怪人二十面相が《少年探偵団》の事件で爆死してから、しばらくは平和な日が続きましたが…

また恐ろしいことが起こりそうです。
ある日の夕方のことです。少年探偵団の団員の相川泰二君は怪しい老人を見つけました。
相川少年は老人を尾行して、立派な屋敷に忍び込みますが…
老人は尾行されていることに気付いていました。相川君は地下室に落とされてしまいます。
この蛭田博士とは何者でしょう? なぜ相川君を屋敷に誘い込んだのか?
その日の夜、相川君は無事に家に帰ってきました。ところが、様子が変です。
どうも強力な催眠術によって操られているらしいのです。
相川君はおとうさんが大切にしている書類を金庫から取り出すと、どこかへ行ってしまいました。
数日後、少年探偵団の団員の大野君、斎藤君、上村君が蛭田博士の屋敷にやってきました。
もちろん、ここに相川君がいないか確かめるためです。
しかし、この三人も地下室に落とされてしまいました。
地下室に置かれた樽の中から無数の蛇が出てきて、少年たちは震え上がります。
この怪事件の捜査に乗り出したのは殿村という探偵でした。
殿村は屋敷に閉じ込められた少年たちを見事に救い出してみせました。
更に相川君が持ち出した書類も見つけて、得意満面です。
しかし、我らが明智小五郎は殿村以上に事件の真相を知っていました。
殿村は蛭田博士の変装だったのです。
蛭田博士は事件を解決することで、明智の評判を落とそうとしていたのでした。
自分が起こした事件を自分が解決するのは造作もないことですよね。
明智に正体を見破られた殿村ですが、警官の隙を突いて逃走します。
その後、しばらくは妙な事件も起こりません。少年探偵団は奥多摩の鍾乳洞にやってきました。
彼らは何よりも冒険が好きですから、深い洞窟を探検するのを楽しみにしていたのです。
ところが、鍾乳洞の中には蛭田博士たちが待ち受けていたのです。
少年探偵団は洞窟から出られなくなってしまいました。
何とかして脱出しなければ、小林君たちは飢え死にしてしまいます。
江戸川乱歩の少年向け作品の中では、かなりの長編です。
じっくりと腰を据えて読むことをお勧めします。
あるときは蛭田博士、あるときは殿村探偵… この事件の黒幕も変装の名人のようですが…?










