1978年のアルバム(その33 Shadow Dancing / Andy Gibb)
1978年、年間チャートNo.1といえば・・・
チャート・マニアなら誰でもすぐに出てくるように・・・
Shadow Dancing / Andy Gibb
Saturday Night Feverで、一世風靡のBee Gees
彼ら自身のヒット曲より、兄Barry Gibbを中心に彼らがバックアップしていた末弟のAndy
のこの曲が、全米シングル・チャート7週連続No.1
Bee Geesよりトータルでは上位となったのでした。
そして、前年の全世界でのデビュー曲 I Just Want To Be Your Everything(邦題「恋のときめき」
)、(Love Is) Thicker Than Water
(シングル時の邦題「愛の面影」
)に続いて3曲連続No.1
男性ソロ・アーティストとして、Elvis Presleyのできなかった快挙をやってのけたのでした。
そして登場したのが、同名タイトルのアルバム
Shadow Dancing
実は、デビュー・アルバム Flowing Riversも、1977年のアルバム・シリーズ
で考えていたのですが、最後の方で選に漏れてしまって・・・
・・・ですが、さらにスケールアップした本作は堂々登場です。
プロデュースは、やはり、Barry Gibb、Albhy Galuten
、Karl Richardson
そして、RSOレコードからリリース
完全にBee Geesの管理下といえるでしょう。・・・
レコーディングは、1977年12月~1978年2月・・・
カリフォルニア州、ロスアンゼルスのWally Heider Studios
フロリダ州、マイアミのCriteria Recording Studios
Andy Gibb、全曲のリード・ヴォーカル
参加ミュージシャンは・・・
Barry Gibbバックグラウンド・ヴォーカル、オーケストラ・アレンジメント
John Sambataroハーモニー、バッキング・ヴォーカル
Joey Murciaギター、Tim Renwick
ギター
George Bitzerキーボード、シンセサイザー、Harold Cowart
ベース
Joe Lalaパーカッション、Ron Ziegler
ドラムス
ホーンは、Neil Bonsanti、Ken Faulk
、Peter Graves
、Bill Purse
、Whit Sidener
、Stan Webb
オーケストラ・アレンジメント、コンダクター、シンセサイザーとして、Albhy Galuten
その他、曲ごとにゲスト・ミュージシャンも参加しています。・・・
エンジニアリングは、Karl Richardson、John Blanche
Criteria Studiosでは、Dennis Hetzendorfer
Wally Heider Studiosでは、David Gertz
プロデュースは、前述の通り、Gibb-Galuten-Richardsonです。
アルバム・ジャケットの方、アート・ディレクションは、Glenn Ross
デザインは、Tim Bryant、写真撮影は、Gary Heeryとクレジットされています。
そしてエグゼクティブプロデューサーは、Barry Gibbです。
・・・
A面、ドラマチックなストリングスのイントロから、軽快なリズムに・・・
Shadow Dancingでスタート
アルバム・タイトル曲でもあり、先行シングル
Barry、Robin
、Maurice
、そしてAndy Gibb
のGibb4兄弟
の作品
Andyの歌を、終始兄Barry
がバックアップ
、後半にはホーンも登場
この時代、売れて当然といったナンバーですが(笑)よくできた曲です。
全米7週連続No.1
イージーリスニング・チャートNo.8、ソウル・チャートNo.11
、全英No.42
そして1978年全米年間チャートNo.1です。
2曲目、フィラデルフィア・ソウル風のイントロから、Andyの優しい歌声・・・
Why、Barry
とAndy
の作品
Barryと一緒にコーラスに参加しているJohn Sambataro
がスライド・ギターでも参加、さらにギターでは、Jock Bartley
が参加しています。
アルバムから第4弾シングルとしてリリースされた国もありました。
3曲目、軽快なギターのカッティングから・・・
Fool For A Night、Andy
の作品
軽快に歌うAndyですが、サビの部分、レゲエ風の明るい曲調に転調します。
4曲目、ストリングスのイントロからややアップ・テンポで・・・
An Everlasting Love、こちらはBarry
の作品で、邦題は「永遠の愛」
こちらは本人の作品ということもあってか、Barry自身がデュエットに近い形で参加
、Bee Gees
の新曲と言われてもおかしくはないでしょう。・・・
後半のAndyとBarry
の輪唱部分
は美しく響きます。・・・
アルバムから第2弾シングルで、全米No.5
残念ながら4曲連続No.1は成りませんでしたが、イージーリスニング・チャートではNo.8
、そして全英ではNo.10
と前作以上のヒットとなっています。
5曲目、エレクトリック・ピアノの音色から静かに始まるのは・・・
(Our Love) Don't Throw It All Away
こちらは、Barryと、Bee Gees
のキーボード奏者 Blue Weaver
の作品
またこの2人で、ストリングス・アレンジメント
キーボードでPaul Harrisも参加した美しいバラード・ナンバー
コーラス部分にはBarryがところで少しテンポが上がります。
邦題は「愛をすてないで」
アルバムから第3弾シングルで、全米No.9
アダルト・コンテンポラリー・チャートではNo.2、全英No.32
尚、Bee Geesもレコーディング
ベスト・アルバム Greatestに収録されます。・・・
B面・・・ここからは、全曲、Andy Gibbの作品です。
そして、Barry Gibbが全く参加していないナンバーもあります。・・・
1曲目、ポップなストリングスから・・・
One More Look At The Night、邦題は「夢のほほえみ」
心地よく軽快なソウル・ミュージックといった感じ
ここではBarryがコーラス
では参加しています。・・・
2曲目、シンセサイザー音のイントロから、ピアノをバックに歌う・・・
Melody、「愛のメロディ」
ここでは、Andyのシンガーとしての力量を満喫できます。
ギターの音も効果的に挿入されています。・・・
3曲目、エレクトリック・ピアノとギターのイントロから、ややミステリアスなムードで・・・
I Go For You、効果的なストリングスをバックに、力強く歌うAndy
そして、ここで出てくるギター・ソロ
そう、EaglesのDon Felder
バンドが行き詰っている時の気分転換かな・・・とも思いましたが・・・(笑)
唯一無二のあのギター音が、途中と最後に入ることで、曲が弾き立っていることは確かでしょう。
4曲目、いきなりハイトーンのコーラスから・・・
Good Feeling
ここではアコースティック・ギターの軽快なカッティングとストリングスをバックに・・・
Barryがバックアップ
、その分、Andy
も力強く歌っています。・・・
5曲目、ギターのイントロから、静かに始まる・・・
Waiting For You、邦題は「愛するキミを待って」
Andyが思いを込めて、じっくり歌うミディアム・テンポのバラード
このナンバーでアルバムは静かにフェイドアウトしていきます。・・・
勿論、タイトル曲の特大ヒットの影響もあるでしょうが、全米最高位No.7
デビュー・アルバム Flowing Riversもロング・セラーではありましたが、Andy Gibb
にとって、唯一のTOP10入りしたアルバム
、そして最大のヒット・アルバム
となりました。
・・・で、このアルバム、改めて聴いてみると、シングル・ヒットした曲以外にも優れた楽曲が揃っていることを実感します。
それが・・・当時、絶大な人気ではありましたが、あのBee Geesの一派が全面バックアップしているのだから、売れて当然だろう・・・
そのように正当な評価もされていなかったことも否めないでしょう。・・・
’80年代中期でしょうか、Bee Geesも、それまでの活動に比べたら低迷していた時期に・・・
「Andy Gibbが、Bee Gees
に加わった
」というニュースを耳にしました。
これは嬉しいニュースと思いました。
これまで、Bee Geesのステージに、Andy
がゲスト出演、もしくは飛び入り出演ということはありましたが、兄弟4人でのBee Gees
はこれは強力
しかし・・・1988年3月、叶わぬ夢となってしまいました。
1978年の8月、名古屋の高校生だった自分は夏休みの期間ということで、父親の仕事に付いて、東京に来ていたのですが、そんな時も例の如くレコード屋巡りをしていたら・・・
そのお店に来ていた自分より若いと思う女の子たちが・・・
「Andy Gibbっていいよ
、1番いいよ
・・・」
そんなことを言っていたのが聞こえてきて、「さすが東京の女の子は進んでいるな・・・」そのように思ったのでした。(笑)
そう、1978年、Andy Gibbは最も輝いていたのでした。
(1978年のアルバムその2 Saturday Night Feverに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12599134436.html