こんばんは、天野隆征です。
今回は、最初のインスピレーションを具現化する予行演習として着手した作品について。
構想上1,000ページを超えそうな大作を、序盤の3ページで挫折した私は
「まずは100ページでいいから、とにかく完結させよう」ということで、短編の執筆にとりかかります。
それは、1910年代のアメリカを舞台としたSF小説。
テーマはズバリ「映画」です。
ニューヨークに林立し始めた高層ビル群。繁栄と喧騒の予感に色めくマンハッタンの街並み
…を、ハドソン川の対岸から眺めつつ新製品の開発に明け暮れる、ニュージャージーのカメラ(撮影機)技術者を主人公にした物語。
場面描写のほとんどが夕暮れか街灯のともる夜で、
脳内イメージとしては、手持ちのレパートリーの中でも最も幻想的でビジュアル的に美しい作品です。
(そのイメージを描写しきれているかというと…、どうでしょう汗)
訳あって現在のところ公開はできないのですが、
ライバルの開発者が次々と謎の死を遂げるなど、展開的にはミステリーっぽい感じもありつつ結末は完全にSFという代物です。
今思うと、この作品はもっとミステリー的な展開を膨らませて、そのうえでSF的に完結するという転換を、中盤のページ数を増やしてやってもいいなーと思ったりするのですが、残念ながらミステリーの引き出しがないのでしばらく実現しそうにありません。
あと、この作品は聖書の隠喩を端々に取り入れているのですが、
特にラストの展開などは、そのモチーフをもっと効果的に使えれば良かったなと思います。
そして、初作品だけあって描写が弱い。。
脳内イメージはとても気に入っているのですが、ちょっと書ききれていないなーという感じです。
(もう少し試行錯誤しようかな…)
…とまあ、いろいろ課題はあるものの
「完結させられた」という達成感に加えて、試行錯誤の中で学びも多かった作品であり、今もときたま見返すといろいろ(反面教師的な意味で)発見が多いです。
何よりも、短編を完結させたことで「次は長編だ!」というモチベーションが生まれたことが一番大きかったですね。
ということで、次回はこれの次に取り組んだ、長編作品に関するお話です。