こんばんは、天野隆征です。
実は私、趣味で自転車（ロードバイク）に乗るのですが、
実は自転車って、最も身近な身体拡張のあり方な気がしています。
なぜかというと、例えば人間の歩行速度はおおよそ時速5㎞程度です。
歩行は比較的体力をセーブできる移動手段ですが、それでも半日も歩けばバテてしまいます。
もう少し速いと、駅伝選手はだいたい時速20㎞くらいで走ります。
しかしこのスピードは、1時間程度でオールアウトするくらい体力を消耗します。
人間の素の移動能力なんて、こんなもんです。
しかし、自転車（ロードバイク）に乗るとどうなるか。
巡航速度30㎞以上は当たり前で、条件さえそろえば40㎞近いスピードを維持できます。
そんなスピードを出しながら、数時間走り続けて100㎞とか200㎞とか、平気で移動できるのですね。
これは凄いことです。
同じ人力なのに、パワーをうまく引き出して、変換してやることで比較にならない力に化ける。
その装置が、自転車な訳です。
そしてこの自転車（ロードバイク）、特殊な靴を履いてスキー板のように靴裏とペダルを固定するのですが、
それが感覚的には、自転車を本当に身体の延長として感じさせます。
機械による身体能力の拡張。
自転車は本当に、それをよく体現していると思います。
そして、人と自転車の関係というのは、「人間と機械」という次元で考えると非常に良好な関係に思います。
例えば自動車を考えてみると、今の時代の市販車というのは機械制御だらけで、人間が動かして言うというよりは機械が動かしている、更に言うと「機械に動かされている」感すらあります。
またモータースポーツはマシンのポテンシャルを引き出すことが一つのテーマであり、それにおいてドライバーというのは、ある意味「機械の従者」と言えなくもありません。
（私はモータースポーツも好きでよく観るので、もちろんそうではないヒューマン・ファーストな世界観、モータースポーツならではの人間と機械の関係があることは知っていますが、とはいえ自転車から見ると相対的にそういった面が浮き彫りにならざるを得ない気がしています）
ということで、自転車に乗りながら、自転車を通して人間にとっての身体拡張、人間と機械の関係などを考えてみると、
いろいろインスピレーションが湧いてくる訳です。
自転車、いいですよ。