こんばんは、天野隆征です。
今回は、長年のもやもやの種
ズバリ、「"熊"はなぜ、"クマ"になり得たのか」について、つらつら書きたいと思います。
熊はなぜ、クマになり得たのか。
体長2メートルを超え、体重はゆうに500キロ以上。強靭な四肢と鋭いツメをもち、その一撃で人を死ないし重傷に至らしめる獰猛無比な森の野獣は、いかにして人畜無害な「愛らしさ」の世界的アイコンになったのか。
これは大いなる謎であります。
ただ歴史をさかのぼれば、テディベアがその一翼を担っているのは間違いないのではないかと思います。
(ちゃんと調べたわけではありませんが)
ちなみに、テディベアのテディとは第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトの愛称だそうです。
1902年、熊狩りに出かけた大統領が、負傷した熊を撃つのを拒んだというエピソードが新聞で取り上げられ、尾ひれがついた結果その熊がけなげな子熊だったということになり、ニューヨークの負債が作ったクマのぬいぐるみが大人気となり、更にドイツから輸入されたクマのぬいぐるみが爆発的に売れ…
つまり、熊がクマになるにあたっては
マスメディアと大量消費社会という二つが、重要な要素であったということになりそうです。
ちなみに、クマの代表的コンテンツの一つ『クマのプーさん』の刊行が1926年ですので
テディベアによる「熊のクマ化」というのは、それよりもだいぶ前に進行していたことになります。
無論、熊がクマになるうえでは
子熊を筆頭とした、熊そのものの愛らしさという「種子」が必要だったでしょう。
しかし、近代社会という装置に媒介された人々の共通のイメージ、言ってしまえば「集団幻想」の共有なしには、決して熊はクマとして芽吹くことはなかったのです。
ちなみに、これは非常に好意的な意味で書いています。
なぜなら、私の部屋には多種多様なクマが生息していますので。