こんばんは、天野隆征です。
物語(特に架空の世界の物語)においては、二項対立によるコントラストが
物語の奥行き感をぐっと広げる鍵なんだな、ということを改めて感じたのでここに書いておこうと思います。
恐らく最も使い勝手がいいのが、時世の二項対立。
例えば「古代の超文明」なんかは、そのテーマそのものに古代(先史)と未来(超文明)という、
非常に壮大な二項対立の構造を持っているんですよね。
内容いかんはともかく、その奥行き感にそもそもクラっと来てしまうのです。
近未来物のSFにしても、例えば人間的な普遍を扱ってみたり、過去から脈々と続く因縁だったり歴史構造だったりがストーリーに絡んだ瞬間、ぐっと物語としての深みが生まれます。
ポストアポカリプスにしても、近未来の設定と廃墟化した(=過去)世界観という二項対立がやっぱり機能していると思います。
そう言えば、以前書いたSF長編でもそれは感じました。
時世は200年ほど先の未来なのですが、聖書(しかも創世記)やそのモチーフをふんだんに入れることで世界に奥行きが生まれる感覚。あれはとても勉強になりました。
…そして、今更なぜこんなことを書くのかと言うと、
今日久々に「天空の城ラピュタ」を観たのですが、作品の中のあらゆる面での二項対立が非常に印象的で、
あの作品が何十年と愛される作品であることには、やはりそういったものによる作品的な奥行き感が奏功しているんだろうな、と改めて感じたからなのです。
自分が物語を作る側になると、そうでなかった頃には気づかないものにいろいろ気がついて、面白いですね。
ラピュタはいろいろ気づいたことが多かったので、どこかでまとめて書こうと思います。