1977年のアルバム(その8 Book Of Dreams/Steve Miller Band)
1977年のアルバム・シリーズ
最高位No.2ということで、2番目に登場するのは・・・
The Steve Miller Band
Book Of Dreams
アルバムFly Like An Eagleが、シングル・カット曲のヒットも続いたこともあって、ロング・セラーに
そして1977年になり、日本でも、シングルFly Like An Eagleによって大人気に
FM番組「ダイヤトーン・ポップス・ベスト10」でも上位に上がってきたことが印象に残っています。
恐らく日本では全米No.1ヒットのThe Jokerより人気曲になったかもしれません。・・・
・・・で、そんな中、間もなく、この新作Book Of Dreamsが早くもリリース
「えっ・・・もう・・・」と思ってしまいますが、前作Fly Like An Eagleとはほぼ同時期のレコーディングとのことです。
日本でも発売され、邦題は・・・「ペガサスの祈り」
そう、ジャケットはAlton KelleyとStanley Mouseによるペガサスのイラスト、アートディレクションはRoy Koharaとクレジット
このペガサスのイラストから取られているようです。
以降、ペガサスは、The Steve Miller Bandのトレード・マークとなっていきました。・・・
日本ではまだFly Like An Eagleもヒット中の中・・・
アルバムからの先行シングル、Jet Airlinerがリリース
前作からの全米No.1ヒットRock'n Meを思わせるキャッチーなナンバー
それだけにチャートも急上昇
そしてアルバムリリースです。
レコーディングは前作同様、1975年~1976年
サンフランシスコのCBS Studiosにて
メンバーは・・・
Steve Millerヴォーカル、ギター、シンセサイザー、シタール
Lonnie Turnerベース
Gary Mallaberドラムス、パーカッション
この前作のメンバー3人に・・・
David Dennyギター、Greg Douglassスライドギター、Byron Allredピアノ、シンセサイザーの3人が新たにクレジット
メンバーは6人となっています。
そして曲によってゲストが参加
中でもハーモニカ奏者のNorton Buffaloは、その後、2009年に亡くなるまで、Steve MillerBandの中心人物の1人として活躍しました。・・・
エグゼクティブ・プロデューサーとして、JohnPalladino
Mike Fusaroレコーディング・エンジニア、Jim Gainsミキシング、Win Kutzアシスタント・ミキサー、Ken Perryマスタリング
そしてプロデュースは、Steve Millerです。
このアルバムは、LPレコードとして購入しました。
A面・・・針を降ろすと・・・前作同様、宇宙をイメージするシンセサイザー・サウンド
Thresholdでスタート
Steve MillerとByron Allredの作品、邦題は「飛翔」となっていますが、直訳の通り、導入部ということでしょう。
それを打ち破るように、CreamヴァージョンのCrossroardsを思わせるギターのイントロへ・・・
Jet Airliner、多くのアーティストに楽曲を提供しているPaul Penaの作品
前述の通り、軽快なロックン・ロールで、第1弾シングルとして、全米第8位
このアルバムからは最大のヒットとなりました。・・・
尚、シングル・ヴァージョンはイントロが短くなっています。・・・
風の音が流れ・・・アコースティック・ギターをバックに、Norton Buffaloのハーモニカ
Winter Time
このアルバムがリリースされたのは初夏ですが、邦題は「冬将軍」
Steve Millerの作品でいかにも日本人好みのメロディ・ライン
そんなこともあってか冬の時期になって、日本独自でシングル・カットされました。
ここでは、Norton以外に、ベースではBob Glaub、ドラムスとバックグラウンド・ヴォーカルにSteven Mooreが参加
後半、少しギター・ソロもフィーチャーされます。
一転して、軽快なドラムスとベースから、Swingtown
文字通り、ダンス・ミュージックで、Steve MillerとChris McCartyの作品
アルバムから第3弾シングルとして、全米第17位
もう少し後の(Saturday Night Fever以降の)時代ならもっと大ヒット下かもしれません。
続いては、True Fine Love
Steve Millerの作品で、邦題は「イカシた恋」
アルバムの中で1番のポップなナンバー
シングル向きですが、シングル・カットはされず・・・翌年リリースのベスト盤には収録されました。
シンプルながら、ギターもフィーチャーされます。・・・
A面最後は、シンセサイザー、キーボード類をフィーチャーしたイントロから・・・
Wish Upon A Star
Steve Millerの作品で、邦題は「星に希いを」
Steve Millerらしくない(苦笑)ディズニー作品のようなタイトルですが、キーボード類をバックに、重厚なコーラスを加えた美しいバラードナンバーです。・・・
B面、シンセサイザー音に動物の鳴き声・・・
Jungle Love
メンバーのLonnie TurnerとGreg Douglassの共作で、シンプルでパワフルなロック・ナンバー
それだけにアルバム紹介の時にもよく取り上げられていました。
アルバムから第2弾シングルとして、全米第23位
正直言うと、もっと大ヒットすると思っていました。(苦笑)
続いて、やはりインタールードと言うべき、Electro Lux Imbroglio
Steve Miller作のシンセサイザー曲、邦題は「憩い」
そこへ、どことなく東洋的なメロディラインのキーボード音とギターのピッキング
そして語りかけるようなSteveの歌
曲は、Sacrifice、邦題は「孤独の旅」
作者は、Curley CookeとLes Dudek
この曲だけ、バック・ミュージシャンが異なっていて・・・
Les Dudekリード・ギター、Kenny Johnsonドラムス、Jachym Youngピアノ、Charles Calamiseベース、Curley Cookeアコースティック・ギター
前作収録のThe Windowもこのメンバー、Eaglesにも共通したサウンド
そして、Les Dudekのギターがフィーチャーされます。
そして・・・シャッフル調のブルース、The Stake
メンバーのDavid Dennyの作品で、「激しい愛」
ここでも、Norton Buffaloのハーモニカがフィーチャー
スライド・ギターとともに、Steveの歌を盛り立てます。
アルバムの中で1番、本来のSteve Miller Bandのイメージといえるでしょう。・・・
また一転、シンセサイザー音から、アコースティック・ギター
My Own Space
Steveの歌もリラックスした感じ・・・
Jason CooperとBobby Winkelmanの共作で、邦題は「安らぎの海辺」
パワフルなナンバーが多いだけに、邦題の通り、安らぎを感じます。・・・
アルバム最後は、アコースティック・ギターのイントロから・・・
Babes In The Wood
Steve Miller作のインストゥルメンタルで、邦題は「森の散歩」
ここでは、シンセサイザー・サウンドではなく、フォーク・ソング調・・・
リード・パートがキーボード(シンセサイザー)でプレイされています。・・・
アメリカン・ロックを代表するバンドのアルバムは、ネイティブアメリカン的なナンバーで幕を閉じました。・・・
Fly Like An Eagleの続編ともいえるアルバムだったわけですが、こちらの方が、ノリのいいナンバーが多いということもあり、日本ではこのアルバムは大好評
The Steve Miller Bandの名前もすっかりビッグ・ネームとして定着しました。
ただ独自のシングル・カット「冬将軍(Winter Time)」は思ったほど、ヒットしなかったように思います。・・・(苦笑)
勿論、The Joker、Fly Like An Eagle、そしてこの、Book Of Dreamsと3枚のヒット・アルバムによって、世界的にビッグネームの仲間入りをしたことも、言うまでもないこと、そして全米No.1ヒットこそ出なかったものの、このアルバムがThe Steve Miller Bandとして最も人気のあるアルバムとも言えるでしょう。
尚、この後、4年ほど新譜のリリースはありませんでした。・・・
1度も来日公演は行われたことはなく、2009年にはちょうどこのアルバムからバンドに参加して、ライヴ・パフォーマンス等に於いても重要な役割を果たしてきたNorton Buffaloも亡くなってしまいました。・・・
以降も活動を続けているThe Steve Miller Band
そのライヴ・パフォーマンスを是非見たい
未だに常にそのようなことを・・・思っている次第です。
(1976年のアルバム その29 Fly Like An Eagleに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12391788812.html