あまりに脳内でドラマティックに演出されていたはずのなにかは
睡眠を通して冷静になっていった。
時間は人も関係性も全てを変えていくし、流していく。
拘っている自分の方がおかしいのだと僕は素直に認めなければならない。
盛り上がっているのは自分だけ、
盛り上がっているのは自分の頭の中だ。
いつも通りの独りよがりだ。
目覚めた僕が最初にしたのはご飯を食べることだった。
次に入社誓約書を書くことだった。
しかし、インターネットで調べれば調べるほどに
頭を悩ませることばかりが書き連ねられている。
会社側からもへりくだるような書き方がされているので、
自分はそれを消して、へりくだるような書き方に訂正して返すべきとか、
添え状を送付せよとか、封のやり方はどうだとか、
一体何がどうしてこんな社会になってしまったのか。
作業効率が悪いとか、生産性が労働時間と全く見合ってないだとかは
このあたりの妙な風土や文化から来ているのではないだろうか。
それをマナーだとか、和の心だとか、どうかしている。
それを一通り、済ませた後は
選挙投票に向かった。
日曜日は大阪には居ないので、期日前投票になる。
地元の区役所を探している時、幼稚園を通りかかった。
それは自分がはるか昔に通っていた幼稚園である。
活気ある、妙に渋い卒業歌だった思い出の幼稚園だ。

どうにも空の色も相まって、活気あるようには見えなかった。
ケイコ先生は今いくつになっているのだろう。
僕は投票を終えて、あえて遠周りな方法で帰った。
インターネットで何気なく「手話 合宿」と調べると
去年度自分が運営した合宿の参加者の誰かが書いたであろう
合宿日記が残されているのを発見した。
どうやらとても楽しんでくれたようであるので、僕は少しだけ気持ちが良くなった。
お腹はいまだ満腹である。
体の調子は悪い。
心の調子が悪いからだろう。
最近の僕は劣情に負けている。
理想の自分に、4回生の間は近づけるように努力すると誓ったじゃないか。
頑張れよと自分にムチを打ちたい。
しかしムチを打つからには、アメが欲しかった。
今年は残り100日しかないらしい。
日めくりカレンダーでも買いたい気分だったが、
そんなものを勝っても、97日目からめくらなくなるだろうことは目に見えているので、僕はそんな思いを殺した。
今は非常に物悲しい気持ちに浸っている。
自滅したかのような感覚だった。
ゆう「甘い水」を聞いて、今日1日の、残り時間を過ごすことにする。面接の連絡が入ったので、月曜日は面接に行こう。