怪人二十面相は逮捕されましたが、またしても事件が…

美しい宝石に伸びる悪魔の手…
東京都に全身が真っ黒の怪人が現れるというのです。
彼らは幼い少女を誘拐して名前を尋ねます。
そして少女の名字が篠崎ではないとわかると、その場に置き去りにしてしまうのです。
どうも普通の誘拐犯ではなさそうです。
この事件の噂を聞いて、篠崎家の主人は不安になりました。
『黒い魔物は我が家の宝石を欲しがっている。だから我が家の娘を誘拐する気だ』
そうです。篠崎家には緑ちゃんという幼い少女がいるのです。
長男の始君は少年探偵団の団員ですので、団長の小林君に相談することにしました。
小林君は緑ちゃんを遠くの家に預けることを提案します。
しかし、タクシーに乗り込んだ途端、小林君と緑ちゃんは驚かずにはいられませんでした。
運転手たちは肌の黒いインド人だったのです!
彼らは小林君の行動を先読みして、二人を誘拐するチャンスを待っていたのでしょう。
二人はどこかの家の地下室に閉じ込められ、水攻めの刑に…
名探偵の明智小五郎が登場します。
しかし、簡単に捕まるような犯人ではありません。
警官隊が警官を追うという、奇妙な光景です。
実を言うと、追われている警官は犯人が変装しているのです。
この事件の首謀者は変装の名人でもあるようです。
ポプラ社の少年探偵シリーズの挿絵には二つのバージョンがあります。
初期の挿絵は柳瀬茂でしたが、いつ頃からか山内秀一が描いた絵に変わっています。
篠崎家の宝石は盗まれてしまうのか? そして小林君と緑ちゃんは…
スピーディーな展開で読者を飽きさせない名作です。







