1977年のアルバム(その67 French Kiss / Bob Welch)
1977年のアルバム・シリーズ
続いては、全米最高位No.12となるのですが・・・
先ず登場するのは、Bob Welch
元Fleetwood Macですが、言うまでもなく、彼の脱退後、Lindsey Buckingham、Stevie Nicksが加入
大ブレイクとなりました。
一方、Bob Welchは、Parisというハード・ロック・トリオを結成
日本では、渋谷陽一さんが絶賛しておられたものの・・・
全世界的にはセールスは今一つ・・・
Fleetwood Macの大成功とは裏腹といった感じ・・・
そんなBob Welchのことを、Mick Fleetwoodは不憫に思ったことでしょう。・・・
Bob Welchは、Fleetwood Mac時代の名曲、Sentimental Ladyを、Lindsey Buckingham、Christine McVie、そして、Mick Fleetwoodの3人が参加して、セルフ・カバー
シングルとして、リリース
チャートを急上昇して、全米No.8
日本でもFleetwood Macの時と同じ邦題「悲しい女」でリリースされました。
尚、とBob Welchは、「願懸け」で、「この曲がヒットするまで、髭を剃らない」と言っていたそうですが、ヒットしたことで、Mick Fleetwoodは彼の髭を剃ってあげたそうで、ここに2人の友情を感じます。・・・
さて、そんなBob Welchのアルバムが・・・
French Kiss
本来は、Parisのサード・アルバムとして予定していたアルバムとのことですが、実質、Bob Welch名義のソロ・デビュー・アルバムに
1977年の秋、Fleetwood MacのRumoursが全米アルバム・チャートNo.1を独走する中、リリースされたのでした。・・・
Fleetwood Macの感動の来日公演の少し後に、自分は、French Kissを購入
自分にとっては、Fleetwood Macのコンサートが終わってしまって、ポカリとあいてしまったその空虚な気持ちを補ってくれるアルバム
そして、Fleetwood Mac関連の次の新たな動きと思い、このアルバムを聴きまくっていたのでした。・・・
先ず女性が大胆にキスしているアルバム・ジャケットも話題になりましたが・・・
アート・ディレクションはRoy Kohara
Art Simsという人のデザイン
撮影は、Daniel Catherine、Olivier Ferrandとのことです。
Bob Welchヴォーカル、ギター、ベース
共作も含めて、全曲彼の作品
上記のSentimental Ladyは・・・
Lindsey Buckinghamギター、バッキング・ヴォーカル
Christine McVieキーボード、バッキング・ヴォーカル
Mick Fleetwoodドラムス、タンブリン
エンジニアは、Ken Caillat、Richard DashutというFleetwood Macファミリーの2人
アレンジは、Lindsey Buckingham
プロデュースは、Christine McVieとLindsey Buckingham
・・・ということで、完全にFleetwood Macとしてのセルフ・カバーと言える作品
Fleetwood Mac Featuring Bob Welchとクレジットしても良かったかもしれません。・・・
その他のナンバーのメンバーは・・・
ドラムスが、元Eric Burdon Band、その他多くのレコーディング等に参加している、Alvin Taylor
ストリングス・アレンジメントは、Gene Page
エンジニアは、Warren Dewy
プロデュースは、Carter(John Carter)
レコーディングは1977年、ロスアンゼルスの、Sunset Sound、Village Recorders、Cherokee Studios
そして、Producer's Workshop()とクレジットされています。・・・
A面・・・美しいアコースティック・ギターのピッキングから、パワフルなドラムス
そして、優しい歌声
前述のSentimental Lady、「悲しい女」でスタート
アルバムBare Treesの時は、サビの部分は一緒に歌っていたChristine McVie
ここでは、All I Needed~とコーラスを・・・
またオリジナルでは歌われた2番の歌詞は歌われていません。・・・
それでも、Bob WelchのFleetwood Mac時代の最高の名曲
この時代のFleetwood Macのバックアップでヒットしないわけがないでしょう。・・・
前述の通り、全米No.8
Fleetwood Macの不遇の屈辱を果たしたと言えるかもしれません。・・・
そして、2曲目からは・・・
先ず、軽快なロック・ナンバー、Easy To Fall
ここで入るコーラス
自分はChristine McVIeではと思っているのですが・・・正規のクレジットはないようです。(苦笑)
3曲目、ギターのカッティングから、Hot Love, Cold World
こちらは、John Henningとの共作
途中、ブレイクもあり、多彩なギター・ワークを聴かせてくれます。
アルバムから第3弾シングル、全米No.31でした。・・・
4曲目、エフェクターを効かせたギターにストリングス、Mystery Train
Elvis Presleyでお馴染みのナンバーとは同名異曲
ノリのいいナンバーで、当時のライヴではオープニング・ナンバー
短いながら、ギター・ソロも聴かせます。
5曲目、ポップな、Lose My Heart、この時期のFleetwood Macと共通するようなナンバーです。
6曲目、ややミステリアスなムードで、Outskirts
プロデューサーのJohn Carterとの共作、Bob Welch自身、Fleetwood Mac時代は、このようなミステリアスな雰囲気も持っていました。
シンセサイザーも効果的に挿入されます。・・・
B面、耳に残るイントロのフレーズ
Ebony Eyes
ストリングスも効果的に入り、コーラス部分はメロディアス
そして、ここに参加しているのが、この何年か後に大ブレイクする、Juice Newton
アルバムから第2弾シングルとして、全米No.14
そして、この曲は日本でもヒット、Bob Welchの名を一般に浸透させました。
2曲目、Lose Your...
Lose My Heartの短縮版、インタールードといったところでしょう。・・・
3曲目、Carolene
ギターのカッティングから、ストリングスが入り、軽快にBobの歌
サビの部分でポップに転調
曲調として当時のPeter Frampton等も思わせます。・・・
4曲目、イントロからストリングスも入り、ソウル・ミュージック風
Dancin' Eyes
ギターはハードに挿入されています。・・・
5曲目、ストリングスのイントロ(Lose My Heart)にギターが絡んで一転して、軽快なリズムへ・・・Danchiva
Fleetwood Mac時代から唯一無二のややミステリアスな歌
シンプルな編成ながら、Alvin Taylorのドラムスが印象的です。
6曲目、再びストリングスのイントロで、Lose Your Heart
こちらもLose My Heartと同じ曲で、コーラスが入り、ややスローに
そして全般的に心地よいギターも入り、フェイドアウトしていきます。・・・
Sentimental Ladyの大ヒットによって、Parisでも不遇の時代だったBob Welchは遂にブレイク
そして、翌年に出演したCalifornia Jam 2では、Mick FleetwoodとStevie Nicksがゲスト出演
Fleetwood Macファミリーのバックアップもあって、彼自身としても大きな存在となっていったのでした。・・・
ただ日本では、第2弾シングル、Ebony Eyesがヒット
元Fleetwood Macというよりは、Boz Scaggsや、George Bensonと同じような、ソフト&メロウ・サウンドの代表格の一人として捉えられていきました。・・・
果たしてそれは、Bob Welchにとっては・・・
1979年4月には初来日公演が行われましたが、行くことはできませんでした。・・・
Fleetwood Macでは貧乏くじを引いた形になっていたBob Welch(苦笑)
それでも1977年はまさにFleetwood Macの年だったので、やはり出てくるべき人が、クロースアップされた
それは間違いないでしょう。
因みに1977年年末、自分は、ELOのOut Of The Blueと、このBob WeichのFrench Kissばかり聴いていたのでした。・・・
(参考までに、1977年のアルバム その4 Rumours / Fleetwood Macに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12498027042.html