No.2、フランス No.2、イタリア No.2、ニュージーランド No.1、ノルウェー No.9、南アフリカ No.1、スウェーデン No.6、スイス No.2・・・
1979年の全米年間チャート No.3(Cash Boxでは、No.1)
またオール・タイム・チャート(1958年~2018年)では、No.24
全米で、400万枚突破
所属するAtlantic Record史上、最高記録を更新
また1987年には、リミックス・ヴァージョン Jack Le Freakがリリース
邦題は「おしゃれフリーク88」、全英No.19等を記録
2018年にもリミックス・ヴァージョンがリリース
永遠のクラシック・チューンと言えるでしょう。
3曲目、ストリングスをバックにギターのピッキング・・・
Savoir Faire、インストゥルメンタル・ナンバーで、邦題は「愛のかけひき」
メロディアスで心地よいサウンドの中、途中から Nileのギターがフィーチャー
硬質のギター・ソロを堪能させてくれます。
4曲目、ベースが効いたリズムにストリングス・・・
Happy Man、コーラスから、リード・ヴォーカルは、Bernard
盛り上がっていくナンバー
低音の味のあるソウルフルな歌を聴かせてくれます。
そして、ここでも Nileのギター・ソロが心地よく響きます。
最後はギターのカッティング中心にフェイドアウトしていきます。
B面1曲目、ドラムスから、チューブラーベルの音も響いて・・・
I Want Your Love、コーラスから、リード・ヴォーカルは、Alfa Anderson
ここでもパワフルにノリよく熱唱、邦題は「愛してほしい」
そして、ホーンのリフレイン、このアレンジ
さすが、Nile Rodgers、Bernard Edwardsです。
アルバムから第2弾シングルで、全米No.7、全米R&Bチャート No.5
全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.9、全米ダンス・チャート No.1
全英 No.4、カナダ No.10、カナダ・ディスコ No.3、オーストラリア No.81、ベルギー No.21、西ドイツ No.27、アイルランド No.20、オランダ No.14、ニュージーランド No.15・・・Le Freakの余波もあって世界中で大ヒット
1979年の全米年間チャートでは、No.62でした。・・・
尚、最初jは、Sister Sledgeに書いたとのこと
Jody Watley等もカバーしています。・・・
2曲目、少しスローに・・・リズムが刻まれ・・・
At Last I Am Free、やはりコーラスから始まるスローバラード
ここもリード・ヴォーカルは、Alfa Anderson、じっくり聴かせ・・・
Nileのギターが、ストリングスをバックに、優しく響き・・・
最後はピアノで締められます。・・・
邦題は「僕は自由」、近年のライヴでもよくプレイされます。
3曲目、一転して軽快なビートに・・・
Sometimes You Win、コーラスから始まり・・・
Bernardが歌い、そして応えるように Alfa Andersonが歌う・・・
デュエット・ナンバー、邦題は「愛の勝利」
そして、途中でホーンもフィーチャー
"Sometimes You Win, Sometimes You Lose~"
このリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
4曲目、ドラムスから・・・スラップ・ベースとギターのカッティング・・・
(Funny) Bone、インストゥルメンタル・ナンバー、邦題は「ファニー・ボーン」
軽快なギター、ベースをストリングスが効果的に盛り上げ・・・
そして終始、入る大勢の笑い声が臨場感を高めます。
楽しく盛り上がって、フェイドアウトしていきます。・・・
尚、当時、欧州では、Tres Chicのタイトルでリリース
ジャケットも異なり・・・
LPレコードA面の最後に、Dance, Dance, Dance (Yowsah, Yowsah, Yowsah)
B面の最期に、Everybody Dance
それぞれのシングル・ヴァージョンが収録されていました。・・・
前述の通り、全米最高位 No.4、全米R&Bチャート No.1、カナダ No.5
オーストラリア No.18 、全英 No.2、その他欧州諸国では・・・
西ドイツ No.10、オランダ No.9、ノルウェー No.20、スウェーデン No.16、オーストリア No.21・・・世界中で、ビッグ・セールス
全米では、プラチナ・ディスクに輝きました。
ディスコ・ミュージック全盛のこの1978年~1979年に最高にブレイクした Chic
但し、彼らの音楽は無機質なただのディスコ・サウンドとは違い
Nile Rodgers、Bernard Edwards等が奏でるインストゥルメンタルから生み出されています。
それだけに、多くの人に自然に受け入れられ、このような大ヒットに繋がったと言えるでしょう。・・・
I Want Your Loveのヒットに続いては・・・
早くも新曲 Good Timesがリリース、こちらもチャートを急上昇
そして、Chicとして3枚目になるアルバム Risqueも・・・
彼らが作っているとも言える Sister Sledgeの We Are Familyも挟んで・・・
誰もその勢いを止められない
そんな1979年の Chicでした。・・・